熱帯夜の怪奇本シリーズ2015・「幽霊を見た!日本編」

 真夏の夜の怪奇本シリーズ。

 今回は帰省にまつわる思い出を交えた内容になります。
 ですから、本自体の内容とはシンクロしない事もありますがそこはご勘弁を。
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 昭和51年頃の夏休み。
 母方の田舎の実家にお盆の墓参りを兼ねた帰省をした時の事です。

 今もそうなのですが当時も実家の周囲は人里離れた農村という趣で晴れた夜になると天の川がダイレクトに拝める位の暗さになる所でした。
 風呂上りに縁側を歩いていると窓ガラスにヤモリの赤い腹がポツンと浮かび「ああ、田舎に来たなあ」と妙な感慨にふける事の出来るロケーションでありました。

 そんな唯でさえ寂しい環境の処なのですが、そんな所に行くのに怪談の本を持って行くというのは無謀というか何というか(笑)
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 その時に持って行ったのが
 サラブレッドブックスの新刊「幽霊を見た!日本編」(中岡俊哉著・二見書房)
 これを故郷に向かう列車に乗る直前に「ホームの売店」で買ったのですから何か魔が差したとしか言いようがありません。
 おまけにカバーの煽りには「一人だけでこの本を読まないでください!」と来ています。

 怪奇本を読むというのはそれ自体が怖い行為には違いないのですが、周囲の環境が本の内容にシンクロした雰囲気だと怖さは倍増します。
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 何しろ河童や座敷童の本場である遠野の隣村ですから幽霊どころか妖怪が出ても違和感がないロケーション
 (違和感があるとすれば宇宙人くらいなものです)
 しかもこれを読んでいる夜は座敷の真中に蚊帳が吊られ、周りには当時の夏の風物詩である蚊取り線香の香りが漂います。

 もちろん灯りは蛍光灯ではなく15w位の小さな白熱灯。

 なんでこんな環境を選んで怪奇本などを読んだのか我ながら未だにわかりません。
 おかげで2泊3日の滞在中は寝不足に(汗)
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 本書は恐怖の心霊写真集でおなじみの中岡俊哉氏の手になる幽霊系の怪奇談を89本収めたものです。
 前半はいわゆる実録系怪談で以前紹介した「世界の怪奇スリラー」や「恐怖の心霊写真集掲載の体験談に近い内容です。
 後半は当時の有名芸能人の体験した怪奇譚、中岡氏自身が出向いた幽霊屋敷の調査談が多く、本書の特徴の一つとなっています。

 登場するのはアン・ルイス、あべ静江、志垣太郎、長門裕之夫妻、園まり、美輪明宏、森村誠一、淡谷のり子、森田健作と今見ても実に錚々たる面々だったりします。
 後に怪談本の定番となる芸能系怪談の走りともいえる内容でしょう。

 が、個人的に一番印象に残っているのはある幽霊屋敷を筆者が探訪する話でした。
 実はこの話は本書に収録されている話で唯一実体としての心霊現象が出てきません。

 都内某所の幽霊屋敷についての投書をきっかけに屋敷に出かけるのですが、地図を片手に幽霊屋敷を探しに出掛ける所から始まって、その過程で周囲の住民の伝聞(体験談にあらず)がいくつか重なり、ようやく目指す建物に到着します。
 しかしその後に書かれているのは屋敷の建物そのものの寂寥感たっぷりの雰囲気だけ。

 ある意味肩透かしを食わせる内容なのですが、幽霊が出てこないにもかかわらず不思議なうそ寒さを感じさせる一篇でドキュメントタッチの寂寥感が不思議な読後感を残します。



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