思いでの昭和ヒーローから「キャプテンウルトラ」

 先日から「私流」と言う但し書きが付いた「昭和ヒーロー列伝」ネタから。

 今回は「キャプテンウルトラ」(昭和42年・東映・TBS)
 これが放送されていた当時は本作も「ウルトラシリーズのひとつ」として認識されていたのですが、今では「ウルトラ」を冠してはいるものの東映ヒーロー物のひとつと言う扱いになっています。
 尤も、当時のガキだった私からすれば円谷も東映も区別があまりつきませんでしたし前番組が「ウルトラマン」後番組が「ウルトラセブン」と繋がっていますから尚更別会社とは意識しなかった記憶があります。
(第一、ウルトラセブンは当時の「東映まんが祭り」でも公開されていましたから)

 そんな話はさておき、
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 本作はウルトラマンの製作体制のひっ迫とウルトラセブンの製作時間を稼ぐための繋ぎとして東映に発注された特撮物でした。
 元々は「宇宙大戦争」と言うタイトルで必ずしもウルトラシリーズとの関連性は意識されていなかった様ですが「ウルトラ」を冠したあたりからメカのカラーリングなどに関連的な要素は意識されている気もします。

 21世紀初頭、人類は遂に宇宙への進出を果たすがそこには未知の危険も多く、それらに対抗するために宇宙ステーションのシルバースターを拠点に愛機シュピーゲル号を駆って飛び出してゆくキャプテンウルトラの活躍を描く、と言うのが大まかなストーリーです。
 このキャプテンウルトラ、本名は「本郷武彦」でそれなりに武装してはいるものの基本的に生身の人間である点が特徴です。

 それまでのウルトラマンや後のセブンが宇宙人が変身する「超人」と言う扱いなのに対してキャプテンウルトラの扱いは人間の延長としての「英雄」であるのは設定としては結構新鮮でした。
 因みにこのキャプテンは副業として「宇宙学校の先生」として子供たちに宇宙探検の訓練を指導する立場でもあり、その意味でも子供たちに身近なヒーローとしての存在感を感じさせます。

 (余談ですが悪魔くんと言い本作と言い東映はヒーロー物の子供の扱いが実にうまい。MATやウルトラ警備隊の「よく見ると子供の絡み方が不自然」と言うのに比べて子供が活躍してもおかしくない設定と描写がきちんとなされている点は児童映画でも鳴らした東映らしい点かもしれません)

 初期の1クールは地球侵略をたくらむバンデル星人相手に異星人のキケロ、ロボットのハックと共に闘う展開で怪獣特撮物としては珍しくレギュラーの敵を設定した展開に大河性を持たせていました。
 後半は「新怪獣ぞくぞくシリーズ」として毎回新怪獣を登場させる1話完結物に変わりますが、この時期の武田アワーの中でも前半と後半でこれほど雰囲気が変わったケースはありません。
 本作は予め製作本数が決まっていたので視聴率に対する対策と言うよりは「限られた期間で色々やって見ようとした」と考える方が自然な気もします。

 前半でも怪獣は何匹か登場しますがこれらはバンデル星人の手先という意味合いが強く、ストーリーの中で今ひとつ印象が薄いのですが後半では怪獣そのものの特徴がストーリーの前面にでてきたので見た目に分かりやすく楽しめた印象でした。
 今回入手のビデオに収録されているのも後半のシリーズから「雷雨怪獣アメゴンあらわる」「ゆうれい怪獣キュドラあらわる」「合成怪獣バクトンあらわる」の3本が入っていました。

 どれもこれも凄すぎる肩書の怪獣ばっかり(笑)
 これらのキャラクターは円谷の怪獣が「自然界のアンバランスの崩壊に伴って出現した既存生物の延長」が主だったのに対して宇宙の驚異の実体化ともいうべき「宇宙妖怪(要するにBEM)」のノリを感じさせます。
 何しろこのテープに入っている奴を例にしても「ミイラ状態から復活した宇宙原人に操られる怪獣」「人間に取りついて憑代にしながら次々に血を吸ってゆく怪物」とどめに「バイオニクスセンタービルの超生産設備(つまりは建物)がいきなり怪獣化」なんてのまで出てきます。
 ある意味ウルトラ怪獣以上のフリーダムっぷりの設定です。

 それらに対抗するキャプテンウルトラは演じる中田博久氏の好演も相まって「変身しなくても実に頼りがいのあるヒーロー」となりました。
 変身しないがゆえに変身前と変身後のギャップを気にすることなくドラマの延長としごく自然に戦えるのがこの種の「英雄型ヒーロー」の強みではあります。
 「よしっ!アメゴンにはお灸作戦だ!!」の台詞は今観返すと笑えますが(爆)

 その点は他のウルトラシリーズでは助演扱いであるメカを主役として活躍するヒーロー性を持たせることにもつながっています。
 ウルトラホーク1号に先駆けて3機合体・分離メカとして登場する「シュピーゲル号」はデザインでこそホークに一歩譲るものの「頼りがいはウルトラマン並み」の初のヒーローメカでした。
(その割に結構よく破壊されますが)

 更にそれらの宇宙特撮のイメージを支え切ったのが富田勲の手になる主題歌とBGM。
 特に主題歌は個人的に「マン」や「セブン」を差し置いてウルトラシリーズでもトップ級の迫力とノリの良さを感じます。
 本作の実績からか富田氏も後に「マイティジャック」や「空中都市008」でもメカ物のBGMを担当する事になります。

 視聴率的にはマンに及ばず、製作した東映もかなりな赤字を出した本作ですがその意欲は今観返しても強く感じられます。
 (とここまでは褒め言葉なのですが、実際には屋外撮影が殆ど無いために本編を中心にセットの狭さからくる閉所感が強い事、ミニチュアを中心に巨大クリーチャーの演出面に未消化な所が観られることなどから円谷に比べてチープ感が漂う欠点もあります)



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