あの頃の「ブロマイド」本から その2

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 あの頃の怪獣ブロマイド本の続きです。

 当時の怪獣映画はロビーカードもそうだったのですが「実際の撮影された場面」そのものを掲示するのはごく少数派でした。
 大概は怪獣と実景、あるいはイラストなんかをコラージュして一枚画に仕立てたもので、今これをそのまんま掲示したりしたら「JAROに言うぞ」級の誇大なイメージ画だったりします
(製作時のイメージイラストなんかを基に作られた絵柄なので実際の作品とかけ離れた物は少ないのですが、中には製作時に没になったカットと思しき物もあったりするので油断はできません)

 これらのブロマイドから得る印象というのは実際の作品以上に「おっかない」絵面の物が多かったです。
 たかが怪獣映画の写真なのに夜うなされそうな位に迫力と恐怖心を煽る物ばかりでした。

 一例として本編もおっかない「サンダ対ガイラ」のそれを出してみると
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(上掲書P67及びP69より引用)
 写真は実際の撮影素材のぬいぐるみやミニチュアなのですが構図の妙と着色写真特有の毒々しい配色と併せてお化け屋敷の看板みたいな様相を呈します。
 これは映画の冒頭の漁船襲撃シーンの再現画像ですが一旦フレームの中に引きずり込まれたら逃げ場がなさそうな恐怖感があります。

 実際当時の怪奇物の小説なんかには「絵から怪物が出てくる」のと同様に「主人公が絵の中に引きずり込まれる」シチュエーションの物があったのですが「この写真にだけは引きずりこまれたくない!」というトラウマを埋め込んでくれた記念すべき一枚だったりします(爆)

 こちらは実景のクルマや風景と縫いぐるみ&ミニチュアの組み合わせ。
 クルマの縮尺が妙にまちまちだったりパースが異様にくるっていたり(実景のコラージュでよくあるミスですが)している所に怪獣たちのポージングの異様さも加わり今にも踏みつぶされそうな怖さがります。
 まるで子供の頃に見る様な悪夢の再現みたいなシュールさすら感じます。

 東宝の場合はこんな風に実景を組み合わせたブロマイドは意外と少ない(ドゴラが目立つ程度)のですがそれだけにそういうのがたまに出るとトラウマになりやすいです。
 これ以外でも妖星ゴラスのマグマとか海底軍艦のマンダとかは実作品に比べて恐怖感が250%増し(当社比)の迫力ですが特に前者は実作品を観るとあまりの落差に愕然としたりします。

 一方、この種の実景合成系のブロマイドがインパクトを持つのがガメラ系の大映特撮物のブロマイドです。
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(上掲書P93より引用)
 ギャオス辺りがその頂点ではないかと思いますが実景と怪獣、や戦闘機に作画で加えられた効果線がスピード感と迫力を加え今見てもなかなか雄大なイメージを持ちます。
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(上掲書P50、P113より引用)
 一方でジャイガーとかジグラでは「実際になかった場面」のブロマイドやロビーカードがいくつもあり、特にジグラは脚色度320%(当社比)
 新宿や銀座での激闘シーンは本編には出てこないのですがこればっかりはぜひ観てみたかったです。

 実作品との落差の大きさでは間違いなくナンバー1なのですがブロマイドのインパクトはギャオスと並ぶと思います。

 これらのブロマイドの印象の強さは上の写真を見て頂ければお分かりのように実際の場面そのままの引き写しでなく、コラージュや線画の追加、そして時に毒々しくすら見える人工着色の色調、それらが渾然一体となって見るものに襲い掛かってくる点にあったと思います。
 事実、当時はこれらのブロマイドを夜見るのがどれだけ怖かった事か(汗)



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