「鳥を見た」

 ウルトラQの「鳥を見た」も私を大泣きさせた一遍でした。
 この作品の初見は私が高校生くらいの時の再放送でです(当時は白黒ドラマの再放送は非常に珍しかった)
DSCN7003.jpg

 ここに出てくるラルゲユウスは数万年前に地上を跋扈していた怪鳥類の一種なのですがどういう訳か300年前のインドに大量発生。その時に航行していた船とともに三たび現代に現れるという、ウルトラ怪獣の中でも一二を争うミステリアスな設定の怪獣です。
 ストーリーのバックボーンは上記のとおりの怪奇譚の性質を持っているのですが、物語は孤独な少年とクロオと名付けられたラルゲユウスの交流と別れに主軸が置かれています。

 少年とラルゲユウスの間の交流描写はやや類型的なそれでありながら後のウルトラシリーズに観られない独特な素朴さで印象に残ります。
 ここだけ取れば当時からよくあった「少年とペットの愛情物語」でしかないのですがその小鳥がかなりミステリアスな背景を持った怪物である点がウルトラQらしいポイントと言えます。

 ノーマンの話はやや理性寄りの感動なのですがラルゲユウスの場合はラルゲユウスの性格や設定がミステリアスなまま少年との別れに至るだけにどこか理屈を超えた感動を覚えます。

 「おれも連れてってくれー!!」
 (ここで一呼吸置いて)
 「さようならー!さようならー!!」

 この一拍置いた切り替わりで涙が出て来ました。
 直前までの別れたくない気持ち、それがある瞬間に別れを自覚し見送ろうとすることで成長する様を鮮やかに描ききった名編と個人的に思っています。
DSC_0705.jpg

 さてここからは特撮絡みのはなしになります。
 ラルゲユウスが大暴れするクライマックスはその大半が「ラドン」「地球最大の決戦」のデュープで済まされています。
 ビデオデッキがなかった当時ならこれでも「昔の作品の名場面が観られる」という意味では結構豪華な作りなのですが実はここのシーンは本来この作品の為のオリジナルのセットとシーンが用意されていました。

 このシーンのメイキングカットなどは現在でも写真が残されていますが物語の設定に合わせてごく小さな地方都市を想定したセットが組まれていたようです。
 実はこのシーン、聞く所ではカットの中に武田薬品のアリナミンの看板が飛ばされるシーンがあったために直前になって差し替えられたのだそうです。
 ある意味幻の特撮シーンと言えますが、できるなら動画でこのシーンを見て見たい所ではあります。 


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コメント

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鳥を見た

 私は72年夏(当時小3)に観ましたがエンディング
が映画みたいな感じだったので長い事、映画用に
作られた作品と思い続けていました。
ファンコレではファンタジージャンルに入れられてい
る本作ですが1000年前のタイムトンネルを抜け
現代に現れ謎の怪鳥もタイムスリップして来た!
明らかに時空物のSF作品です。
鳥を見たもアンバランス時代に組まれていた回で
怪獣路線移行前の作品でラルゲユウスは単なる
特撮の見せ場として造り出したモンスターで光山
市交通局さんの言う通り文鳥と少年の交流がメ
インだった作品として書かれていたそうです。
もう一つ主役である古代の帆船は1959年の日本
誕生で使われたミニチュアとありますが日本誕生
の場合は完全な和船で鳥を見たに出た帆船とは

違う気がします。
この回に出てくる帆船は北欧のバイキングが使っ
た船と言った造りです。
で少し長くなりますが、もう一点ほど(笑)関連話を。
帆船を発見し万城目に沖へ出たら、この船が・・・
と語る漁師役の人は1957年制作の戦場にかける
橋に出ていた俳優さんで本作には地球防衛軍に
出ていた大川平八郎氏(ヘンリー大川)そして英軍
将校(軍医役)で出ていたジェームズ・ドナルド氏は
1967年のクーェターマスアンドザピット火星人大
襲来でラストにクレーンを使い火星人の電子生命
体?を葬った科学者役で出ていました。
日本もそうですが海外作品も名作と呼ばれる物に
は必ず後日、特撮出演する方が多いです。
脱線して申し訳ありません。

>星川航空整備部さん

 仰る通り本作のEDはシリーズ中でも異色且つ珠玉の物ですね。
 
 古代帆船の船首の飾りが海底軍艦のマンダだったというのは知っていましたが船体が和船ですか。
 ちょっとイメージしにくいですね。

 あの船の沈没シーンはまるで飴のようにマストが折れ曲がる描写があるのですが、白黒だとそれなりに破綻が無いのですがカラー版だと妙に安っぽく見えて損をしています。