昭和ヒーロー列伝から・「ロボット刑事」

 昭和ヒーロー列伝ネタから。
DSCN7891_20150715175205feb.jpg

 今回は「ロボット刑事」(昭和48年度・フジテレビ・東映)をば。
 石ノ森章太郎原作の実写ロボット物は、人間社会と自分の意志を持ったロボットの繋がりを題材にテーマを採った物が多いのが特色です。
 それらの殆どが人間社会に溶け込もうと努力しつつも必ずしもそれが報われない悲劇性を内包しつつも人間とロボットのあるべき関係を模索する点で共通したものが感じられます。
 
 この辺りロボットが人間を支配するディストピアを描いたウルトラセブンの「第四惑星の悪夢」や「人間はロボットになれるがロボットは人間になれない」と言い切ったレッドバロン辺りの他社作品との差異が著明に感じられます。

 ロボット刑事はロボコンと並んでそうしたカラーが良く出ていた作品だったと思います。

 警視庁に新設された特殊捜査班に配属されたロボット刑事Kが仲間の刑事とともに殺人ロボットレンタルを生業とする犯罪組織バドーと戦う。
 ストーリーを一言でかいつまむとそうなるのですが「上司の刑事はきってのロボット嫌いの叩き上げ」「捜査の過程で自分がロボットであるがゆえに壁にぶち当たってしまう話の多さ」「そのたびに悩むヒーローロボット」と同時期のピープロ作品並みに鬱な展開が多かった印象があります。
 ただそんな中にあって、Kを創造した科学者の建造したマザーの存在や徐々に理解者が現れる流れに救いが用意されている辺り、決して後味は悪くありません。
 どんなにヒーローを追い詰めてもぎりぎりのところで踏みとどまって見せるのが東映ヒーロー物らしい所です。

 そんな堅苦しい話を別にすると本作の特徴というか魅力は敵バドーロボットのギミック感満点なデザインと描写です。
 同時期のキカイダーのロボットが「動物のメカ化」だったのに対して全身を無数のリングに分解して通気口から進入するワッカマンとか歩行体形から電気椅子に変形するコシカケマン、文字通りロッカーから手足が生えるロッカーマンなど「機能即デザイン」というロボットらしいデザインは子供心に魅力的でした。
 また、他作品の差別化の意味もあったのか当時の東映作品としてはミニチュア特撮の比率が高かったのも特徴でこれも毎回の楽しみでした。
DSCN9556.jpg

 それに立ち向かうロボット刑事のデザインも中々に秀逸。胸を開いて発射するロボット破壊砲はシンプルながら説得力に溢れていますし、ヒーローカーの空飛ぶパトカーも当時としてはずば抜けてカッコ良いデザインでした。

 ヒーロー列伝で取り上げられたのは「バドーの殺人セールスマン」「恐悪ミサイルマン バドーの正体!!」「バドー火星に死す!」の3本。
 前にも紹介しましたが今回も平山亨プロデューサーの解説付きです。
 ここで印象的だったのは「Kにとってのブレザーはロボットでありながら少しでも人間に近づきたいという象徴であって戦闘時にブレザーを脱ぐときのKの内面は怒りと共に悲しみに満ちていたのではないかと演出していた」というくだりでした。
DSCN7892_20150715175204b02.jpg

 さてここからは本コーナー恒例となったローカルな余談です。

 実はこのロボット刑事、本放映当時私の故郷では何と「キカイダー01」の裏番組でした。
 素人目にはどっちがどっちかまるで見分けが付きません。

 が、本作は「01」からやや遅れてのスタートでしたので当時の私はジャイアントデビル編辺りまでは01を、それ以降はロボット刑事をほぼ全話観ていました。
 お陰でビジンダー・ワルダー編の頃の01はリアルタイムで観ておらず、後の再放送で初見した口です。

 ところがその頃の01を観ると怪人のデザインというか造形が「余りにラフすぎ」だったのに驚きました。
 時代劇の衣装倉庫からそのまんま持ってきた様な「浪人ロボット」「般若ロボット」、宇宙服着ているだけの「宇宙人ロボット」 

 これでは力の入ったデザインのバドーロボットに勝てるはずがありません(笑)
 多分私の故郷では01の視聴者のかなりがロボット刑事に流れたのではないかと。

 更に言うなら故郷でのロボット刑事の前番組は快傑ライオン丸でキカイダーの裏番組。
 これまた「ハカイダー」対「タイガージョー」の「番組対抗悪役合戦」の様相を呈していた事になります。

 思い出して見て「全くなんて時代だったんだ」

 そう言えばこの後には「未来少年コナン」の裏が「機動戦士ガンダム」だった事もありました。



にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ SF映画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 コレクションブログ ミニカーへ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

当時としては珍しい、変身しないヒーローですよね。キカイダー兄弟と違い人間の姿になれない事が逆に差別され守るはずの人間にすら理解してもらえないと言う。ただ記事にも書いてある通り、最初こそ差別されていても段々理解を示していく辺りの展開は非常にいいですしそこら辺の描き方は人情派の東映だけの事はありますね。最終話はロボット刑事に芝刑事が「これからも一緒にやっていこうな」と「お前ビール飲めないだろう」「ああそうでした、ハハハ」の会話は暖かくて清々しいです。最初は凄くギスギスしてたのに。

Re: No title

> 光になれ さん

 キカイダー01とロボット刑事。
 同時期にどちらも同じロボット(アンドロイド)ネタな上にデザインでも共通点が多かったにもかかわらず、ストーリー面での差別化が良い方に転んだ例と思います。

 ブログでも書いた様に故郷では何故か裏番組になったのですがストーリー面で言うならどちらを選んでも不満はなかったかもしれません。強いて言えば01がロボットの不完全な心ゆえの葛藤をロボット同士がぶつけ合う展開だったのにロボット刑事はもろに「人間とロボットの人間関係」に踏み込んだ展開だった分わかりやすかったと思います。

 この時期どちらも暗い展開だったのですが。

 余談ですが「民放が2局しかなかったのに同じジャンルの、それも似た様な作品が裏番組になる」というのは私の故郷の(悪い意味で)お家芸でした。
 その傾向は特にロボット物で顕著で「トライダーG7」の裏が「ゴッドシグマ」だったり「レザリオン」の裏が「ビスマルク」だったり「ダイオージャ」の裏が「鉄人28号」だったりします。
 実写では「大鉄人17」の裏が「ロボット110番」だった時期もありました(笑)当時の編成は何を考えていたんだか。