「人食い蛾」

 今回はMXで放映中の怪奇大作戦に関連したネタです。
 怪奇大作戦のストーリーや設定についてはあちこちで語られていますし、私自身がそれに付け加えるところも正直殆どありません。
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 ですからこのブログではまず劇用車の観点から本作を語る形から始めたのですが、もうひとつの切り口からも語って見ようと思います。

 それは本作のコミカライズと実際の本編の相違点から。
 実はこの手法もファンサイトや同人誌なんかでいくつか素晴らしいのが出ているのですが、私にとってももうこれ位しか切り口がない物で(汗)

 まず「怪奇大作戦」のコミカライズで単行本になっているのは桑田次郎版、影丸譲也・中条けんたろう版(これはまとめて一冊になっています)の2冊3種類があります。
 実はこれ以外にも池上遼一や園田光慶が書いた仕様が存在するのですか、どうもこの怪奇大作戦と言う番組はウルトラシリーズと異なり強面劇画系の作家のコミカライズが多い印象があります。

 (尤も、後に帰ってきたウルトラマンを始め後期ウルトラシリーズをコミカライズの面で支えた内山まもるも小学3年生の掲載の池上版を読んで学習雑誌への投稿を決意したという逸話も聞いていますが)

 実際これは怪奇大作戦のカラーに良くマッチした人選だったと思いますが単にこれだけ見ると自分が読んでいる本が少年誌である事をつい忘れてしまいそうです。

 それはさておき上記のコミカライズの中にはテレビと異なるオリジナルストーリーも多いのですがそれでも実際放映された番組の半分近くがコミカライズされているので実際の本編と比較してどちらが面白いか比べて見るという不毛な楽しみ方もあります。
 何分描いているのが上述の劇画系の面々ですからストーリーでの手抜きやはしょりが少なく本編と別な魅力をも強く感じるのです。

 と言う訳で今回からコミカライズの面で私なりに怪奇大作戦を語って見たいと思います。
 まずは製作第1話に当たる「人喰い蛾」(放映は第2話)

 ウルトラセブン終期の新番組予告でも先に取り上げられていた、怪奇大作戦のイメージリーダーとも言える回です。
 そのせいかコミカライズも桑田次郎版、影丸譲也版のふたつで出ているのですが生憎桑田版の方は私の手持ちにないので主に影丸版を基に話を進めます。

 深夜、路上で突然蛾の群れに纏わりつかれその鱗粉で溶解死する男。ヨットの上で、他の場所でも次々に同様の死者が出て警察は混乱状態。
 この事象を犯罪と自然現象の両面から捜査するSRIの三沢は、被害者の中に同じ自動車会社の設計技師が複数いた事から技師を狙う殺人の方向で捜査に突進する。
 一方、分析の結果から災害の可能性が否定された事で牧も最後に残った主任技師の家に向かうが既にその家にも蛾が侵入していた・・・

 大雑把に描くとこういうストーリーです。

DSCN7696.jpg
 

 コミカライズを一読した印象ではかなり実際の話に忠実にマンガ化されている感じです。
 このシリーズで取り上げる3者の漫画の中では最も劇画臭の強い絵柄ですがウルトラセブンよりも対象年齢をかなり上げている本作のイメージには最もよくフィットしていると思います。
 (それゆえ、この後の話ではTVとの相違点においてかなり劇画的なインパクトが強くなって行くのですが)

 唯一、放映版と異なるのが「赤ん坊を蛾から守るために牧が特殊な銃で蛾を撃ち落とす」シーンになっている事ですが(銃の名称は「ケミカルメース」だそうです)これは改訂前のパイロット版では映像化されています。
 この事からこのマンガは予めパイロット版を観たか改訂前の脚本を基にして書かれているものと推定されます。

 因みに影丸版の怪奇大作戦では牧がSRIジャケットを着装するのはこの回のみです。
 以後の話では他のメンバーがジャケットを着ている中、牧だけがひとりスーツ姿で活躍するのですが、これも実際の映像イメージにごく近いものでした。

 中条版や桑田版での牧は殆どジャケットを着けっぱなしで桑田版に至っては「SRIジャケットの上から白衣を着ている」描写もあったりするのに比べると影丸版はTVシリーズの怪奇大作戦をよく消化した上でコミカライズに臨んでいる事が伺われます。

 ところで余談ですが、園田光慶版の牧は上述のどれとも異なる強面キャラでデザインされていました。
 服装も黒いポロシャツ姿でキャラ表に牧と書かれていなかったらまるでギャングの中ボスです。

 その園田版の牧もどう描写されているのか是非読みたいと思うのですが…


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コメント

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怪奇大作戦

 Qも終盤戦に入りますが怪奇も折り返し回を
過ぎましたね(笑)
光山市交通局さんも大全を持っていましたか!
ウルトラと比べて怪奇大作戦はファンの支持は
受けているものの書籍は79年に出されたストーリ
ーブック(Qとコラボした物)程度で大全の様に企画
そしてメーキング写真、ゲスト一覧とか詳しい内容
を凝縮した資料は大全が唯一で初かもしれません。
大全によると怪奇の企画そのものは68年年明け
から始まり撮影開始は68年7月26日と、かなり急
と言うか放送2か月前を切っているスケジュールで
造られた事が分ります。
セブンの最終撮影が7月半ば完了している話なの
でセブン終了後直ちに撮影開始だったのでしょう。
人食い蛾が第一話と言うのは、やはり怪獣物を
卒業するのは円谷サイドは認めたくは無かったと
行った事も見えてきます(怪生物を1話に出して
視聴者を繋ぐパターン)
怪奇のワンクールはガス人間第一号的な犯罪+
科学が多く、ある意味~トワイライトゾーン的な
物も加味された感もします。
ゲストの古谷さん、平田さん、桜井さんを出してい
る所もウルトラからの視聴者を繋ぐ苦肉の策と言
う事も読み取れる所でしょうか。
毎回ですが長々と書いて、すいませんです。

>星川航空整備部さん

 返事が遅くなりすみません。

 言われてみれば怪奇大作戦単独の書籍というのは案外少ないですね。あとはLDかDVDの解説くらいでしょうか。

 企画初期の段階ではキャスティングもかなり二転三転あったようですね。
 石立鉄男の三沢とか高橋元太郎(うっかり八兵衛氏)の野村、役名不明ながら近藤正臣や田村正和も候補に挙がったらしいですが、これらのキャストのSRIだったら相当に雰囲気の異なる作品になった気がします。

 初期の怪奇大作戦ですがわたし的にはミニチュア特撮の「ウルトラセブン臭さ」に一種の違和感を感じていました。
 「白い顔」の転落シーンなんかは今にも山影からエレキングが出そうなロケーションでしたし「ジャガーの目は赤い」の橋の爆発シーンなんかもそうです。

 二十四年目の復讐や呪いの壺あたりでようやく「怪奇」らしい独自のミニチュアの見せ方が確立したようにも感じますね。