「東京氷河期」

 今回もウルトラQネタから。
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 前回はガラモンの登場編でしたが今回はQ怪獣のもう一方の雄、ぺギラの再登場編。
 しかもわざわざ東京まで出張しての大活躍です。

 タイトルもずばり「東京氷河期」

 前作では南極の基地とその周辺を舞台とした一種の閉鎖空間での対決でサスペンスを盛り上げましたが本作では羽田空港を皮切りに東京タワー周辺やビル街など舞台の広い事で怪獣スペクタクルらしいパノラミックな画面構成を堪能できます。
 この辺り、東宝の怪獣映画で「スペクタキュラースリル(ゴジラの海外版の予告の煽り文句からw)」を知悉しているスタッフの面目躍如といった所でしょうか。
 
 前作ではぺギミンH搭載ロケット一発であっさり退散するペギラでしたが「弱点はぺギミンHだけ」だったらしく本編では出撃する戦闘機隊のミサイル攻撃をものともせずに暴れまくってくれます。
 前回のガラモンとは異なる力技のビル破壊はゴジラを彷彿とさせますが、ゴジラと明らかに違うのが「何を考えているのかわからないぺギラの表情と独特の眼力(めぢから)」
 ゴジラと同じ事をしているのに、まるで異なる印象なのがぺギラのキャラクター性を端的に表しています。

 普通、これだけスケールの大きい話を30分のドラマで正攻法にやろうとすると防衛隊の描写、科学者や政治家の描写、逃げ惑う市民の心理描写などが錯綜して収拾がつかなくなりそうなところを本作ではレギュラーの他には「身を持ち崩した元戦闘機パイロットの宝石強盗の父と田舎から父を訪ねて上京した息子」のドラマに集中させる事で散漫さを上手く回避している所が素晴らしい。
 あれだけ派手なシーンが連続した後、ラストで故郷への帰途の列車の中、脇に置かれた父の遺骨の箱をじっと見つめる少年の表情が胸を打ちます。
 その意味では泣かせる怪獣もののひとつと言っていいかもしれません。
 この辺り、後には見られないウルトラQらしい一遍ではないかと。

 ここからは余談
 本編の冒頭で羽田に着陸態勢に入った旅客機が突然空中で静止しそのまま爆発するという描写があります。
 (上空を通過中のぺギラの反重力光線の影響と推察されます)
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 がこの話の放映前、3月に羽田空港に着陸進入中のカナダ太平洋航空のDC-8が滑走路灯に着陸脚を引っかけて滑走路上に突っ込み炎上。
 その翌日にはそのDC-8の残骸を背にして別の滑走路から飛び立ったBOACのボーイング707が御殿場上空で晴天乱気流にぶつかって空中分解、そのまま富士山の太郎坊に墜落するという惨事が連続して起こりました。
 (意外に知られていませんがBOAC事故の直前にも前月に墜落していた全日空のボーイング727の遺体捜索中の海上保安庁のヘリが東京湾に墜落しています)

 この辺りの事情は柳田邦夫の「マッハの恐怖」に詳しいのですがシチュエーションと言い舞台と言い本作との類似点が実に多い事に慄然とするものがあります。
 本来は3月放映予定だったこの話もこの為に急遽延期されたとの事ですが無理もありません。


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コメント

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ペギラ

 確かに1966年は航空機事故が以上現象と思わ
れる程続きました。
特に2月に発生した全日空事件は東京湾内で複数
の船からは普段よりも低空飛行で飛ぶ機体を見た
と言う証言があります。
話しをQに戻しますと今回の羽田冒頭の撮影は
65年4月に撮られており64年にリニューアルされ
た羽田そしてDC8や氷漬けにされたルフトのB
707と最新鋭機を画面に押し出しています。
で東京氷河期で私的に忘れられないシーンが有り
ゆり子やデスク達を乗せたニュースカーがペギラ
半重力波で浮かび上がり横転する所です。
実車シーンは初代クラウンで浮かび上がるシーン
はプリンスグロリアで当時、三共?から出ていた
プラモデルを使ったかチェリカフェニックスシリー
ズのミニカーあたりを使ったのかと思います。
所でプリンスグロリアの模型は当時の特撮物に
結構出ていてマグマ大使パイロット版では東京
タワーと共に炎上する模型がでます。
またサンダー対ガイラでもクライマックスの東京
で暴れるシーンで踏みつぶされる模型が出ます。
時代的には縦目グローリアが出てプリンスが
日産と合併した頃です。

>星川航空整備部さん

 グロリアとクラウンのミニチュアすり替え、当時の特撮物では良くあるパターンでしたね。むしろ実車とミニチュアの車種が一致する方が珍しかったくらいで(笑)
 先日放映の怪奇大作戦「白い顔」ではアメ車のクーペらしき車がミニチュアでMS40クラウンに「変身」していました。

 当時のクラウンやセドリックがどちらかというとずんぐりしたプロポーションだった中でワイドな雰囲気のあるグロリアは見栄えがしたせいかミニチュアの露出も多かった気がします。