劇用車に見るアクションドラマから「ゴリラ・警視庁捜査第8班・その3」

 前回から大分間が空きましたが、「ゴリラ・警視庁捜査第8班」の劇用車の話をば。
(前回取り上げてから何と3年もたっていましたから「間が開いた」なんてもんじゃない大汗)

 前回、前々回の話は以下のリンクをご参照ください。

「ゴリラ・警視庁捜査第8班」の思い出
劇用車から見るアクションドラマ・「ゴリラ・警視庁捜査第8班」

 本作はポスト西部警察として派手なアクションを売りにしてスタートした物の、後半は脚本監修に倉本聡を迎え全体にキャラクターの内面を掘り下げた地味な話が主体となり相当にイメージを変えて終了しましたが、今回はそれに絡んでカースタント系の劇用車を中心に書いてみたいと思います。

 前にも書きましたが本作の場合、当時車両協力だった三菱自動車のラインアップの関係で車種がごく限られた物しか使われなかったのが特徴的です。
 西部警察の日産ですとフラッグシップ且つスタントへの対応度の高いセドリック・グロリアからローレル、スカイライン辺りの中級サイズのセダンがよく登場していたのですがサイズ的にそれらに対応する車種が存在しない三菱の場合はギャランΣがそれに対応する形となりました。
 この番組が始まってからほぼ全話(欠番話数があるので「ほぼ」と言う言い方になりますが)エアチェックしていましたが、それらを観ながら登場する破壊車もチェックしていました。
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 全話通して観てまず驚かされるのはスタントに登場する三菱車の殆どすべてがA160系(二代目)のギャランΣ・エテルナΣだった事です。
 初期話数ではA160Σのパトカーが爆発・ロールオーバー、転落と派手に活躍する話が連続し、犯人車や一般車でも判で押したようにA160Σが登場しています。

 ですがそれらをよく観ていると西部~ではここ一番で見られたハイジャンプやクラッシュジャンプが本作では殆ど出ていません。
 恐らくですがA160系Σが車を非常に痛めやすいジャンプ系のスタントに耐えられる車と看做されていなかったのではないかと思われます。
 これはA160Σその物と言うよりも70年代後半以降の車全体がそういう認識だったと思われ、西部~でもΣと同年代のスカイライン(ジャパン)やローレル(C230系)などもジャンプ系のスタントには殆ど使われていませんでした。

 ですがその為にカースタントと言う点でゴリラ自体が西部警察よりも地味な印象になってしまったとも言えます。
 (余談ですがゴリラに非破壊車として登場していたギャランやミラージュのパトカーは20年後に「西部警察スペシャル」で破壊車として活躍しました。この時にはどちらもハイジャンプやジャンピングロールオーバーを含むかなり派手なスタントをやっています)

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 加えてスタントに登場するのが「決まってA160Σだけ」と言うのもそうした印象を強めていた気もします。
 サイズ的にブルーバードとローレルの中間くらいと言う微妙な設定だった為、犯人車に求められる「貫禄」に欠ける事。
 更に当時流行のスラントノーズを採用したデザインも「あまり強そうに見えない」と言うイメージを与えてしまっていた気がします。
 とはいえ、当時の三菱のラインナップはデボネアを除いて全てギャランより小さい車ばかりでしたし、初代デボネアも中古車の玉数自体が少なかったと思われるので「ギャランしか使えなかった」という事情は勘案する必要があるでしょう。

 この点ではサイズがこれまた微妙にギャランより大きかった上にそれなりに悪役っぽい顔をしていた点で「大激闘」や「プロハンター」で活躍していたLA2形ルーチェの方は幾分それっぽかった気がしたりします。閑話休題。

 そう思うと「カースタントの福本清三クルマ」と言える230セドリックやケンメリスカイラインなんかはサイズ、活躍度、キャラクター性において名車だったと改めて思います。

 加えてセドリックやルーチェ辺りなら「黒塗りのセダン」と言うのもそれなりに実車を見たりイメージできたりするのですがこちらのA160Σはこれまた「黒が似合わない」のもマイナスイメージでした。
 新車当時のA160Σはカタログ写真などを観るとわかる様にイメージカラーが「黄色」「黄緑色」「パープルメタリック」と言った明るい色が多く、黒塗りにはどうしても無理やり感が伴います。
 現に後半の数話ではクラッシュなどで黒い塗装がはがれて地色の黄緑が露出してしまったΣを何台か見る事ができます。
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 Σの他の三菱車では一度だけ同年式のエテルナΛ(これもΣのクーペバージョンなのですが。因みに「エテルナ・ラムダ」と読みます)が衝突シーンに出た位。
 他社の車ではMS80クラウンやアメ車が二三度登場するにとどまりました。
 それ位に本作は「A160Σの大行進」の様相を呈しています。
 もし「ゴリラ」がディアマンテやGTOの登場した後に製作されていればこれらの破壊車の構成も少し変っていたのかもしれず、作品のイメージも変わっていたかもしれません。

 後半、ストーリー展開が地味になるにつれてカースタントの頻度は低下し、各話の中盤か最後の方で申し訳程度のクラッシュシーンが出てくる程度になります。
 (脚本家自体があまりカースタントに関心を持っていない様ですし)

 それでも最終回の一話前、「ベスト・フレンド」の話では劇用車の在庫処分の意味合いがあったのか、一度に4台の黒塗りA160Σが縦横無尽に駆け巡りながら第8班と対決するクライマックスとなりました。
 これはアクションものとして「ゴリラ」を支持していた数少ない視聴者への最後のサービスだったのかもしれません。

 誤解の無い様に書いておきますが私自身は歴代のギャランシグマは好きなクルマです。嫌いだったらTLVのΣを4台も買ったりしません(爆)
 ですがカースタントの斬られ役にはA160Σでは(個人的な印象としてですが)役不足だったと言わざるを得ません。
 その意味ではΣの起用はある意味で悲劇的だったとも言えます。



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