「あけてくれ!」

 リピートは終わりましたが今更ながらのウルトラQネタです。
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小田急NSEというと私がまず思い出すのはウルトラQ の最終回「あけてくれ!」です。

 本作は再放送で初見したのですがそれまでの怪獣話とはまるで違う異次元SFに当時かなり衝撃を受けましたし当時一緒に見ていた両親も結構驚いていた印象があります。

 細かなストーリーは敢えて書きません。
 「ぜひ見てください」としか言い様がありません。とくに「ウルトラシリーズ=怪獣がミニチュアで暴れる」というイメージを持った方が観ると少なからず衝撃を受けられると思います。
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 現世に飽いた人々が誰も知らない異次元に導かれる話はそれまでのウルトラQとは異なる不思議なリアリティと人間臭さを感じさせるものです。

 描写の面では多分にカリカチュアされているとはいえ、主人公のサラリーマンの上司や家族が彼を責めるときの言葉回しや今度こそ人間に絶望した彼の呆然としたラストの演技は秀逸でした。
 が、こうした内面描写はウルトラシリーズでは後にも先にも感じられなかったものです。
 この点「人の精神が肉体と分離」し、それぞれが独自の人格を持ってしまう「悪魔っ子」(これについても近日触れたいと思いますが)が結果的に人の心や魂をも物質扱いしているのと比べて、「ずけりと観る者の心の中に踏み込まれるような重い感覚」を感じさせます。
 これはどちらかというと怪奇大作戦や恐怖劇場アンバランスのそれに近い物ですし、その意味では本作は円谷怪奇路線のルーツとも言えます。
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 それでも「異次元への踏み台に都電や電車が使われる」という設定にぎりぎりウルトラQらしさを感じるのも確かです。
 それも使われるのが幽霊列車然としたおどろおどろしい物ではなく、当時最新鋭の車両だった「小田急NSE」!この車種選択も現代怪談の持つ独特の硬質感を感じさせる点で良い選択だったのではないでしょうか。
 銀河鉄道999に先駆ける事10年前。異次元に向けて夜空を疾走する鉄道車両の映像化を果たしたのがこの小田急NSEでした(おかげで一部ではウルトラQ 最後のクリーチャーとも云われているようです)

 後からミニチュアのメイキング写真などを見ると床下機器が木製だったり(当時の自作モデルは大概そうだったと思いますが)台車がスハ43のそれに酷似していたりと結構面白かったりするのですが一方、昭和30年代のモデルらしい素朴さも感じさせる模型でした。
 サイズ的にはパーツが入手しやすかったOゲージかHOゲージでしょうか。
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 あと「8ミリの記念撮影中に偶然都電が空を飛ぶのが撮影される」というシークエンスはドキュメンタリーなタッチが衝撃的でこれも私の印象に残る所です。
 この辺りは後の「心霊ビデオ」に通じる所も感じられますが意外なところで本作の先進性が伺えたりしますね(笑)



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コメント

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あけてくれ

 私も再放送で観た口で79年夏の早朝に流れてい
た際に見たのが初です。
その前から本放送では見送られたと言う話は聞い
ていましたが実際に観ると理解できない話に思え
ました。
まあ私も光山市交通局さんと同じく模型の台車と
床下機器の木目?が気になっていました。
このNSEは大きさからしてOゲージと思われ地底
超特急の回では新東京駅に進入するシーンが有
り新東京駅ミニチュアは初代マンで防衛施設とし
て流用され電車が進入していた口は板で塞がれ
ただけで有名なバルタン星人とネロンガそして
ハヤタ隊員とホシノ君が立って居るスチール写真
から見るとOゲージ位かと思われます。
それと模型に付けられているパンタグラフもカツミ
から出ていたOゲージ用パンタで、これは80年代
頃までは簡単に入手できた部品で私も持っていま
すしカワイで手に入れた破損品?なB電気へ付け
て何とか物にしました。
それと以前、TMS別冊として出ていたレイアウトの
作り方と題した本の表紙にカラーでNSE模型の
アップ(先頭の展望席)を使ってましたが中村精密
からHO完成品が販売される10年以上前から出て
いた本なので、この模型も気がかりです。

>星川航空整備部さん

 コメントを読んでいて思い出しましたがNSEというとウルトラセブンの第2話でも登場しますね。

 車内かその近辺で宇宙人が巨大化するシチュエーションなら「あけてくれ!」のミニチュアなんかが流用されているか思ったので観返しましたがミニチュアは登場せずじまいでした。

 ですが本作と言い、セブンと言い、セットでなく実車の車内で堂々と撮影されているのが妙に印象的です。

 怪奇大作戦でもたびたび旧塗装の小田急電車が登場しますし円谷プロと小田急は何か密接な関係がありそうですね(笑)
(でも東映もジャイアントロボやアイアンシャープで小田急が出ていますか)

そうですね

 光山市交通局さんの言う通り円谷、東宝は成城と
言う事で地元小田急が多いですよね(笑)
若大将シリーズや無責任野郎とかになると小田急
バスの世界ですから(笑)
怪奇大作戦の場合2600形の「お買い物列車」や
ツートンの2400形で第二話の場合、車内のみで
小田急らしき電車が・・・1600形あたりかな。
Qだと、あけてくれ!で踏切のシーンで2400または
2200形らしき車両が。
ゴジラだと三大怪獣で2400形ツートン、社長漫遊記
でもNSEが。
ほんの数秒、数分ですがカラーで貴重な車両が見
られるのも、これらのシリーズの通な楽しみ方です。
モノクロですがブースカもNSEそして京王の5000
系が出る回も有りましたね。
所で、あけてくれ!を始めて観たのは学生時で、
それから自分が社会人になると何とも言えない
共感?とこんな事ではと感じる回と言えます。
ただ今の人が見ると劇中で沢村が大戦体験者で
NSEの窓に映る過去で出征して行くシーンは恐ら
く理解できないかと思います。
大戦が終結して19年めの11月に制作された話だ
からと言えばそれまでですが。
やはりQ異色作です。

>星川航空整備部さん

>NSEの窓に映る過去で出征して行くシーン~

 当時の製作者の中心が戦争を体験していたぎりぎりの世代でしょうからSFと言えども独特のリアリティが作れたのではないでしょうか。

 怪奇大作戦の「24年目の復讐」のラストの会話の言い回しにも似たような感覚を感じます。