「汽車がゆく、だから僕も・・・」と「モスラ対ゴジラ」(笑)

 先日の秋葉行きでの拾い物から。
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 神田の古本屋で見つけた「汽車がゆく、だから僕も・・・」(関沢新一著・毎日新聞社)
 これまでこのブログでたびたび取り上げている関沢新一氏が鉄道趣味そのものについて語る一冊です。

 関沢氏の趣味に対するスタンスについてはこれまでTMSの座談会や監修を務めた「蒸気機関車」誌上でも断片的に語られていますが一冊にまとまった書籍が出ているとは知りませんでした。
 それだけに内容的には非常に纏まっており読みやすい一冊でもあります。

 鉄道趣味全般にかかわる部分では今でも学ばされるところの多い本なのですが、 本書の中には機関車や鉄道の撮影日記の採録も一部含まれています。

 それによると北海道の蒸機を撮影に行くのにほぼ泊りがけで国道4号線を一気に北上、要所要所の蒸機の写真を撮りながら津軽海峡をフェリーで渡るという鉄道版加藤文太郎みたいな強行軍が印象的です。
 それも加藤文太郎と違って単独ではなく奥方はじめ義弟夫婦まで引き連れてと言うから凄まじい。
 鉄道撮影は原則単独行の方が小回りが利いて有利な気もするのですが、家族を総動員して同じ機関車の通過風景を異なるアングルで捉え、どうかすると8ミリまで回しているというシステム性と大袈裟さは周囲から「関沢撮影隊」の異名を取る程だったそうです。
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 今だったらそういう事をするのにそれほど抵抗は少ないかもしれませんが当時は新幹線はおろか高速道路もなく、どうかすると幹線国道にすら未舗装区間が当たり前のように存在していた頃の話です。
 これだけの事を実行するには単に好きだというだけではなく、強烈なバイタリティと周囲への根回し能力がないとそう何回もできるとは思えません。

 ところで鉄道ファンとしての私でなく特撮ファンとしての私にとっても興味深い一章が本書にあったのですから世の中分からない。
 関沢氏が「モスラ」「メカゴジラ」の生みの親のひとりにして日本初の侵略SF映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の監督、更に一方で「柔」「涙の連絡船」の作詞を担当していたというのは割合知られた話です。

 昭和39年の1月の日記は何と「モスラ対ゴジラ」の改訂稿を仕上げるために熱海の旅館にカンズメになりながらも原稿そっちのけで周囲の機関車や列車の撮影に繰り出すという内容でした。
 まさか鉄道趣味の本で田中友幸や本多猪四郎の名前がポンポン出てくるとは思いませんでした。
 
 この辺りの描写は詩人、脚本家の描く日記らしく簡潔な文章ながら実に生き生きとしたもので私にとっては意外な拾いモノといえます。
 それによると締め切り前日に督励に旅館を訪ねてきた本多監督と関沢氏がテレビを見る描写では「汽車の番組より角力が好みの様だ」とか書かれていますし、

 ファンブックや特撮本などではこういう描写はまず出ないでしょうからその意味でも貴重かもしれません。



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コメント

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関沢氏

 関沢氏と言うと鉄道そしてゴジラ物と出て来る人物
です。
昭和39年1月に改訂稿を書いていると言う事はモス
ゴジの公開が同年4月末なので、かなり急ピッチで
本編と特撮が撮られた事になりますね。
しかも、この作品は有名な海外版が存在していて
ダブルサイドで制作された事から見ても急な作品
だったのかと思います。
昭和39年はゴジラにとって誕生10年と言う事にな
りますが、この年は年末に地球最大の決戦そして
未製作に終わったゴジラ対若大将と言った企画も
出て仮に制作されたら異色作かと。
地球最大の方には未使用フイルムが多数存在して
いるらしくHOサイズのキハ80が鉄橋を走り去るシ
ーンとか街のミニチュアの空撮?とか何か色々と
あるみたいです。

>星川航空整備部さん

 39年1月時点でカンヅメで改訂稿を書いている位ですからかなり押せ押せだったのは間違いない様ですね(笑)
 それでも関沢氏はしばしば旅館を抜け出して列車を見に行っていた様で当時の空気が偲ばれます。

 今のペースでは考えられないくらい作品の急造がされていたのも時代を感じます。
 最近の怪獣映画なんかは公開時と劇中の季節が半年位ずれているのが当たり前ですが、日本沈没やノストラダムスの大予言なんかは殆ど季節のロスを感じませんね。そういう時代だったという事なのでしょう。

 地球最大の決戦は未使用フィルム目当てでBDを買いました(笑)
 本編ではあまり出てきませんが横浜のセットはかなり精密且つ情感のあるものだった事が未使用カットからもわかりますね。

 キハ82系ですがこちらは何故か「サンダ対ガイラ」のBDに入っていました。これは後に怪獣総進撃で先頭車を入れ替えて「中国の列車」に化けて登場、モスラに破壊されます。