熱帯夜の怪奇本シリーズ2015・「恐怖!幽霊スリラー」

 毎年恒例となりました熱帯夜の怪奇本シリーズから。

 以前から時々一部を取り上げてきた「恐怖!幽霊スリラー」を取り上げたいと思います。
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 中学生の頃でしたか、始めて本書を読んだ時の恐怖感とトラウマ感は全く半端じゃありませんでした。
 恐いもの見たさで買ったのはともかくとして、それから1週間位「布団を頭からかぶって寝ていた」位です。

 何しろ表紙からして恐怖ものです。当時よくこれをレジに持って行けたものだと自分でも不思議です。
 今回再読して知りましたが(遅い)このカバーイラストは生頼範義でした。

 元々ユアコースシリーズというのは同じ学研のジュニアチャンピオンコースの上位版という位置付けでしたからどのジャンルでもチャンピオンコースよりもバージョンアップした内容となっています。
 その伝で言うなら本書はさしずめ「怪奇ミステリー」のバージョンアップ版と言える内容といえます。

 それだけに全編がおっかない、それでいて怪しげな話の連続!
 当時すでにオカルト漫画家として有名になりかけていた古賀新一の筆になるドッペルゲンガーやら死霊の復讐劇の再現劇画が入っていたり、他の挿絵も恐怖感全開の描かれ方をしていたりするので尚更です。
 しかも情報量が半端ない。数えた事はありませんがこの薄さの本で収録されている怪異譚は軽く100は超えていると思います。
 一方で本書は類書に比べると心霊現象の科学的分析(と呼ばれるもの)にもページが割かれています。ですがそのページに「実際の縊死体の写真」なんかが平然と入っていたりするので決して安心ができません。

 そんな調子ですから「世界の偉人の死の直前の言葉」のコーナーすら一種の怪談に感じられてしまいます。

 この手の心霊関係の本は中岡俊哉や佐藤有文、平野威馬夫などが当時の定番でしたが本書の著者の斉藤守弘(肩書が「前衛科学評論家」)の語り口は実録系怪談のセオリーである一種淡々とした語り口を保ちながら所々に怖さをもみ込ませるような擬態語を取り混ぜる所に特徴があります。
「」とかいう語り口には当時の子供を心底恐がらせるに足るだけのものがありました。

 怖いもの見たさというのは誰にでもあったものらしく当時友人の家などに行くと2,3軒に一軒くらいの割合で本書か「怪奇ミステリー」「日本妖怪図鑑」のどれか、または全部があったものです。
 してみると本書は隠れたベストセラーのひとつと言えるかもしれません。

 ところでこのシリーズには同じ著者の筆になる姉妹篇がもう一冊あるのですがそれについては次の機会に。


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