昭和ヒーロー列伝から・「緊急指令10-4・10-10」

 今回は昭和ヒーロー列伝ネタから
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 「緊急指令10-4 10-10」(昭和47年円谷プロ・NET)を取り上げます。
 本作はある意味70年代版の怪奇大作戦を思わせる構成となっています。

 黒沢年男演じる毛利チーフを筆頭に水木譲、牧れい、池田駿介など当時としては渋いキャスティングに成る電波特捜隊が科学犯罪を始め様々な怪奇現象に対処するのがストーリーの骨格となっていました。
「電波特捜隊」とは何ぞや?という向きに解説しますとこれは当時流行していた市民バンド無線(CB無線ともいう)を通信手段に使い、一般の無線ユーザーからの通報や協力のもとに捜査を行う一種の私設捜査機関の事のようです。
 タイトルの「10-4・10-10」もCB無線で使う略語で「10-4」が「了解」、「10-10」が「さようなら」の意味との事です。

 変身ブーム全盛の折にこうした一見地味な題材のSFドラマを作ってしまう所は如何にも円谷プロです。

 取り上げられる事件は怪奇大作戦的な科学犯罪は勿論ですが、人間を食うなめくじやら食人植物、「死体に寄生したバクテリアがゾンビさながらに動き出す泥人間」といった中岡俊哉が書きそうな怪奇現象、
 挙句の果ては「地底怪獣」まで登場する題材の幅の広さが本作の魅力の一つとなっています。
 そのくせそれらに対抗する電波特捜隊の面々の装備はコスチュームこそMATみたいな派手なものですが武器は基本的に特殊な銃とスバルレオーネの専用車のみ。
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 ですがそれらの怪事件にぶつかったり対処したりするのがあくまで市井の人間たちの延長である電波特捜隊である事から、全体にどこかアットホームな雰囲気があり題材の暗さをかなりフォローする構成になっている所が本作の持ち味でありました。
 この点で「幼稚な怪奇大作戦」と評される事もありますが私の印象ではむしろ当時のNHK少年ドラマシリーズ的な印象の方が強く、むしろそちらの方向を志向していたシリーズではなかったかと思います。

 前述したように本シリーズは前半の1クールこそ派手な怪物や怪奇現象がバンバン出てくるのですが、後半になるに従い前述した「市井の奇現象や犯罪」を扱う比率が増えて行き他の特撮物にない独特の雰囲気の佳作が増えていった印象があります。
 それにつれて私の作品自体への好感度も上がって行き、本放映当時は終わるのが勿体ないとすら思える作品にまでなった記憶があります。
 一方で怪奇大作戦でも希薄だったゴシックホラー仕立てのサスペンスも多くこれも独特の雰囲気づくりに貢献しています。

 ヒーロー列伝で取り上げられたのは「狂った植物怪獣」「地底怪獣アルフォン」「非行少女カオリ」の3本。
 とても同じシリーズとは思えないタイトルの並びですが上記の路線変化が端的に記されています。
 わたし的に好みなのはここで取り上げられなかった「大空を飛ぶ少年」「死体を呼ぶ白骨」辺りでしょうか。何れもこのシリーズでないと実現できない話ではあります。

 ここからは余談です。
 私の故郷では当時本作は「日曜朝6時半」という時間帯の放映でしたから「朝寝の出来る日曜日」という楽しみを早々と打ち壊してくれた作品として記憶に残ります(笑)
 おまけにあの頃は8時半にジャイアントロボ、10時に変身忍者嵐、10時半は人造人間キカイダーと快傑ライオン丸が裏番組同士というプログラムでしたから地元民放が絶対に朝寝を許してくれませんでした。

 あの当時は余りに無茶な編成を嘆いたものですが今の地上波民放はもっと凄い事になっています。
 「戦隊と仮面ライダーが朝7時半から本放送」なんてあの頃は想像すらできませんでした(驚)しローカルながら「ガンライザー」等はそれよりさらに早いのですから。

 

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コメント

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10-4・10-10

 丁度、昭和47年特撮絶頂期と言うか変身ブーム
真っ最中に出た異色作だと思います。
私も10-4・10-10には思い出深き物があり当時の
関東地区では前にも話したように7月20日辺りから
ウルトラQ再放送が開始され10-4・10-10とQが
同時期に味わえたのです(笑)
確かに本作の場合は人間が計画的に犯罪をし
小道具?としてロボットや細菌を造り出す・・・
怪奇大作戦路線をトレースしていますがアルフォン
やアマゾンの吸血鬼、ロック星人、大ナメクジ等は
Q的で、もっと突っ込んで行くとアルフォンは50年
代のアメリカ作品にある例えば原始怪獣ドラコドン
そしてアマゾン~は初代マンのミロガンダと言え
ますがトリフィドの日の殺人植物がモチーフで、
ロック星人も天体を探る学者の暗殺指令に従う
話は帰マンのナックル星人かアメリカ作品だと
50年代に量産された惑星人達の襲撃物をベー
スとして大ナメクジは以外とQのナメゴンの現代
版と言うか公害からの産物として。
これもアメリカ作品に例えると実験による生物
の巨大物が重なります。
私が10-4・10-10で好きな回と言うとアルフォンで
防衛組織でない彼らが対策を講じるのは新鮮な
感もしました(ある意味物足りなさも有るけど)
あとは青いインベーダーかな・・・人が豹変する
場面が怖かったし宇宙人にリアル感がありまし
たし。
まあ要は夜のシーンが多いので怖いだけですが。
ただ、この作品は現代のネット社会を組み込んだ
内容で映像化すると日本版のXファイルな作品
となる気がして面白いと思います。
さあ今日はカネゴンですよ(笑)

>星川航空整備部さん

 「青いインベーダー」も印象深い話でした。本文でも書いた様に放送時間帯が日曜の早朝だったのですがこれを観た後、日曜日がダークな気分で過ぎて行ったのを思い出します(笑)

 そういえばMXでは怪奇大作戦もスタートしましたがこれも追々書いてみたいと思います。