「吸血地獄」

 コミカライズに見る怪奇大作戦ネタ。

 今回は「吸血地獄」を(マンガ版のタイトルは「ふたつの顔の少女」)
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 この話は桑田次郎がコミカライズ化しています。
 桑田氏のコミックで私が魅力を感じるのは何と言っても洗練された絵柄。エイトマンは言うに及ばず前作のウルトラセブンのそれも歴代ウルトラマンガの中で一二を争う洗練度を誇ります。
 
 ですが一方で単発のSFやミステリネタなどでは流血や人体切断、死屍累々の結構アシッドな描写も多く洗練された絵柄と併せると視覚的なインパクトも大きかったりします。
 (余談ながらパノラマ島奇談のコミカライズは未だに私のトラウマです汗)

 本編はそうした桑田氏の資質が最もよく発揮された回でTVとは異なる展開と切り口が心地よくすら感じられます。
 ストーリーが全く同じなのにTV本編での主題は「吸血鬼の血が目覚めた事によりこの世のものではなくなってしまった二ーナを自らの境遇と重ね合わせつつなおも愛し続け、最後に自ら火口に飛び込み運命を共にする山本青年の悲劇」に置かれていたのを換骨奪胎。

 「吸血鬼の血が目覚めた事で可愛らしい少女が悪魔の顔を見せる二面性」に主題を移し緊迫感のあるホラーに仕上げています。
 ある意味桑田版の「悪魔っ子」とも言えるかもしれません。
 二ーナにつき従い生贄の人間を調達する山本青年にしても「二ーナを人類学の研究材料に学会で発表する」下心があり、ラストで火口に落ちるのも血に飢えた二ーナに食いつかれた事故死となっています。

 なによりお人形さんみたいな体型でネグリジェ姿の二ーナが体格はそのまま顔だけが吸血鬼に早変わりする姿はかなりのインパクトです。
 愛らしい少女の姿から「あたし・・・血が欲しいの!」と言いざま吸血鬼の顔で振り返って警官の頸に噛みつく所などは特にトラウマ級の描写で(汗)

 TV版の方はテーマはよく伝わるものの30分の枠でその全てを表現しきれず消化不良の印象が強かったのですがホラー描写と子供の二面性・悪魔性のみに焦点を絞った桑田版はかなり良くまとまっていると思います。
 TV版にしても前後編にするか、1時間枠でもう少し人物描写を描き込めばかなりいいストーリーになったと思えます。
 その意味では本作は「恐怖劇場アンバランス」辺りに向いた題材だったのかもしれません。

 なお、桑田氏はこの後もう1話テレビ版準拠のコミカライズをしていますがこれもテレビ版とは異なる展開で印象に残ります。
 それ以後は「怪奇大作戦」でありながらテレビ版から離れたオリジナルストーリーに軸足が移って行くのが興味深い所です。


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コメント

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いよいよ

 本日はQ最終回そして怪奇大作戦も後半へと
入って行きます(笑)
怪奇大作戦は実写と比べるとコミックの方が怪奇
性を強く出していて居ますが本編では映像化しず
らい描写(CGが無い時代)もあり怪奇が犯罪凶器
として現されたのかと思います。
ところで桑田次郎と言えばエイトマンですが円谷
シリーズとも縁が深くQ放送前の1965年末に販売
されたソノシートの解説漫画は、なかなかの出来
で実は私もガラモンの逆襲を持っていますが桑田
氏の作画はSF性と妙にマッチしてソノシート付録
の漫画の方が楽しめます。
例のセミ人間がカナン星人モドキ?デザイン。
ラストでセミ人間を処刑する円盤が初代マンの
マスクに似たデザインをしていて、こっそり次作の
宣伝?とも言えるような(笑)

>星川航空整備部さん

 桑田氏の作品と言うと私は「ウルトラセブン」の印象が強いですね。当時のマガジンで連載されていましたが、1話に2,3回の回数を振っていたため肝心のセブンが登場するのが少なく、当時の子供の私などは結構フラストレーションを溜めていました。

 でもあの頃はすでにマガジンのメインは「巨人の星」と「あしたのジョー」にすっかりシフトしていましたが。

追記です。

昨夜はウルトラQの最終回でしたがEPGで後番組を検索して思わず唖然としました(笑)

おまけにその後の怪奇大作戦が深夜0時半に観るにはアシッド過ぎるOPの「かまいたち」でしたからもう眠れないのなんの(尤も昨夜は熱帯夜でもあったのですが)