昭和ヒーロー列伝から・「ぐるぐるメダマン」
昭和ヒーロー列伝ネタから

今回は以前紹介した「がんばれ!ロボコン」にルーツを持つ東映コメディ路線のひとつでありながら中々語られる機会の少ない作品が取り上げられました。
物は「ぐるぐるメダマン」(昭和51年度)東京12チャンネルの初期の実写物のひとつです。
当時の東映特撮物と言うと「石ノ森章太郎原作」のイメージが強く、事実同時期の作品の大半はそうなのですがカゲスターやキャプターと同様に本作は東映オリジナル企画として作られました。
キャラクター原案は吾妻ひでおでアイキャッチのイラストも描かれているのですが、実際の造形物はどことなく石ノ森っぽいイメージもあります。

ストーリーは主人公の先祖が妖怪からもらい受けた水晶玉を取り返すために目玉の妖怪メダマンをはじめとする妖怪たちが繰り広げる珍騒動。
(臆病者の海坊主、ひねくれ小僧のあまのじゃく、器量よしのあずきあらい、でぶのミイラ、皿の妖怪まっさらという面々です)
とはいえフォーマット自体は「善行を積むたびに108個の水晶玉のいくつかが返される」というロボコンをかなり意識した設定でガンツ先生に相当する水晶玉の仙人(演じるはゴッドネロスこと渡部猛)がいたり、主演がロボコンでもレギュラーだった佐久間真由美だったりと類似点が散見されます。
これは推察ですが初めて自局オリジナルの番組を持つ事になった東京12チャンネルの方で「うちでもロボコンみたいな奴を一本」というオーダーを出していたのではないかと思えます。
同時製作の「キャプター」も「うちでもゴレンジャーみたいなのを」「グロイザーX」も「うちでもマジンガーみたいなのを」(以下略)
それはさておき、
ロボコン的な設定は持っていてもメダマンの性格設定は不器用でも妖怪らしく時には気まま、時には我儘な面が前に出てくる点でロボコンにない自由さは感じさせます。
その意味ではロボコンよりも民話的な要素も感じられますしその独特なのどかさが身上でもある気がします。
ヒーロー列伝で取り上げられたのは「ぼくはオバケだぞ」「マミちゃんの恋人だぞ」「地獄の鬼が迎えに来るぞ」の3本。
今回も番組内でプロデューサーの平山亨氏の思い出ばなしが語られ、今となっては貴重です。

中でも印象的だったのは最終回、メダマンについてはあまり湿っぽい最終回にしたくなかった。一旦妖怪の国に去るけど「また来るぜ」というようなからっとした感じにしたかった。といった意味の事を語られていた事です。
同じ平山氏が最初に手掛けた「悪魔くん」も意外と湿っぽい雰囲気は希薄でしたからこの辺りに氏の妖怪観の様な物があったのかもしれません。
最終回のラストシーンは雨雲の中を百鬼夜行のイメージで行進するメダマン達のカットで締めくくられました

ここからは余談です。
ローカルな話題で済みませんが、昭和50年代前半は私の故郷では実写特撮物と巨大ロボットアニメの本数が激減した時期でした。
このジャンルは中央ではまだかなりの作品が放映されていたのですが、それらの大半が放映されず当時「テレビマガジン」や「幼稚園」なんかで作品の存在だけが知られていてもブラウン管(死語)で見られなかった作品がかなりの数に上っていて当時の子供たちのストレスの種になっていたと思います(笑)
その中にあってこの作品、私の故郷で放映された数少ない実写物のひとつでした。
「ビビューン」も「コンバトラーV」も「鋼鉄ジーグ」も放映されていないのに一番無名の「メダマン」だけはやっていたというこの不条理(笑)
実はそのメダマンも当初は「忍者キャプター」の予定だったのがいきなり差し替えられたという経緯があったそうで当時の編成によほどの特撮嫌いがいたのではないかと妙に勘ぐってしまいます。
しかも放映開始から最初の数話は「ぐるぐる目玉マン」と堂々の誤植テロップが流されたというおまけ付き(爆)
如何にも田舎の民放らしいエピソードではあります。


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物は「ぐるぐるメダマン」(昭和51年度)東京12チャンネルの初期の実写物のひとつです。
当時の東映特撮物と言うと「石ノ森章太郎原作」のイメージが強く、事実同時期の作品の大半はそうなのですがカゲスターやキャプターと同様に本作は東映オリジナル企画として作られました。
キャラクター原案は吾妻ひでおでアイキャッチのイラストも描かれているのですが、実際の造形物はどことなく石ノ森っぽいイメージもあります。

ストーリーは主人公の先祖が妖怪からもらい受けた水晶玉を取り返すために目玉の妖怪メダマンをはじめとする妖怪たちが繰り広げる珍騒動。
(臆病者の海坊主、ひねくれ小僧のあまのじゃく、器量よしのあずきあらい、でぶのミイラ、皿の妖怪まっさらという面々です)
とはいえフォーマット自体は「善行を積むたびに108個の水晶玉のいくつかが返される」というロボコンをかなり意識した設定でガンツ先生に相当する水晶玉の仙人(演じるはゴッドネロスこと渡部猛)がいたり、主演がロボコンでもレギュラーだった佐久間真由美だったりと類似点が散見されます。
これは推察ですが初めて自局オリジナルの番組を持つ事になった東京12チャンネルの方で「うちでもロボコンみたいな奴を一本」というオーダーを出していたのではないかと思えます。
同時製作の「キャプター」も「うちでもゴレンジャーみたいなのを」「グロイザーX」も「うちでもマジンガーみたいなのを」(以下略)
それはさておき、
ロボコン的な設定は持っていてもメダマンの性格設定は不器用でも妖怪らしく時には気まま、時には我儘な面が前に出てくる点でロボコンにない自由さは感じさせます。
その意味ではロボコンよりも民話的な要素も感じられますしその独特なのどかさが身上でもある気がします。
ヒーロー列伝で取り上げられたのは「ぼくはオバケだぞ」「マミちゃんの恋人だぞ」「地獄の鬼が迎えに来るぞ」の3本。
今回も番組内でプロデューサーの平山亨氏の思い出ばなしが語られ、今となっては貴重です。

中でも印象的だったのは最終回、メダマンについてはあまり湿っぽい最終回にしたくなかった。一旦妖怪の国に去るけど「また来るぜ」というようなからっとした感じにしたかった。といった意味の事を語られていた事です。
同じ平山氏が最初に手掛けた「悪魔くん」も意外と湿っぽい雰囲気は希薄でしたからこの辺りに氏の妖怪観の様な物があったのかもしれません。
最終回のラストシーンは雨雲の中を百鬼夜行のイメージで行進するメダマン達のカットで締めくくられました

ここからは余談です。
ローカルな話題で済みませんが、昭和50年代前半は私の故郷では実写特撮物と巨大ロボットアニメの本数が激減した時期でした。
このジャンルは中央ではまだかなりの作品が放映されていたのですが、それらの大半が放映されず当時「テレビマガジン」や「幼稚園」なんかで作品の存在だけが知られていてもブラウン管(死語)で見られなかった作品がかなりの数に上っていて当時の子供たちのストレスの種になっていたと思います(笑)
その中にあってこの作品、私の故郷で放映された数少ない実写物のひとつでした。
「ビビューン」も「コンバトラーV」も「鋼鉄ジーグ」も放映されていないのに一番無名の「メダマン」だけはやっていたというこの不条理(笑)
実はそのメダマンも当初は「忍者キャプター」の予定だったのがいきなり差し替えられたという経緯があったそうで当時の編成によほどの特撮嫌いがいたのではないかと妙に勘ぐってしまいます。
しかも放映開始から最初の数話は「ぐるぐる目玉マン」と堂々の誤植テロップが流されたというおまけ付き(爆)
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コメント
2015-06-06 13:20 光になれ URL 編集
「メタルダー」は時期的に昭和ヒーロー列伝では取り上げられていなかったのですが、別な切り口から近いうちに取り上げる予定でいます。
その折はよろしくお願いします(笑)
あと、今日明日しか通用しないネタなのですが、もしそちらがスカパー!に加入しておられるのならば東映チャンネルが明日(6月7日)の無料放送で「メタルダー」の第1話と劇場版を放送します。
併せて「闘将ダイモス」「グランプリの鷹」「江戸川乱歩シリーズ・明智小五郎」のそれぞれの第1話も掛かるので個人的にはお勧めです。
ご参考までに。
2015-06-06 18:22 光山市交通局 URL 編集
2015-06-07 15:32 光になれ URL 編集
バトルホークのページで、間違えてタイトル欄にHNを入れてしまいました。すみません。
2015-07-05 12:10 すーぱーぺるる URL 編集
メダマンの場合、うちの故郷で放映された事自体が凄い話だったと思います。
児童誌の露出も少なかったですし本放映当時のネット局もあまりなかったのではないでしょうか。
2015-07-05 16:53 光山市交通局 URL 編集
吾妻ひでお先生
吾妻ひでお先生と言えば近年は「失踪日記」も有名ですね。
2015-07-06 09:51 すーぱーぺるる URL 編集
コロコロポロンのアニメは私の処では放映されず「岩手で放映されないテレビアニメの上映会(こんなイベントが成立して客が集まるというくらいの田舎でしたw)」で一回だけ観たきりです。
後番組の「ななこSOS」の方は意外なほど各地で放映された上にCSでも時折掛かるのですが「ポロン」は何故か影が薄いですね。
2015-07-06 22:22 光山市交通局 URL 編集