思いでの大百科シリーズ19「超人機メタルダー大百科」

 今回は「思い出の大百科シリーズ」と「思い出の昭和ヒーロー列伝」のコラボ企画(爆笑)
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 予てリクエストがありながらなかなかネタが纏まらずにいた「超人機メタルダー大百科」を取り上げます。
 大百科シリーズには無闇なほど特撮・アニメの単独作の大百科がラインナップされていたのですが、当時の私が既にいい歳をしていた事もあってこの手の本はほとんど持っていませんでした。
 その中で唯一放映当時に購入したのがこの「メタルダー大百科」だった訳です。

 私をそんな気にさせるほどこの作品のインパクトは強烈でした。

 太平洋戦争末期に戦局の逆転を賭けて秘密裏に開発されていた「超人機」
 その唯一の試作機がアメリカに渡っていた開発責任者の手により40年以上の時を経て蘇る。

 しかも敵は宇宙人でも秘密結社でもなく「コンツェルンの私設軍団」
 その総帥はかつての旧日本軍の超人機開発スタッフのひとり

 よみがえった超人機は自分の存在意義はおろか人間の死という概念すら知らず戸惑いの中、急襲してきた敵軍団との戦いを強いられる。

 この一連の流れを持った第1話からして従来の東映ヒーロー物とは一線も二線も画していた事がお分かり頂けると思います。
 こんなのが「月曜夜7時に放映されていた」というだけでも異色なのに、これの前番組が「正月に敵怪人が『今年もよろしく~!!』と叫んで爆砕する」時空戦士スピルバンだったので余計イメージの違いが強調されたのも確かです。

 敵のネロス軍団も帝王ゴッドネロスのもとアンドロイドの「戦闘ロボット軍団」手足の生えたモビルアーマー(それってただのモビルスーツなんじゃ?)の「機甲軍団」バイオ科学によって生み出された「モンスター軍団」などがいきなり第1話で数十体登場して従来作にないスケール感を演出しました。
 中でも異色なのが「生身の人間が強化装甲で武装した」コンセプトの「ヨロイ軍団」の存在で元々人間だっただけにそれぞれの背負った過去や業を捨てきれないままメタルダーに挑むキャラクターが続出。
 四軍団それぞれの相克描写とも相まって本作の第二の特色となっていました。

 ですが実はこの特色こそがメタルダーという作品自体の足を引っ張ってしまっているのも事実と思います。
 ネロス帝国の内面描写が強調されすぎた結果「メタルダーを倒す事」が軍団の目的となってしまったようになり「悪の組織」としての恐さが一部を除いてあまり伝わらなかった印象につながった気がします。

 それは同時にメタルダー自身のヒーローとしての描写についても言え、戦うヒーローというよりも異種格闘技戦に近い雰囲気が強められた感があります。
 同時に個々のキャラクターの内面描写が例外なく重苦しい物となり、敵も味方もひたすら鬱状態の話が連発。

 これは当時の「ヒーロー物に爽快さを求める」傾向とは逆のベクトルであり、肝心の子供が付いてこなかった要因になりました。
 (「爽快だから子供向け」と言うのはかなり雑な表現ですが同時期に一見子供っぽい造りでありながら考えさせられる話が多かった「思いっきり探偵団覇亜怒組」みたいな作品もあったので何かやりようはあったのではないかという思いはあります)

 皮肉な事にこの「異種格闘技戦」の感覚は「爽快さ」を加えて後番組の「世界忍者戦ジライヤ」のヒットの要因となりコンセプト自体も後の「平成仮面ライダー」を構成する重要な要素となります。

 ですがメタルダー自体はコンセプトが早すぎた事とヒーロー性の希薄さもあって途中から中途半端に子供向けの展開が増えた挙句夜7時台から日曜朝9時台へ左遷(当時の感覚としては朝帯への時間変更はそういう感覚になります)当初1年の予定が9か月で終了と歴代メタルヒーロー唯一の打ち切り作品となってしまいました。
 (余談ですがファーストガンダムも1月打ち切り組です)

 ですが困った事にその作品としての欠点が私なんぞからすれば「メタルダー最大の魅力」なのです。

 現にこのブログを打ちながらどれだけ気分的に盛り上がっていることか(爆)

 前振りが長くなりましたがようやく本題です。
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 ケイブンシャの大百科の「メタルダー大百科」は本作が放映中のリリースなのでフォトストーリーが第21話と言う中途半端なところで終わっています。
 その一方でキャラクターやメカのデザイン画は豊富で資料的な価値も高い物です。
 が、見どころはこの本のために描かれたオリジナルコミカライズ

 きむらひでふみ氏の筆になる「オリジナルモンスターが四軍団のメンバーの支援や薫陶を受けメタルダーに立ち向かいあえなく散ってゆく展開」ですが本作の本質への理解と思い入れが凝縮されたかのような(わたし的に)名編です。
 80年代特撮ファンの思い入れの一端が知りたければぜひ目を通してほしい作品と思います。

 その一方で「ウサギの正しい抱き方」講座なんてのもあったりするのですが(第3話を観ていないと笑えないネタですね)


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コメント

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No title

この番組を放映してた当時ちょうど幼稚園を卒業する年でした、今だからドはまりしましたけど当時は何でヒーローが敵を倒さないのか不思議で気分が乗らなかったですね、個人的に復刊してほしいと思っているテレビランドの漫画版は好きでしたが、きむらひでふみさんの漫画も良かったと思います。この大百科読んだの小学生になってからでしたが、後番組のジライヤが低予算になったのはやはりこの番組で予算使い過ぎたんですよね。ただ重苦しい事は事実ですが、後番組のジライヤ同様敵も味方もまともなんです。メタルダーとジライヤがやりたかった事がむしろアニメに引き継がれてる気がしますね、特撮ではあまり思い浮かばないので。

Re: No title

> 光になれさん

 本作の放映時は私は社会人でした(大汗)

 本作の場合初期投資が物凄かったのではないかと(笑)第一話のネロス軍団のスケールのでかさには圧倒されました(よく見るとスピルバンの怪人の改造とかスタッフの私物臭い4WD車とかも混じっていたりしますが)

 世代的な印象では「西部警察のパトカーコンボイ」を初めて観た時の衝撃に近い物があります。まさに物量作戦。

 メタルヒーロー離れした主題歌も重厚感たっぷりですが作詞のジェームズ三木のギャラも高そうな気がします。

 あまり触れられていませんが本作の前年大河ドラマの「独眼竜正宗」の社会現象になるほどの大ヒットがあった事から、同様に大河性を志向していたメタルダーのイメージ作りとして脚本のジェームス三木の起用に繋がったらしいですね。

 それにしても商業的に失敗した事になっているメタルダーですが後のヒーロー物(東映に限らず)に与えた影響は大きかったと思います。

 この点でよく似た立ち位置の作品としては平成になってから突然変異的に登場した「超光戦士シャンゼリオン」というのがありましたが先日CSでスタートしたのでいずれ書いてみたいと思います。

 

No title

ただ、この時期までは特撮見てたんですが、ウインスペクター以降見るの辞めてしまいました。何でかと言うと獣神ライガー以降ロボットアニメにドはまりしたので。まあダイレン以降復帰しましたが、平成ライダーや平成ウルトラは見てました。見てましたが平成ライダーはデイケイドまで、平成ウルトラはコスモスで止まってます。東映ヒーロー以外で影響与えたというとトミカヒーローシリーズや、超星神シリーズや牙狼シリーズも該当すると思います。

No title

追記、幸腹グラフイテイーの町子リョウを見て、メタルダーの舞さんとマイトガインの吉永サリーを思い出したのはここだけの話ですよ。

No title

>光になれさん

 仰る様にメタルダーの持つ重層的な大河ドラマ性の部分は東映に限らず他社のヒーロー物にまで影響を与えていると思います。

 東映と言う所は何年かに一度はこういう突然変異的な、それでいて後の作品の肥やしになる様な佳作を送り出すという特徴がありますがこう言う作品が出せると言う辺りが他社にない強みになっている気がします。
 (前述の「シャンゼリオン」もそうですが他には「スパイダーマン」や「勝手にカミタマン」古い所では「ナショナルキッド」などが該当すると個人的には思います)

No title

これで爽快さがあれば、打ち切りにならずにすんだかもしれません。なおジライヤの初期案はジライヤが刀を使ってロボに変身する案もあったそうです。敵を倒せないから玩具が売れないのも人気が出ない理由だったかもしれません。牙浪やバロム1の様にアニメでもいいから続編書いてほしいですね。

Re: No title

>光になれ さん

 最初に壮大な大風呂敷を広げていて一種竜頭蛇尾の様な展開になってしまっただけに後から膨らませ甲斐のあるシリーズだと思います。

 私などは最初「クールギンの正体は記憶を失いネロスの配下になっていた古賀竜夫だった」位の展開を予想していました(笑)
 その意味では続編と言わずリメイクというのも期待したい部分ですね。

No title

あけましておめでとうございます、もしこの番組が電人ザボーガーやアニメではゴールドライタンそしてマイトガインや今川ガンダムの様な方向なら、敵も味方も個性が出てなおかつ人気が出て1年やれたかもしれません。大人の目で見ると面白い反面、特撮で異種格闘技戦をやるのは難しい事を思い知らされる番組でもあります。仮面ライダー龍騎ですら、敵が人間の為に持て余してしまいオチを付けるのに苦労したぐらいですから、そう考えるとプリキュアシリーズは良く出来てると思います。

Re: No title

> 光になれ さん

 遅ればせながら今年もよろしくお願いします。

 トップガンダーがレギュラー化したもののそれとは別にベンKやヘドグロスJrにもう少し活躍の場が与えられていれば今川ガンダム的な方向性もあり得たのではないかと思います。
 後番組の「ジライヤ」後の「平成ライダーシリーズ」は意識的にそうした方向に振って成功したと思いますがその意味ではメタルダーが結果的に捨石的な存在になってしまったのが少し残念ですね。