あの頃のミニコンポのはなし

 80年代のオーディオの思いでばなしから。
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 1980年代の後半は所謂「バブル景気の前後」の時期でした。
 私自身、また私お周囲でそのご利益を直接的に受けていたのがどの位居たのか分かりませんが、当時の私の家は窓枠は木製、便所は汲み取り式、エアコンはもとより電話も洗濯機もなし2Kの一戸建て貸家でした。
 一人暮らしを始めた知り合いなんかも実家住まいは別として大概が一間のアパート、風呂トイレなしと言うのが多かった気がします。
 (単に私の周囲が田舎者の貧乏人だけだったのかもしれませんが、いずれにしろ2015年現在のアパート暮らしよりも貧乏くさかったのだけは確かです)
 ただ、私の場合は趣味がAV(オーディオビジュアル)だった関係でビデオだけは豪華でした。
 (これって宮●勤とどこが違うのか)

 そうした知り合いのアパートなどを訪ねると4畳半の広さの中に雑然といろいろなものが積み重ねられていたものです。
 が、その中でひとつだけどこへ行ってもピカピカに飾られていたものがありました。
 当時流行だった「ミニコンポ」です。

 通常のコンポが横幅430ミリ内外(実は現在でもBDレコーダーなんかはこのサイズです)なのに対してアパート住まいや学生の個室(大体4畳半から6畳)に合わせて35から38センチ幅に切り詰めたステレオを当時は「ミニコンポ」と呼んでいました。
 今のホームシアターや一体型ステレオシステムが横幅20センチ内外である事を思えばこれでもまだ巨大すぎるのですが、当時はまだまだ30センチサイズのアナログレコードが大きなシェアを持っていたので余り極端に小さく出来なかったのです。

 小さいながらも一応ステレオらしい外見で当時出たばかりだった「CDが掛かる」というのは若者には魅力的でした。
 そしてこれまた当時主流だったカセットテープも「デッキを2台装備してダビングができる」売りがありましたし、サラウンドこそない物のグラフィックイコライザーで音色を好みに調整できるのも訴求力を持っていました。
 何より(この辺がいかにもバブルなのですが)「高級感のあるステレオっぽい外見」が一種のステイタスシンボルとして若者の心をつかんだのは間違いありません。

 このミニコンポがいつから流行り出したのがは定かではありませんが80年代後半くらいには各メーカーから様々なモデルが登場して百花繚乱状態になっていました。
 ですが面白いのはその大半がシステム自体よりも「パンフレットのイメージキャラクター(要はアイドル)」で売れ行きが左右される傾向があった事です。
 ミニコンポに限らずあの頃はそういうのが当たり前でしたが。

 今回紹介するのは私の知り合いの一人が持っていた山水のE-COMPO
 見ての通り表紙がステレオではなく「ブルックシールズ」だったりするのですが(笑)

 ですがステレオとしてのスペックはなかなか本格的なものでしたし、余程マニアックな好みでもない限りは大概のソースを破綻なく再生できるくらいの性能は持っていました。
 その頃の私は前述の様に「DENONとYAMAHAの安物アンプと適当なスピーカーの組み合わせ」でしたから見た目の差は歴然だった訳です。
 何よりうらやましかったのが「すべての機能を一個のリモコンで操作できる事」当時はこれが珍しかったうえに利便性の点ではピカイチだった事もあり一時は私もミニコンポを買おうかと思ったくらいです。
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 ですが前述の様に当時の私の嗜好はビデオメインのオーディオビジュアルだったのでそれに対応したコンポが単品しかなく(大体CDプレーヤー自体が「無闇とでかいLDとのコンパチ機」しかなかった)結局ミニコンポを買うには至りませんでした。

 今使っているホームシアター用のレシーバーがミニコンポと言えば言えますがCDサイズに特化した15センチ幅であの頃の様なステイタス性などはありません。
 大体今時ステレオコンポがステイタスシンボルになると本気で思いこんでいる一般人(オーディオマニアを除く)が世間にどれだけいる事か。

 この手のミニコンポ、今からすれば「バブル当時のあだ花」以外の何物でもないのですがこうして当時のカタログを観返してみると(自分の物ではなかったのに)不思議と懐かしく感じられます。
 歳を食うと何でもかんでも懐かしくなるものかもしれませんが(汗)
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