午前3時の暇つぶし本から・26・「大ウルトラマン図鑑」

 真夜中の暇つぶし本。

 今回は先日紹介した「大ゴジラ図鑑」の姉妹篇に当たる「大ウルトラマン図鑑」を取り上げたいと思います。
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 こちらはこちらで「ゴジラ」とは別の魅力を感じる一冊なのでその部分をクローズアップして書きたいと思います。
 本書で取り上げられているのはウルトラマンシリーズでも初期の「ウルトラQ」と「ウルトラマン」に登場した怪獣たちについて造形という側面から俯瞰して見せたものです。

 この時期のウルトラ怪獣には今でも人気の物が多数ある事は皆さんもご存じと思います。
 ですがそれらの半分近くが既存の怪獣の改造によってできていた事はマニア以外には案外知られていない事でしょう。

 初期のウルトラQは元々怪獣路線では無かった事もあって既存の生物の巨大化というコンセプトで話が進められていたのですが10本程度作られた時点で局の意向により怪獣路線に軌道修正された経緯があります。
 ですので初期話数(製作順)に出てくる怪獣の大半は東宝の怪獣を借り受けてある物は改造し、ある物は単に名前を変えて別の怪獣という事にして出演させました。

 放映第1話の「ゴメスを倒せ!」のゴメスがゴジラの改造だったとは私自身本書を読むまで知らなかったのですが、この他にも海底軍艦のマンダが「育てよカメ」の怪竜だとか「206便消滅す」のトドラが妖星ゴラスのマグマだったりとかしています。
 又路線変更に伴い自前の造形で登場したペギラやガラモンはそれぞれ2回以上登場していますし、宇宙エイのボスタングは製作中止になった「オイルSOS」の怪獣を改造したものだそうです。

 「ウルトラマン」の初期にもこの流れは続き、前述のペギラやガラモンはそれぞれチャンドラーやピグモンになったりしていますし超有名怪人となったバルタン星人も実は「ガラモン」編に出てくるセミ人間の改造だったりします。
 海底原人ラゴンなどは「Q」では等身大での登場だったのに「ウルトラマン」では巨大化して再登場、更に改造されてザラブ星人となりましたし、同じ話ではウルトラマンのぬいぐるみの新調に伴い古い方のぬいぐるみを改造して「偽ウルトラマン」に使うという荒業まで駆使しています。


 ですから初期のウルトラシリーズは最初の本格特撮怪獣路線という事もあって縫いぐるみの予算が圧迫された条件の中で作り手が必死でやりくりしながらキャラクターを増やしていった苦闘という側面もあった訳です。
 ところが実際に放映された作品を見るとそうした苦労をまるで感じない。
 意外に低予算(あくまでも劇場作品と比べて、という意味ですが)なのにそれと気づかせずに質の高い作品で一気に押し切ってしまったというのはスタッフの強い職人気質以外の何物でもないでしょう。

 本書を通して読むとそうした過程が各ページを通じてよく伝わってきます。
 百万言を費やして書かれた評伝よりも本書に取り上げられた怪獣たちの造形の過程を見るだけで当時の苦闘とそれを大きく上回るであろう強い意欲が伝わってきます。

 その意味では本書は特撮物についた書かれた本の中でも名著と言って良い内容の濃さを持っています。

 ただ、怪獣のぬいぐるみの製作過程を写真集にしただけの本なのに読んでいてこれ程元気になれる本というのもありません。
 当時のスタッフたちに元気を分けてもらっている錯覚すら覚えさせる本で真夜中に気がふさぎがちな時には好適な一冊でした。
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コメント

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No title

雪、ご苦労様でした。<m(__)m>

ところで~
「日本レストランエンタプライズ」の【帰って来たぞ!ウルトラ幕の内】
は、もう食べました? 
良かったら~ 感想などを聞きたいです!(笑)
(^_-)-☆

No title

>asukaさん

 今週末にもまた降る予報なので今から戦々恐々です。
 今日などは庭の水道管がまた破裂しましたし(朝の最低気温が4~6度台、しかも昼が結構暖かいので温度差が15度から20度近くになります)

 NREの幕の内、生憎まだ食べれていません。今度駅で売られていたら買ってみたいですが。

No title

ウルトラマン関連だと、ウルトラマンストーリー0がお勧めですね。始まった当時は、ウルトラマンで北斗の拳やってると話題になりましたが。この漫画はウルトラマンメビウスがエンペラ星人がラスボスなのに対してババルウ星人がラスボスになってますので、もちろんパラレルです。ウルトラマンテイガから入ったので、昭和ウルトラは分からずウルトラマンメビウスは見ましたけどあまり人気なかったみたいですね。ウルトラマンメビウスはどうでした。私は駄目でした。

No title

>光になれ さん

 メビウスは放映地域が限られていた時期があるのでごく初期の話数を故郷の民放で見た程度ですね。

 CBC系列のウルトラシリーズは結構こういう事が多かったので地方人には難儀します。