あの頃の「工作ガイドブック」のはなし

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 私のモデルライフの原点となる本は何冊かあるのですがその中のひとつに科学教材社の「工作ガイドブック」があります。
 本書についてはこれまでにも何度か取り上げた事がありますが模型を始め、電子・ラジオ工作や関連書籍まで網羅した「ホビー系通販カタログの元祖」ともいえる存在でした。

 鉄道模型ひとつとっても16番、NはもとよりライブスチームやZゲージまであらゆる製品が掲載されていましたし、鉄道を離れてもRC・UCをはじめとした飛行機モデル、プラモデルもミリタリー系、車から帆船、建造物まで載っていたりします。
 電子工作ならラジオやインターホン、更には(当時としては珍しい)太陽電池やインバータなんてのもありますし更には天体望遠鏡、工具やモータのひとつひとつに至るまでいちいち掲載されています。

 しかも「1アイテム毎にに必ず(短いながらも)解説がついている」ので図鑑としても機能するという優れものです。
 鉄道模型なら機関車の実車の解説がありますし、艦船模型やRCならモデルの材質やスペックが、工具に至っては「何に使うか」まで解説されているという丁寧さ!!

 それほどのボリュームが一冊に収まっているのですから本自体はB5版としては非常に重く、寝ながら読むには不向きな本のひとつではあります。

 ですがそれでも当時の私にとって読んでいて「幸福になれる一冊(安いな)」だったのは間違いありません。
 たとえお金はなくても「その圧倒的な情報量でホビーの世界の幅広さと奥深さを具体的に感じさせて」くれましたから。
 実際これの通販を使ったことは一度もありませんでしたし(汗)

 ここまでは前振りです。

 この「工作ガイドブック」ですがこれまでこのブログで私が紹介してきたのは1977年版です。
 実は本書は隔年で改訂版が出ており、私の知る限りでは71年、73年、75年、80年版があったと思います。
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 そして私が初めて買った工作ガイドブックは75年版でした。
 実はこの75年版、長いこと実家で行方不明になっていた一冊だったのですが先日ようやく発掘に成功しまして再び私の手元に戻ってきたばかりです。
 皆様の中には「75年版と77年版だと間が1年しか空いていないし大して変わらないんじゃないの?」と思われる向きもあると思います。

 実際、内容の8割以上はほぼ同じ内容です。
 ですが残り2割が侮れないのです。

 本書の巻末に前年度の工作ガイドブックの通販広告(!)があるのですが
「掲載されている価格はいずれも旧価格なので参考になりませんが、いろいろな製作記事や解説記事、資料などは十分に役立ちます」と書かれています。
 鉄道関連の物は少ないのですが「自分のストライクゾーン以外」の記事がまた面白く、これも本書の魅力になっています。
 この部分は年度が替わると別な内容に差し替えられるので上述のフレーズもあながち嘘ではありません。
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 75年版では「Uコンモデルのセスナ177」「RCヨットの構造」「RC戦車・パンサー&ロンメルの工作」「RCサイドカーの製作」「木製模型の海軍特型潜水艦の製作」がそれに当たります。
 因みに77年版では「Uコンの製作と飛行」「RC用マブチパワーシステムの解説」と記事が激減します。
 わずか2年の間に新登場したアイテムが増えすぎてページを増量しても追い付かなくなった模様です。75年版は628ページ、77年版は766ページでした。
 内容も新たに加わったアイテムが75年度版のページの後ろに無理やり追加されている感じがして「アイテムを網羅するのが精一杯」という印象すら受けます。

 そのせいもあるのでしょうか、今回読み返してみると75年度版の方が「読みものとしてよく纏まっている印象」があります
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 一方でこの75年度版には後の77年度版以降に出てこないジャンルの工作アイテムがいくつかあってそれがまた楽しめるのが拾い物でした。
 中でも「ケンクラフトのステレオキット」などは結構新鮮です。

 ミニコンポ普及以前は「ステレオも自分で作って当たり前」に近い空気が強かったと思いますし、年季の入ったマニアなら部品集めから拘ったスピーカーやらターンテーブルやらを作っていそうでした。
 ですが「どこから見ても市販のステレオにしか見えない」レベルのコンポが「キット形式でリリースされていた」というのは今思えば結構な驚きでした。

 「キット専門ブランド=ケンクラフトがつくる歓びをお届けします」
 それにしてもこのマークとロゴ、どこかで見たと思ったら「トリオ」のそれでした。
 トリオという音響メーカーは一時経営危機からの立て直しの際に輸出向けのブランド名(国内では専らカーステレオに使われていた名称)だった「ケンウッド」を正式な社名にして現在に至っています。
 してみると「ケンクラフト」も「ケンウッド」つながりと言うことになります。 

 なるほど「トリオのステレオ」なら出来上がってもそこそこ見栄えがしそうですね。
 が、キットとは言え「システムトータルのお値段が10万円」だと完成品との価格差はそんなにない気もするのですが。

 これを始め当時大ブームだった「BCL」(海外の短波放送を受信して受信証明のベリカードを集める趣味)を反映してか短波レシーバーのキットにもかなりのページが割かれています。
 そういえばあの頃は小中学生でも「BCLが趣味」と公言している奴は結構多かった記憶があります。
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 更に余談
 本書には77年度版では落とされていた「童友社のNサイズC58のセット」の写真が掲載されています。
 そういえば当時確かにこれを見た記憶があったのを思い出しましたが、あれから40年以上を経てそのキットをNゲージ化する日がこようとは(爆)


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