昭和ヒーロー列伝から・「快傑ライオン丸」

 昭和ヒーロー列伝ネタから
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 今回は「快傑ライオン丸」(昭和47年ピープロ・フジテレビ)から

 本作は前番組の「スペクトルマン」の怪獣・巨大ヒーロー路線から一転、等身大ヒーローの時代劇としてスタートしました。
 その鮮やかな路線変更は鮮烈でしたが、第1話からヒーロー物のつぼをきっちり抑えた作りで私を含む当時の子供たちのハートをガッチリとわしづかみにした名作と言えます。

 シリーズとして見た時の統一性には欠けるもののピープロヒーローはこの小回りの良さが印象的です。
 (これは円谷プロや東映のヒーロー物にはない特性とも言えますが)

 作品単独として見ても白いたてがみをたなびかせ、羽根の生えた白馬にまたがって颯爽と太刀を振りかざすヒーローのヴィジュアルはどこから見ても頼もしく、カッコ良いものです。
 それでいてストーリー展開は常に手に汗握る展開と共に主人公と共に旅する弟弟子たちとの絆の強さもきちんと描写され、強い印象をあたえています。
 (こうした部分は浪花節的な泥臭さが嫌われるのか意外と他のヒーロー物では描写されない事が多い部分です)
 これは元々時代劇マンガの名手であった原作者のうしおそうじ氏の資質によるところが大きかったと思います。

 さて、本作の放映された昭和47年という年は「ヒーロー受難の年」と私自身勝手に呼んでいます(笑)
 というのも、この年はヒーロー物が最も濫作された一年でしたが他との差別化のためかとにかく「ヒーローが痛めつけられる設定やシチュエーションが無暗に多かった」からです。
 最もメジャーなウルトラマンエースですら兄弟は磔にされるわブロンズ像に固められるわ、自身もシリーズ中2度も死んでいますし、ミラーマンも体内に爆弾を仕掛けられるわSGMが一時壊滅するわとやられたい放題。
 レインボーマンやサンダーマスクは発狂、変身忍者嵐は生き別れの兄もろとも溶岩に投げ込まれ、キカイダーは無実の罪で指名手配、アイアンキングに至っては「静弦太郎のピンチだけで話が成り立っている」印象すらあります。
 シチュエーション的に当時比較的安心して観られたのは仮面ライダーとバロム1位ではなかったでしょうか。

 ライオン丸もその点では例外でなく序盤こそ普通のヒーロー物だったのがストーリー中盤で敵の首領のゴースンが実はウルトラマン並みの巨人だったという驚愕の設定と共にヒーロー自身がその強大さに圧倒されてしまう展開となりました。
 これだけなら上述のヒーロー物と変わらなくなるところですが、本作を頭一つ抜きんでた存在としたのがゴースンと同時に登場した「悪の剣士・タイガージョー」の設定です。

 努力型のヒーローに対して天才型のライバルを設定するのはこの直前まで流行していたスポーツ根性ものの定番だったのですが不思議と怪獣ものや変身物ではそれまで登場する事のなかった設定です。
 これだけでもエポックメイキングですがタイガージョー自体が天才であると同時にかなり求道的な側面を併せ持ったキャラクターだった事でそれまでの敵役にない魅力を発散させる事となりました。
 この種の敵キャラは本作からわずかに遅れて登場したハカイダーを始め、無数のエピゴーネンを生み出す事になります。

 ヒーロー列伝で取り上げられたのは「魔王の使者オロチ」「悪の剣士タイガージョー」「ライオン丸最後の戦い」の3本。
 特に最終回は平和と自らの使命の為ゴースンと相打ちになるライオン丸の非壮さに何度見ても涙が出てしまう(わたし的には)名編です。
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 さて、そのライオン丸ですがシリーズ化され後番組に「風雲ライオン丸」が来るのですが主人公が別設定でありながら前作と同じ名前と役者(!)だったりロケットで変身するという破天荒すぎる描写の為に早々と打ちきりの憂き目を見てしまいます。
 前作以上に非情な展開が多かったのも一因かもしれませんが個人的には5年後の巨大ロボットアニメ全盛期位のタイミングでこれをやっていればもう少し違う結果になったのではないかという気もします。



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コメント

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怪傑ライオン丸は、正統派ヒーロー物だと思います。話のテンポもいいし敵も魅力がある。それなのに風雲とタイガーセブンはなんであんな酷い方向に走ったんだろうと。顔が獣のアニマルヒーローは、雨宮慶太原作の牙狼シリーズとうちの地元の滋賀県のご当地ヒーローの甲賀戦士忍ジャガーと2つだけだからいかにアニマルヒーローが斬新か分かります。

>光になれさん

 獣顔ヒーローではパイロットだけで終わった「豹(ひょう)マン」と「シルバージャガー」(いずれもピープロ)がありますが、前者は快傑ライオン丸以上の傑作造形と思います。 

 ただ後者は・・・
 昨年くらいにCSで全編放映されましたがこの種のヒーローで群を抜くカッコ悪さで印象に残ってしまいました(汗)

 獣顔のヒーローはつくづく難しい物らしいです。