思いでの昭和ヒーローから「電子戦隊デンジマン」

 わたし的昭和ヒーロー列伝から
 今回は東映戦隊ヒーロー中興の祖といえる「電子戦隊デンジマン」(昭和55年・東映・テレビ朝日)から
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 昭和55年の春の事でした。
 兄弟のお付き合いで「東映まんがまつり」を観に行った折(確か「銀河鉄道999」と「花の子ルンルン」の合間)に突然掛かった「デンジマンのプロモーションPV」に驚かされました。
 そこでゴレンジャーみたいな等身大ヒーローが「超高層ビルより高く飛ぶハイジャンプ」「商店街を高速で駆け抜ける」という「それまでにない超人描写」に度肝を抜かれました。
 とどめにMJ以来の「特撮スーパーシップ」の発進シーンと大型戦闘機が変形した巨大ロボットのシークエンス!
 あっという間に当時ですらいい歳だった私が兄弟そこのけで酔っ払った思い出があります。
 たった1分ほどのプロモーションフィルムだったのに(笑)

 そこまで凄かったのに実はこの作品、世間の知名度や人気度(何しろ後に懐かし番組回顧バラエティで大人気だった「テレビ探偵団」でも取り上げられていたくらいです)とは裏腹に私の故郷で放映されなかった番組でした。
 (故郷でスーパー戦隊シリーズが放映されたのは「大戦隊ゴーグルV」以降)

 ですからこのPV以降の当時の思い出と言えば兄弟が読んでいた「てれびくん」「テレビマガジン」からの知識が殆どです。
 あと、当時創刊されたばかりの「宇宙船」で新番組情報としてかの「シルバージャガー(これを知っている人はかなりの特撮オタクw)」と一緒に掲載された程度だったりします。

 とはいえ、それまでのゴレンジャーやジャッカーなどがいささか野暮ったいデザインだったのに比べて物凄く洗練されたデザインや設定には正直驚かされましたし「これまでの東映特撮とは一味違うぞ」と言う驚きをもたらしてくれた作品でもありました。
 中でもウルトラマン以降に出たヒーローのどれよりもカッコイイ「アルカイックスマイル」のマスクには痺れました。
 (主題歌の歌詞にまで「不敵な仮面は黒マスク」と書かれていましたからスタッフにとってもインパクトのあるデザインだったのは間違いないでしょう)

 ゴレンジャー以来の「色分けされた五色のコスチューム」「ブーメランの合わせ技、デンジパンチに象徴されるメカニカルと強化服の融合」などと併せて、本作のデザインセンスの良さは飛びぬけています。

 そのデンジマンを1話まるまる観る事ができたのはそれから15年以上経過した97年の事です。
 入手できたVHSテープには1話~3話が収録されていたので初期のストーリーのアウトラインは大体掴めました。

 これを観た時点ではスーパー戦隊シリーズもキー局のテレビ朝日の本放送が観られましたから、かなり古臭く感じるのではないかと漠然と思っていたのですがこれが差に非ず。
 脚本、演出、特撮のどれもが後の戦隊よりもかなり丁寧に作られており、文字通り「戦隊の教科書」みたいな出来の良さを感じたのです。

 各メンバーの描き分けも見た目だけではなくそれぞれに業を背負った内面が早い段階で描写されていますし、敵も「秘密結社でも宇宙人でもない異次元人」と言う特異な設定がホラーチックな描写によって非常な説得力を持っています。
 (だからこそ怪人が唐突に巨大化しても違和感がない)
 それだけの化け物を相手にするからこそ、戦隊もヒーロー5人だけではなくスーパーシップや巨大ロボットまで動員しなければならない訳で最近の戦隊がSFXだけ進化したのに「ただ何となくロボットが出てくる」と言うのに比べてもかなり見応えがあります。

 付帯的な事ですが、主題歌もヒーロー物としては異例なマイナーコードで、ぎりぎりまで抑えて矯めを作る歌い方と併せて強い印象を残します。
 (EDの方はこれでもかというメジャーコードですが「爆発の炎の中をゆっくりと歩いてくるデンジマンの映像」と併せてこれまた「不敵な、それでいて頼りがいのある」印象です)

 この差はどこから来ているか。
 最近の戦隊が良くも悪くもルーチン化し「前作とどこが違うのか」が製作のポリシーの中心になってしまっている感があるのに対し、デンジマンの当時は戦隊ヒーローは「いくつもある特撮物のひとつ」でしかありませんでした。
 当時は仮面ライダーこそ復活していたものの東映のヒーロー路線自体が袋小路に入りかけていたタイミングでもあった訳です。

 前の「バトルフィーバー」は元々「スパイダーマン」の後番組として企画された物で戦隊と言うよりもマーベルヒーローの延長でしたから「デンジマン」自体はほぼゼロに近いところから創造された東映オリジナルヒーロー物と言えます。
 だからこそ決して失敗が許されない。
 初期の数話に感じられるのは製作側の「危機意識に裏打ちされた熱気」でした。

 そしてここで勢いをつけられた事が戦隊のシリーズ化へと繋がったと考えても良いのではないかと思います。
 (事実、後番組のサンバルカンの頃にはテレビの特撮ヒーロー物がこれ一本だったにも拘らず人気が好調だった事で追加枠で「宇宙刑事シリーズ」を実現させる原動力となりました)

 さて、件のブックオフではデンジマンだけでなく「サンバルカン」のビデオも置いてありました。デンジマンに酔っ払った私がサンバルカンにも手を出すのは必然でもありましょう(笑)


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コメント

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No title

デンジマンとサンバルカンは、シンケンジャーの放送中に見た番組です。きつい言い方ですがこの2作は今の戦隊より面白いのは事実です。なお戦隊のルーチン化はジェットマン以降強まったと思いますし、1番酷かったのはメガレンジャーです。ギンガマンも確かに面白いけどロボの存在意義が薄いですし。ロボ出す意味ない戦隊が多いのとゴーバスターズの様に仮にロボ出しても何一つロボに魅力を感じられないのはね。ガオレンジャーとハリケンジャーとゴーオンジャーぐらいですねロボに魅力あったの。記念作のゴーカイですらただロボ出してるだけですし。シンケンなんかロボ出す意味ないじゃんと思いましたし。

Re: No title

> 光になれさん

 今の戦隊は大概がスポンサーサイドの商品戦略とリンクしたものと思いますので難関に登場するメカの数の帳尻を合わせる側面は大きそうですね。

 そもそも形態こそロボットそのままですが最近の戦隊に出る巨大ロボはメカでなくて妖精か精霊みたいな設定が多いですし。

 余談ですがうちの子供に買ってやったのはデカレンジャーロボが最後でした(笑)が、商品として個人的に感心したのは超星神シリーズの複雑極まりない変形をやらかすロボットたちです。
 取説なしでは何もできない点、玩具としては失格でしたが(爆笑)