思いでの昭和ヒーローから「宇宙刑事シャイダー」

 「怪しい者ではありません、ぼくは宇宙刑事です!」

 蒸し暑い夜が続くと何をする気も起きなくなりますね。
 汗っかきには酷な季節の到来と言えます。

 さてこのシリーズ、本来ならバトルフィーバーJの続きなのですが、今回は一時脱線させて頂いて「宇宙刑事シャイダー」(昭和59年・ANB・東映)から
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 シリーズの第3弾ともなると前二作に比べて新機軸が打ち出しにくくなるのが常です。
 仮面ライダーXとかウルトラマンタロウ、UFOロボグレンダイザーとかを例に取っても内容的な進化の部分ではともかく見た目のインパクトでは見劣りする事が多いものです。
 その分は上述したように内容的な深化(ものによっては「開き直り」に走るケースもありますが)で視聴者に印象を残そうとする事が多い様です。

 ギャバン・シャリバンは主人公そのものの内面や宿命を物語の中心に据える事でストーリー性の面で一本筋を通した物になっています。
 ですが殊シャイダーに関して言えば主人公のキャラクター性はヒーローらしいとは言えごく希薄なものに留まります。
 (考古学者として敵組織のルーツを探っていたというバックボーンはあるにはあるのですが)

 シリーズとして見た場合シャイダーで最も印象的なのはずばり「敵組織の呪術性」言い換えれば「悪巧みそのものの怖さ」にあったといえます。
 実は宇宙刑事シリーズ3部作の中で最も印象的かつ怖さを感じる敵組織はこのフーマだったりします。

 第一話から「不思議ソングを歌いながら霧の中を徘徊する不気味な集団」なんて妖怪じみた描写からスタートするシュールさ。

 ストーリーのコアはずばり「人の心の闇や隙に忍び込みながらじわじわと人間社会そのものを蝕んで行くフーマの侵略描写」
 その為前2作ほどの大河性はないものの、個々のストーリーで非常に印象に残る作品が多いのがシャイダーの特徴と言えます。
 このフーマの性格はバトルフィーバーのエゴスと共通点が感じられますが、更に遡れば赤影の甲賀幻妖斎に行きつく気もします。

 それを映像面で支えているのが非常に幻想性の高い演出。
 当時のとある雑誌の中で「ついていけないくらい整合性がまるでなくて、飛び降りたら違う場所に行っちゃったり。スタッフがマリファナ事件で内定を受けているという噂があるくらい」とすら言われたほどでしたが、それだけに後から思いだしてもヴィジュアル面での印象だけは非常に鮮烈なのです。
 
 とまあ、ストーリーについてはヒーロー物としてはごく単純化された印象のある本作ですがそれを補うのが戦闘シークエンスのぶっ飛びぶりです。
 中でも飛び抜けた印象があるのが乗艦している戦闘母艦バビロスの存在。

 敵の「鬼瓦みたいな巨大戦闘艦が額の大砲をぶっ放しながら進撃してくる」と「味方の巨大戦闘艦が拳銃形態に変形してそれを撃破する」というシークエンスは「破天荒」の一語(笑)
 当時、謎の円盤UFOのパロディマンガでSHADOのスカイ1の目の前でこのシャイダーのこのシューティングフォーメーションが登場してストレイカー司令官ご一党が画面の前で唖然とするなんてのが出たくらい(大爆笑)

 実際あまりにこれが決まりすぎており後に「時空戦士スピルバン」でこれが引き継がれた物の不発に終わってしまうほど(後から何をやっても二番煎じになってしまうほどの)でした。
 更にバビロス自体もこれとは別に人型ロボット体型に変形して戦うシチュエーションが用意されるなど特撮を使ったパワーアップ感は半端ではありません。
(余談ですが初期話数では当初はこのシーンは「ぬいぐるみで再現」されたのですが体型の狂いっぷりがもの凄かったために操演に変更されたという逸話がありました。聞いた話ではデザイナーだかスポンサーサイドのクレームが凄かったそうですが無理もないw)

 これと後述する女宇宙刑事アニーの存在もあって本作は宇宙刑事三部作の中でも特異な地位を持つに至りました。
 ですが3部作の中で最もヒーロー自身の影が薄かったのも確かです。まあ、これ位他の印象が強ければ…とか思いますが。

 主演の故円谷浩氏は体型こそヒーローらしいスマートさを持っていましたが前二作の様なスタント経験が薄いためか肉体アクションを駆使した変身前の演出がどうしても弱くなりがちでした。
 おまけに相棒となる女宇宙刑事のアニーの方はJAC生え抜きの森永奈緒美氏が演じたためにアクション頻度は非常に多かった上に印象も強かったため余計ヒーローの影が薄くなる事になります。

 さてこのシャイダーですが例の中古ビデオのまとめ買いの時、購入できたのは「劇場版」でした。
 本作は宇宙刑事シリーズで唯一放映当時に劇場版がつくられた(それも2本)作品でテレビ本編とほぼ同じ程度の上映時間でありながら劇場版という事で非常に手間のかかった作りがされており(2作目はオリジナルのオープニングがつくられるほど)見応えのある作りになっています。
 一作目は宇宙の賞金稼ぎがシャイダーに決闘を挑むという番外編的な展開ですが2作目はテレビとほぼ同じフーマの侵略話を中心に置いているので劇場版らしいバージョンアップ感が高くとても楽しめました。


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コメント

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No title

最初に見た宇宙刑事なので、思い入れは深いです。シャイダーは印象が薄いもののカッコよかったし、バビロスのシューテイングフオーメーションはマネしました。フーマの場合カルト教団の様な雰囲気があったし、マクーやマドーはどちらかと言えばテロリストなんですよね。おまけにダブルモンスターや魔界獣に比べ不思議獣の方が怖かったし不思議ソングはトラウマですよ本当に。ちなみに新番組のニューゲームの作者は旧宇宙刑事3部作が好きらしく、著作権の問題から光る剣になってましたが明らかにレーザーブレードでした。まんがタイムきららの作者意外と特撮やアニメに詳しいですよ。

Re: No title

> 光になれ さん

 シャイダーは設定上の連続性はあったものの、前二作と異なる作風だった印象があります。
 ですがこれは決してネガティブな意味ではなく本作のおかげでシリーズとしての宇宙刑事物に深みが出せた意義は大きいと思います。

 リメイク版のシャイダーは先日CSで観ましたが「神官ポーの意外な正体」は仰天物でした。
 そう言えば今回のブログで神官ポーに触れなかったのは「画竜点睛を欠く」でしたね。近いうちにフォローしたいと思います。