「宇宙からの贈り物」

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 ウルトラQネタ、今回は「宇宙からの贈り物」から

 本来本作はゴメスを倒せ!と共に放映第一回の候補になっていたはなしだそうです。
 ですがもしこれが第1話になっていたら「Q」全体の印象もかなり変わって認識されていたのではないかと思われます。

 火星に送り込まれて行方不明になっていた惑星探査機がある日地球にパラシュートで落下してきました。
 ところがその探査機には元々地球に帰還する装備やパラシュートなど最初から装備されていなかった事から何者かがわざわざ火星から探査機を送り返してきた事が判明します。

 さらに探査機のカメラには謎の生物の皮膚が写り、更に謎の球体ふたつが収納されていました。
 実はその球体は孵化するとなめくじ怪獣が誕生する卵で、研究所を襲って球体を奪った強盗が誤って孵化させてしまう展開となります。

 ここまでのノリは他の作品と比較してもウルトラQらしいものですが、カタルシスはあまり感じられません。

 なめくじ怪獣は60年代以前の「宇宙怪物(Big Eye Monstar)」のイメージそのまんまの文字通りの大目玉怪物。 
 しかも無表情なその目は見るものの感情移入を拒否する不気味さで迫ります。

 怪物のシークエンスは「岩場で人間を追っかけまわすだけ」なのにも拘らず怪獣そのものの気持ち悪さで持たせているせいかサスペンス度が高く観ている方はかなり惹きつけられます。
(特に岩場の陰に隠れている主人公を上から覗き込むように目玉だけが岩場の稜線からぴょこんと飛び出すカットが出色)

 とはいえ、ラストなめくじ怪物(ナメゴン)は海に落ちで溶けてしまい海水に弱いという弱点を露呈してしまいます。

 しかし、エピローグでは更にもうひとつの卵もちょっとしたミスから孵化してしまい二匹目のナメクジが出現する所で以下のナレーションが掛かります。
 「無限にある海水が、このドラマを締めくくってくれるに違いない。だが、地球上での政治的実権を握る為の宇宙開発の競争が行われる限り、第二の宇宙からの贈り物が届くに違いない。それは多分、海水を飲んでますます巨大になり、強靱になる恐るべき怪物に違いない」

 これもいかにもQらしい皮肉の聞いたオチがつけられます。
 このノリはアンバランスが本来志向していた方向性にはぴったり合っていますがその一方で全体にやや地味な感じもするのも確かです。

 この話の実際の放映順はゴメス、ゴローに次ぐ第3話でしたが先の2話がそこそこ正攻法の怪獣ものでしたから、その後に持ってくる変化球として本話を入れたのは実は正解だったと思います。

 前回のゴメスとは逆に「この調子だといつまでも怪獣対決ばかり見させられるのではないか」と思わせておいてSFテイストと皮肉を加えた本話を見させられれば「おや、ウルトラQはただの怪獣ものとは違うぞ」と言う気持ちになります。

 考えようによってはこのチョイスの巧みさもQの成功の要因だった気がしてなりません。

 ところでこのナメゴン、マルザンのソフビ人形で商品化されたそうですが怪獣が不人気だったために希少価値が付き、2000年代初めの時点で「クルマが買えるほどのプレミアムが付いている」状態なのだそうです。
 世の中何が幸いするかわかりません(笑)



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コメント

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宇宙からの贈り物

 Q第一話候補でしたね。
この回は当初から海外へのプレゼンテーション
を意識した作風で例えば一の谷博士はdoctor、
記者はpressと書かれたプレートが円卓机に設置
され話の筋書も62年に制作された人類SOSの殺人
植物トリフィドや古くは53年の宇宙戦争に出た宇宙
人で前者はナメゴン同様海水で後者はバクテリア
と意外な物が弱点だったラストは共通しています。
全体的にはガラモンの逆襲と同じく惑星からの
侵略をテーマにしていて宇宙からの贈り物は光山
市交通局さんが書いている様にカプセルを複製し
地球へ送り返し更には意図的?に謎の化学繊維
で造られたパラシュートを送りつける。
後のセブンの様に宇宙人が淡々と自ら侵略の意図
を述べるのではなく文明プラス科学力を地球に見
せて恐怖感を煽る手法も当時の海外作品で見られ
た作風です。
やはり比較的初期(1964年11月に製作)のアンバ
ランス時代に錬られた作品なので後のウルトラ物
とは一線を画す物語と言えます。

>星川航空整備部さん

>文明プラス科学力を地球に見せて恐怖感を煽る手法~
 一時期テレビでは「宇宙人が地球語をしゃべって当たり前」な状態が多かったですが流石にファーストコンタクト物でそういうのは少なくなりましたね(笑)

 こういう題材はウルトラQみたいなオムニバス的な性格の作品が向いている気がします。