真夏の怪奇本2016から「心霊写真」

 眠れぬ夜の怪奇本シリーズ。
 今回は趣向を変えてごく最近の本から。
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 宝島文庫で今でも買える「心霊写真」と言う一冊。
 この本は心霊現象自体の真偽をさておいて(とはいえ、全体にはやや否定的なスタンスですが)明治初期のころから現在までの心霊写真の歴史を俯瞰しようと言う面白い試みで成り立っている本です。
 まさか「心霊写真の歴史」だけで一冊書かれた本が出る等とは思いませんでした(驚)

 古くは明治初期のガラス乾板時代の者から始まって、最近のビデオ時代の怪談までを一通り俯瞰でき、中には私が子供の頃に聞いたっきり40年近く忘れていた話を思い出させてくれたり、当時の新聞の3面記事を飾った心霊写真まで紹介されています。
 これらが実在の幽霊なのか、あるいは錯覚的なシミュラクラなのか、あるいは意図的に製作された偽作なのか、そんな事はさておいても人の心の中に神秘を求める気持ちが常に存在するという点は写真が発明されて300年たった今でも変わらない事を実感させられます。
 この点では先日触れた「バミューダ海域はブラックホールか」に近いスタンスの本であるとも言えます。

 それにしても昔は心霊写真がれっきとした新聞の3面記事をでかでかと飾った時代もあったのかと言うのが結構新鮮な驚きでした。
 私が小学生くらいの頃ですらこの手の話題は学習雑誌かサラブックス系の単行本でしか見かけませんでしたから。

 しかしそれらを別としても本書で取り上げられている心霊写真の大半からは独特な凄みと言うかオーラの様なものを感じます。

 私などは70年代の心霊写真の主流である「岩や木の葉の影の中に人の顔が浮かぶ系」のものにどっぷりつかっていた世代ですが、ある心霊写真本で「目の中に気を感じられるか否かが本物と見間違いとの鑑別点」と書かれていたのを読んで「その『気』はどう感じれば見えるのだろうか」とか真剣に悩んだものです。
 本書ではその辺りの心理に踏み込んだ考察もされていて、今になって少し納得させられたり懐かしがったりさせてくれます。
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 ところで先日、視聴者投稿による恐怖画像のスペシャル番組が放送され、うちの子供などは結構おっかながって観ていました。
 ビデオの動画が手軽にとれる時代に心霊写真、心霊映像がまた復活してきているのが正直不思議だったのですがこの番組のさわりを見ていて少し納得させられるところがありました。

 その番組で取り上げられている映像の殆どが「一見普通の映像なのにカメラがパンしたりぶれている一瞬に怪しげな何かが写り込む」というパターンでした。
 当然その部分はすぐ後で「スロー再生されて初めてわかる」訳ですがこの「見逃してしまったあとで発見される」という独特の怖さはまさに70年代の心霊写真に共通する特徴と思えます。

 これらは例えば80年代に多かった「映画のワンカットの中に得体のしれない何かが写っている」とか「歌謡曲の一部に怪しげなノイズが混じっていた」といったノリにも似ています。
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 こういう「普通なら何の気なしに見逃してしまう一瞬の中にさっと現れてみせる」ところに心霊写真、心霊映像の怖さの本質のひとつがあるのではないかとも思えます。
 それは「見逃されるはずだった日常の一瞬が突然崩壊するような感覚」に似ています。

 本書のラストで「江戸時代末期の箱根の写真(普通の風俗写真ですが)の中によく見ると体が半分透き通った武士が写っている」というのが紹介されています。
 撮られた当時ですら一種の二重写しで済まされていたかもしれない(実際、当時は露光時間が長い事が多かったので予想外の物が写り込むことが多かった)一葉が後になって怪奇写真になるというのはそれだけでも興味深い題材と思います。

 

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