「蒸気機関車と女」

 先日CSで放映された「特別機動捜査隊」の一篇から

 このブログでこれを取り上げるのはタイトルがずばり「蒸気機関車と女」だったからです。
 「蒸気機関車『の』」ではなく「蒸気機関車『と』」と書いている辺りに製作者のこだわりを感じるのは穿ち過ぎでしょうか。

 ストーリーは数か月前にSL撮影に来て失踪した女性と、東京でのやくざ者の撲殺のふたつの事件を巡り元機関助士と元機関士の娘の逃避行と捜査班の真相追求を軸に進行する、お話としてはごくありきたりなものです。

 ですが私が本作で特に注目したのがドラマの舞台。
 8620の三重連が華やかりし頃の花輪線、竜ケ森周辺が主要な舞台になっています。
 私の故郷では奥中山と並ぶSL撮影の名所だっただけにそこを舞台としたドラマというだけでも十二分に嬉しい物があります。
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 しかも季節は冬。

 雪煙を巻き上げながら画面を通過する8620の走行風景はドラマの一場面だけにするには勿体ないほど様になっていて物凄く惹かれました。
 又、当時の竜ケ森駅をはじめとする周辺風景も今となっては資料的価値の高い映像ではないかと思います。

 そのほか刑事の聞き込みで模型でのリニアモーターカーの実験風景やら万世橋時代の交通博物館でミニSLの運転風景が出てきたり、SLファンのカップルが乗車するのがこれまた今はもう見られない「ED75の重連が牽引する旧客列車」だったりとかもうれしいポイントではあります。

 セットの都合からか「旧客の室内にナロネ21表記のデッキが繋がっていたり」するのですが(爆)これも当時の撮影所に様々な車内セットが用意されていた事を伺わせる意味では貴重でしょう。
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 さて、本作の冒頭やクライマックス直前には当然の様に「撮影や録音に居並ぶSLファン」の姿が登場します。
 ですがその比率が「男女がほぼ半々」な上に殆どが「スキーウェア姿」
 しかも「線路沿いのかなりすれすれの位置まで接近する」という今なら顰蹙物の描写が続出していたのが目を引きますし、現在では絶滅状態の「デンスケ片手に通過音を録音」という風俗も視認できたりします。

 尤も本編ドラマでも「8620の3重連が通過中に刑事と容疑者が線路すれすれで追っかけっこしていたり」するのですが(笑)

 あの近辺は八幡平をはじめ当の竜が森にもスキー場がありましたから「スキーのついで」に撮影に来ていたとも解釈できそうですが、ここは当時の「鉄道マニアの夢の世界の映像化」と思った方がしっくり来る気がします。
 いくら当時がSLブームだったとはいえここまで「鉄女」が多かったとは到底思えません(笑)
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 その他にも失踪した女性と同伴していた男の上司がこれまた鉄道ファンで「庭に16番の組み立て線路を敷いてモデルを走らせ、聞き込みに来た刑事の質問そっちのけで機関車の魅力を語り続ける」ところとか、とかこの番組でも鉄道マニアを微妙に変わり者扱いしている描写は散見されます。
 東映の場合は過去にも鉄道映画の実績がある上にテレビでも「JNR公安36号(のちに「鉄道公安36号」と改題)という人気作があったので他社に比べて鉄道関連の描写は一頭とびぬけた印象がありますが、鉄道ファンそのものの描写は他社に比べればましなレベルとはいえまだまだブレを感じます。

 尤も、元機関助士のいた鉄道ファンクラブの面々が「4110の保存運動」を滔々と熱弁する所なんかは何となく微笑ましいですが。

 肝心のキャストですが容疑者とされる元機関助手を演じるのはこの数年後に「ワイルド7」の主役となる小野進也。当時から二枚目顔でしたが皮肉な事に機関助手の似合わなさも物凄い物があります(回想シーンでキャブでの投炭描写有)
 彼女の父親の元機関士は他のドラマでも頑固親父が多かった富田仲次郎。こちらは元機関士がぴったりくる役柄でラスト犯人に腹を刺されそのまま死ぬのかと一旦視聴者に思わせておいてその直後に目の前を通過する86を見ると「こいつが走っているうちはまだ死ねない!」とか絶叫したりします。

 その他東映の特撮物を中心に医師や科学者役が多かったインテリ俳優の片山 滉がこの回では「石焼き芋屋」で出ていて印象に残ります。

 CSの特別機動捜査隊の再放送、今月中に500回目が放映されます。
 地上波時代は私の故郷ではリピートされなかっただけに嬉しいですね。


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