「光る通り魔」

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 怪奇大作戦のコミカライズネタから

 今回は影丸嬢也版の「光る通り魔」を。
 
 テレビでは世間への復讐心と洋子への報われぬ恋への執念から肉体を作り変えてまで這い上がってきた燐光人間のやるせなさが本編の基軸で山本の死そのものへの追及があまりされなかったのに対し、コミカライズ版では「それではなぜ山本が燐光人間にならなければならなかったのか」の謎が中心になっています。

 何しろ冒頭が「謎の男に火口に突き落とされる山本一郎(テレビ版では信夫)」から始まるのですから。
 この辺りテレビとは異なるテイストのサスペンス性はたっぷり。

 その直後にテレビと同様に北都公団の清水課長が燐光人間に襲われて怪死するのですが、ここで出てくるのは山本の同僚ではなく妹の「洋子」。 
 北都公団の青木と婚約しているという設定(実はこれもコミカライズでは重要な伏線)はテレビと同じながら洋子が山本の妹となっている事でテレビ版とは3者の関係描写が大きく異なってきます。

 その後の燐光人間の調査、山本の消息探索などのプロセスはほぼテレビを踏襲、どうかすると台詞回しまで酷似しているのですが、阿蘇から帰った牧の以下の台詞から本編はテレビと大きく異なる方向に舵を切ります。

「10年間無遅刻無欠勤の気の弱い男…一言で言うと無気力な男がですね、どんな理由があるにしろ自殺などするでしょうか!?」
 前半はテレビと同じなのに結論がまるで正反対になっているのです。

 そこで俄然クローズアップされてくるのが「妹としての洋子」の存在です。

 事件の鍵を握るコインロッカーの鍵。
 テレビ版では牧に指摘されるまで洋子はその存在自体を問題にしませんでしたが、コミカライズ版では洋子自身が鍵を見つけコインロッカーの中から「兄の遺言と告発状」を発見する流れになりました。
 ラスト、洋子と真犯人(大体誰かは見当がつくとは思いますができればここは本書を読んでほしい所です)との対決の中アパートに乱入する燐光人間。

 山本一郎の変わり果てた姿である燐光人間の目的は単なる復讐だけではなく妹を危地から救いたい一念もあったのです。

 そしてエピローグ。

 テレビでは誰からも受け入れられなかった静かなる恨みを呑んで洋子の人形に取りついた燐光人間はSRIの火炎瓶で炎の中ふたたび絶命しました。

 しかしコミカライズ版での山本一郎は復讐を果たした後、牧や三沢の見守る中「復讐のためにどろどろになりながら這い上がってきた」故郷の阿蘇の火口に再び去ってゆくところを匂わせて終わります。

 テレビ本編とは明らかに異なる終り方ですがこの余韻のあるラストはわたし的には好みです。


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