昭和ヒーロー列伝から・「猿の軍団」

 昭和ヒーロー列伝ネタ。
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 今回は第3回放映の「猿の軍団」(昭和49年・円谷プロ・TBS)をば。
 この年は「日本沈没」「ノストラダムスの大予言」のヒットに象徴される様に石油ショックに端を発した世紀末志向がブームになっていた時期でした。
 私などはこの頃の思い出が結構一種のトラウマになっている位で一種独特の暗さを持った年だった印象があります。

 何しろウルトラマンレオは「第一話で東京が沈没」しますし仮面ライダーXでも「ゴッドラダムスの大予言」なんて話がありました。
 映画でもマジンガーZはミケーネ帝国にズタボロにされた挙句にグレートマジンガーにとって代わられますし(兜剣三博士が当初予言者の恰好で登場したのもあの世相と無縁ではないと思います)
 曲がりなりにもスカッとした展開だったのは「電人ザボーガー」位だったのではないでしょうか。

 そんな世相を引き継いだその年の秋、テレビの世界も世紀末花盛りの展開を見せます。
 NTVは遊星爆弾で地球が真っ赤に汚染される状況からスタートする「宇宙戦艦ヤマト」を日曜7時半に、TBSはテレビ版の「日本沈没」を日曜夜8時に設定しました。
 そして「日本沈没」の前座、「ヤマト」の裏番組として放映されたのが今回取り上げる「猿の軍団」だった訳です。

 コールドスリープで未来の世界に飛ばされてしまった女教師とふたりの生徒。
 そこは人間の代わりに猿が支配する世界となっていた。猿たちは突如現れた人間を「はだかの猿」と呼び、その怖れから彼らを抹殺しようとします。
 自分たちの他に人間は生き残っているのか?
 何故猿が世界を支配するようになったのか?
 自分たちは元の世界へ戻る事ができるのか?

 この冒頭だけでも特撮ヒーロー番組としてはかなり異色である事は間違いありません。

 やがて3人の前に現れた人類唯一の生き残りの青年と共に4人の探索が続く事になります。
 その過程で人間と猿とのふれあいや人間の扱いを巡る対立をきっかけに派閥争いが激化してしまう猿の世界
 更にそうした流れを監視し続ける謎の円盤等が絡み始め日本のSFドラマ史上初めての連続性のある大河ドラマの様相すら見せます。

 この作品が提示して見せた環境問題や少子高齢化の問題は40年を経た今になって現実の問題となっていますし、同種のドラマに比べても先見性はかなり高かったと思います。
 

 因みに当時の私は「ヤマト」2回に対し「猿」1回程度のペースで視聴していましたがどちらもストーリーの連続性が高いのでビデオのない当時はこれだけでも結構なフラストレーションでした。
 この2作、最終回も同じ日だったのですが「ヤマト」を優先したので「猿」の最終回を観られたのはそれから20年以上経ってCSで放映された時です。

 さて、前述の様に日曜7時半は「ヤマト」「猿の~」次枠の「日本沈没」も含めて世紀末の大バーゲンの様相だったのですが視聴率的にはどれもぱっとせず(唯一初期の日本沈没が大河ドラマに肉薄した程度)
 ここで漁夫の利を占めたのは世紀末とは真逆ののどかさが売りだった「アルプスの少女ハイジ」だったというのも皮肉な話です。
 世紀末でぎすぎすしがちな世相にとっては自然の美と少女の純真さの方がより求められていたという事なのでしょう。

 私の母などは本放送以来今に至るまで「ハイジ」の大ファンですから本放送当時故郷にフジテレビがあったら「ヤマト」も「猿」も殆ど観られなかったのではないかと今にして思います(笑)

 なお、昭和ヒーロー列伝で取り上げられていたのは「人間の味方現る」「猿の国のお正月」「喜びの帰還」の3本ですがこちらのシリーズでは未見です。
 今回は殆ど当時の思い出ばなしで終わってしまいました(汗)


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コメント

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時はまさに世紀末

猿の軍団は雑誌でしか見た事がないですが、終末ブームは本当だった様ですね。漫画版のデビルマンもヒーロー物から終末ものへと変わったし。バイオレンスジャックも相当なトラウマになった読者も多いはず。ただ最終回は正反対ですが、ジャックの最終話はあえて述べません。それにしてもハイジが勝ち逃げしてたのは驚きですね。やっぱり人間の悪の心を描いた作品よりも善を描いた作品の方が人気出るんですね。ヤマトは見てないですが当時人気なかったんですか。

Re: 時はまさに世紀末

> 光になれさん

>ハイジが勝ち逃げ~
 世紀末感の点で「ヤマト」「猿~」がバッティングしてしまい同じ視聴者層の取り合いになった事、ハイジの場合前番組の「ロッキーチャック」からの継続層があった事も影響していると思います。ここでは書きませんでしたがこの他裏番組には当時年配層に人気だったNHKの「お笑いオンステージ(てんぷくトリオ主演のコメディ。当時としては異例な事にドリフターズがゲストで出た事もあります)」もがっちり視聴者層をつかんでいましたから、ただでさえ小さいパイを奪い合ってしまったのは間違いありません。

 ですから「ヤマト」か「猿」のどちらかだけだったらそこそこ善戦できた可能性もあります。

 「ヤマト」は本放送よりも再放送でブレイクした番組でその点では「ルパン」と同じ経緯を持っていますが本放送時に不人気だった訳ではなかったと思います。案外本放送時に「猿」を観ていた層がリピートを機会に一斉に飛びついた要素もあった気がします。