オリンピック電車のはなし

 先日の上京での掘り出し物から。

 大昔の話になりますが水野良太郎の「鉄道模型入門」(廣済堂)と言う本の中に「模型車両カタログ」と言う一章がありそこでは洋の東西を問わずに様々なモデルが紹介されていました。
 HOが主流と言うご時世を反映して掲載モデルのほぼすべてがHO、16番だったのですがそこに唯一掲載されていたNゲージのモデルがありました。
(とはいえ扱いは「HOとの大きさ比較」程度の意味しかなかったですが)
DSCN6161_20160721225420886.jpg

 それが「オリンピック電車の3連」です。
 本書が出た当時Nの電車と言えば実質KATOの103系しかなかった(GMの111系が二番手で出ていましたが当時は動力車がありませんでした)時期、日本車にない独特の垢抜け感のあるデザインの電車モデルの写真は非常に魅力的に映ったものです。
 (今でもカラーリングのセンスや前面のデザインは卓越していると思います)

 正式名称は420形、ミュンヘンオリンピックに合わせて登場した3連固定編成の交流電車。サイリスタ制御を採用した当時としては先進的な電車でもあります。
 メーカーはアーノルドラピード。
DSCN6164.jpg

 もちろん当時は田舎の模型屋なんぞにこれが並ぶことなどなく本書で初見以来40年近く実物も模型も見た事がない、それでいて妙に魅力的に見える模型として私の心に引っかかっていたモデルです。

 それが今年初めに例の時計屋さんに出物の中古モデルがあって思わず懐かしさに惹かれたのですがその時は持ち合わせがなく泣く泣くあきらめたモデルでした。

 今回の上京でその時計屋さんに行ったのですがそこの中古ショップはとにかく在庫の回転が速いので有名なところで一度買い逃したモデルが次に来た時にも残っているなどという事がまず期待できません。
 ところがそのまさかが現実になっていました。
 やはりそこの中古コーナーにオリンピック電車が残っていたのです。正直奇跡と思いました。
 そんな訳で今回念願かなってオリンピック電車の入線と相成った訳です。

 それにしてもです。
 モデルとしてもかなり目立つパッケージングとカッコよさなのになぜこれが長いこと売れ残っていたのか。
 最初は私にはわかりませんでしたが、店頭で試走させた時にその理由がはっきりしました。

 普通この手の編成物は「1両づつ出してみて動力やヘッドライトなどのチェックを行う」もので、これは秋葉や銀座に限らず田舎のショップでもまあ同じです。

 ところがこのモデルはそれができません。
DSCN6165.jpg

 なぜなら「3連の電車が完全に固定されていて一連になっているからです」
 各車輛間はがっちりした金属製のロッドで完全に繋がっており店頭では1両づつばらすことはできませんでした。

 なるほど、50センチ近い長さの、台車が6つも付いている電車をリレーラーなしで線路に載せるのは大概の人は恐れをなすと思います(笑)

 ですがそこはこの電車との再会で舞い上がっている私の事、さっさと載せてさっさと試走、即購入の運びとなりました。

 帰宅後、正式にレイアウトに載せて走らせてみましたが40年近く前のモデルとしてはかなりスムーズな走りを見せます。
 流石にスローは神経質ですが、まあ私には許容範囲でしょう。
 それと何より「室内灯標準装備」それも「動力車にもインテリアと照明がついている」のは結構なアドバンテージです。
 その関係で動力は薄型が採用されていますがおそらく40年前の模型としてはこれは驚異的な事だったのではないかと思います。

 造形は流石に現在の第一線級とはいかないのですが屋根上の碍子や配線などは今どきのモデルよりも細い位です。
 尤も集電仕様と思われるパンタグラフは相対的にラフに見えますが。
DSCN6163_20160721225419de0.jpg

 この編成は言うまでもなく当時の西ドイツの電車で国鉄時代の日本の電車と並べると浮いて見えるのは間違いないですがむしろ最近のJR電車と並べると大きさ以外の違和感があまりありません。
 何となくBMWのセダンのそれを思わせる逆スラントの前面デザインは日本人好みの気もします。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ SF映画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 コレクションブログ ミニカーへ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

私も見ました

 この電車はアーノルドのオリンピックトレインでしたか。
実は私も1972年頃に某模型店で見ました細長い箱に3両が入っており確かブルーの他にオレンジラインバージョンもあった気がします。
子供ながらに、これは高級な模型で関水(当時)の103系とは違うと実感しました(笑)
たしか、この模型店でオレンジ色のクモハ103を買ってもらいました(汗)
でオリンピック電車・塗装と言うと幻の1940年開催予定であった東京オリンピックに向け省線が32系や30系を中心に明るい茶色と
アイボリーに近い塗装を試験的に導入した事例があります。
塗装と旧型国電は楽しい事例が幾つかあり同時期に山手線も緑塗装を採用し中途半端な所でマルーンに戻されたケースもあり、これは
近鉄や南海でも取り入れて居たダークグリーン的な色と推測しています。
たしか戦後も試験塗装で32系が正面が横須賀色・側面が湘南塗装で「お化け電車」との異名があったとか(笑)
101系が登場しオレンジバーミリオン色がでると旧国にも波及し関西辺りは派手な72系がいましたよね!
今はステンレス、アルミ化が進み無塗装車で帯を貼るパターンで仮に20年のオリンピックを記念する列車が出るとするとラッピング
レベルかな~少し寂しい気がしますが。
あ、危うく忘れる所でした・・・東急の国電戦災復旧車も運輸省の監視?を避けるため63型に復旧車を併結しニセ63とする為3600系
に3を加え36300なる表記をした話もあります。
ルパン3世のOPでは無いですが一癖も二癖もある奴らですよね(爆)

Re: 私も見ました

> 星川航空整備部 さん

 このモデルは3両固定編成ですが、ドローバーがいわゆる通電カプラーになっているらしくこれが走行性の良さに寄与して居るようです。今でも通用しそうな先進性ですね。

 お話を伺ってみるとオリンピックと言うのはずいぶんと鉄道に影響を与えるものですね。
 64年の東京などは正に顕著ですが、札幌オリンピックでもタイヤ駆動の地下鉄が登場していますし、長野は新幹線が引かれましたね。
 2020年にはリニアは間に合いそうにないですが、ラッピング電車レベルでお茶を濁すのかどうか、少し気になりますね。