「五郎とゴロー」

 今回はウルトラQネタから。

 以前「8分の1計画」の時にミニチュアの使い回しがあったのではないかと書いた事のある「五郎とゴロー」を。
DSC_1003.jpg

 ゴローのぬいぐるみは「キングコング対ゴジラ」のキングコングの改造(頭のすげ替え)だそうです。
 野生の猿の巨大化で人間の友達がいるという設定のせいもあるのか巨大怪獣でありながら妙に人懐こさのある顔を持つゴロー。
 こういう野性味と呑気な表情を併せ持った怪獣は意外にも以後殆ど登場していません。

 やっている事もトラックを襲ってミルクを飲んだりロープウェイの索道につかまってじゃれているだけ(笑)
 人間に悪意を持っているどころか子猿の頃と殆ど変らない行動原理を保ち小人の様に小さく見える五郎を友達と認識しています。

 要は「猿が巨大化した」というだけで「騒いでいるのは殆ど周囲の人間ばかり」という図式となっています。

 少なくとも映画でこいつが主役だったら不入り確実でしょう(笑)

 ですが週1で1話完結の性格を持つテレビシリーズだと次回にもっと怖い怪獣を出す事で視聴者の興味を繋ぐ事も可能です。
 その意味ではゴローと言う怪獣、テレビだからこそ成り立つキャラクターと造形だったのではないかと思います。

 そしてそれは同時にテレビという媒体での怪獣の存在そのもの持つ未知の可能性を秘めたキャラクターだったのではないでしょうか。 

 
 ですが一方でそうしたストーリーとゴローのキャラクター性をよりしっかりさせる上でミニチュアワークの細かさがかなり有効に働いている点も見逃せません。
 前述したように本作の市街地のミニチュアは8分の1計画で使われた物が転用されており、Qの中でもかなりリアルなものですし、サイズもかなりのラージスケール
(8分の1のミニチュアは怪獣絡みの特撮物の中ではかなりの大スケールです)

 猿が巨大化して町をうろつくだけの話ですが、それゆえにいい加減なミニチュアセットでは説得力がない、言い換えれば「この程度のはなしだからミニチュアもちゃちなんだ」と取られかねない危険をスタッフもよく認識していたのではないかと思います。
 その証拠に前半の山中のセットもかなり緻密に作られており、市街地のセットとのギャップがありません。

 それらが融合した非常に密度感のある画面だからこそ視聴者に対する説得力ももちえたと思います。

 さて、ゴローですが当初は宇宙怪物と戦う続編が検討されていたそうですがこれは実現せず、それをより発展させた企画として「ウルトラマン」に繋がっていった経緯を持つそうです。
 そうだとするとゴローはウルトラマンの祖先とも言えなくもありません。
DSCN0110.jpg

 人類の祖先が類人猿だったようにウルトラマンの祖先も実はお猿さんだった(笑)と言うのは何か象徴的です(爆)


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コメント

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Qのミニチュア

 言われてみるとゴローの回と8分の1は使われた
ミニチュアが殆ど一緒です(笑)
次作のウルトラマンでは強調されませんでしたが
Qは製作当初から怪獣のサイズは20m位を想定
して制作されたと言われています。
ファンコレにも書いてありますが要は大きな模型
ミニチュアを使い精密さを出すニュアンスも・・・
と有りますが私の考えとしては16mmフイルム
に35mmフイルムをダビングする方法でQは製作
されていたので恐らく16mmに縮小するとゴジラ
映画レベルのミニチュアつまり大きな建物ミニ
チュアを怪獣よりも小さく出し巨大感を出す手法
が裏目に出て目立たないと言った考えから1話の
ゴメスの様に大きなトロッコ、レール、支援機材を
出して臨場感を高める方法を軸としたのかと思い
ます。
あと、これも私の想像ですが市販の玩具改造が
ミニチュアを大きなスケールで作成するとし易い
と言う事も推定できます。
クライマックスでゴローが街へ現れ警官隊が発砲
した際にゴローが投げるパトカー、これは当時の
ブリキ製玩具・・・外車モデルにパト塗装を施して
ランプを付けて改造した物と思います。
当時の車玩具は例のチェリカフェニックス、ダイヤ
ペットを除くと大型なブリキ玩具主流で手に入り易
い事からも怪獣の身長を小さくして建物、乗物を
大きくし市販玩具模型が流用が図られたのかと
勝手に推測しています(笑)

>星川航空整備部さん

 Qのミニチュアについては仰るような16ミリへの縮小効果も考慮されていたのかもしれないですね。
 テレビでの初の本格的ミニチュア特撮物(とはいえ、これ以前にナショナルキッドやマリンコングもあるにはあったのですが)だっただけに全てが試行錯誤だったとも言えます。

 ブリキ自動車、トミカが普及する以前はこれらのラージサイズ玩具が玩具屋さんの主流でしたね。

 うちの従弟が初代チェリーのそれを持っていたのですがあの大きさでドアまで開閉したのですから特撮のミニチュアには持って来いだったと思います。
 おまけにダイカストやプラと違って「車体にひびが入ったり割れたりする無様な心配がない」「本物の様に燃やせる」メリットも見逃がせません。

 Q直後の「サンダ対ガイラ」でガイラが踏み潰す車も殆どは玩具の流用だったのではないでしょうか。そう言えばあの作品のミニチュアもスケール的には初期のQのそれに近い物でした。

 聞く所ではあの作品は「Q」の出演で当時は劇場版に比べて格下に見られていたテレビ映画に丸2年近く拘束される形になった佐原健二氏への御褒美と言う意味合いもあったようです。