昭和ヒーロー列伝から・「宇宙鉄人キョーダイン」

 昭和ヒーロー列伝から
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 今回はここでよく取り上げられる「昭和51年組」のヒーロー物のひとつ「宇宙鉄人キョーダイン」(昭和51年東映、MBS)を
 私の故郷ではこの当時特撮ヒーロー物の放映本数が激減していた時期で本作は数少ない「新作ヒーロー物」として記憶されます。
 (何しろ他には半年遅れの「ゴレンジャー」しかやっていませんでしたし)

 本作は前年暮れに終了したMBS版の仮面ライダーシリーズの実質的な後継作品として企画された様ですが当時流行のロボットアニメの影響、更には仮面ライダーからのバージョンアップという志向があったと推察されます。
 それを端的に示すのがミニチュアを駆使した特撮の比率の高さ、これでもかとばかりに盛り込まれたヒーロー自身のギミック、メインメカの多さに象徴されます。
 これだけの要素を一本の作品に詰め込むとどうしても散漫な印象になりがちなところを「ロボット兄弟」「行方不明の兄の身代わりロボット(サイバロイド)」という部分で一本芯を通したので同時期濫作されていた東映ヒーロー物の中ではストーリー的に骨太な内容にすることに成功していたと思います。
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 ですが初見当時は「顔がぐにゃぐにゃ歪むミサイル」とか「ロボットが飯を食う」描写などに象徴される(設定自体はハードなのに)マンガチックな演出が災いして当時中学生だった私は結構引いてしまった思いでが(笑)
 同時期は「特撮物のお子様ランチ化」と並行してアニメの方が「宇宙戦艦ヤマト」の再放送に端を発したハイブロウ化が始まったタイミングだった事も災いして本作については「観ている事自体が恥ずかしい」という残念な環境でした。

 ですがデザインのマンガチックさとは裏腹に兄の身代わりロボットであるキョーダインは「本物の兄弟が帰ってきたらその時点で存在意義が失われる」という悲劇性を当初から秘めており、後半の10話くらいになると展開もかなりハードになってゆきます。
 この辺りは「仮面ライダーの後継者」としての作品の性格が垣間見える部分ではなかったかと。
 そして最終回、実の兄たちの帰還と入れ替わるかの様に敵の首領に特攻をかけて散ってゆくキョーダイン、これに「既に滅びて存在しない人類の移住先を探すために侵略活動を続けていた」という敵ロボット軍団の悲劇性も絡みこの時期のヒーロー物では屈指の最終回で締めくくられます。
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 ヒーロー列伝で取り上げられたのは「バンザイ!兄弟ロボット」「剣には剣を!さらば弟よ」「死なないで!!キョーダインよ永遠に」の3本。
 特に2本目はシリアス路線のとっかかりに相当する時期の回で上述の悲劇性の片鱗が伺われる一篇となっています。

 さてヒーロー列伝で取り上げられるヒーロー物の一部には最終回のEDの後に「後番組の予告篇」がおまけでついてくることが往々にしてありまして、これが当時の視聴者である私たちには結構な楽しみでした。
 これまでの例ですと「カゲスター」では「5年3組魔法組」が、「アイゼンボーグ」では「コセイドン」、「レインボーマン」では「ダイヤモンドアイ」が付いてきましたが、一番の変わり種が先日紹介した「10-4・10-10」で何と制作会社の異なる「どっこい大作」の予告が付いてきたのに仰天した事があります。
 
 で、キョーダインでも「大鉄人17」の予告が付いてきましたがキョーダインがあれだけの盛り上がりで終わった後に「それに輪を掛けてシリアスな第一話」で17がスタートしたのですからあの頃は凄かったと思います。

 余談2

 実はヒーロー列伝ではこの回から最終回までの期間、東映製作の作品に限って当時のプロデューサーで先日物故された平山亨氏を交えて作品について語って頂く形式で番組が進められました。
 平山氏が仮面ライダーやズバット辺りについてコメントするのは他局のスペシャルなどでも時折みられたのですが「キョーダイン」や「17」について本人の肉声コメントが地上波のテレビで拝めるとは思わなかったので当時は心底驚いたものです。

 ですが実はこんなのは序の口だったことを更に後に知る事になります。それについては次の機会に(笑)


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コメント

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この番組は、珍しく地球防衛軍が出た番組だと言う事と若い頃の堀江美都子さんが出てた事も話題になりましたね。石ノ森作品では、悲劇な展開多いですがキョーダインの場合は思いっきりそれが出てますね。

>光になれさん

 東映の作品でヒーロー以外の組織的な防衛隊がレギュラー登場したのはジャイアントロボ以来ですね。

 これでさえ結構なブランクですがこういう設定は不思議と東映の体質には合わない所がありますね。

 戦隊シリーズですらあからさまな防衛組織をモチーフにしたものは案外少数派だったりしますし。

No title

宇宙鉄人キョーダインのコミカライズが上下巻で、復刊したそうです。マンガショップっていう出版社から再販されてます。昔のテレビマガジン版のコミカライズ読んだ事ないので、書店で取り寄せてもらって読んでみたいと思ってます。

Re: No title

>光になれ さん

 当時のテレビマガジン、テレビランドのキョーダインは一二度読んだ覚えがあります。
 どちらかが比較的コミカル路線でもう一方が結構シリアスな話だった記憶があるのですが…