Zゲージの夜汽車の情景

スナップショット-4-(2016-12-12-23-23)

 「弟だ。弟の人魂が案内に立ったのだ」
 斎藤吉之助が絶叫して、その人魂に向って走ろうとした。

 「人魂ではない。あれは、青森から八戸に向かう汽車の灯だ。よっく見ろ距離は遠いぞ。汽車の灯だ。汽車の窓の灯が連なって見えるのだ」
 徳島大尉が怒鳴った。人魂は消えた。汽車が物陰に入ったのである。

 (新潮文庫版 新田次郎作「八甲田山死の彷徨」191Pより引用)

 夜汽車の風景を描写した中で個人的に一番印象深いのは上述のこの一節です。
 周囲を雪に囲まれ殆ど孤立した状態の行軍隊の前に遠目に見える汽車の灯の儚さと力強さをこれ程鮮烈に描いて見せたシーンはありません。

 今回はそれに関連したネタで。

 先日増備したZゲージの旧客
 5両編成が可能となったので天賞堂のC62と組ませて試運転をやってみました。

 これまでの運転会では客車2両だけの3両編成とプラレール並みの短さでしたからある意味Zゲージの本領は発揮されにくい所もありました。
 例によって鉄博風モジュールのエンドレス上ですが今回は時間の都合で真夜中の就寝前という時間帯の試走となりました。
スナップショット-3-(2016-12-12-23-23)

 さて、Zゲージの客車は原則として室内灯が標準装備されています。
 メーカー側からすれば一時期はこれがNゲージに対するアドバンテージと見做されていたくらいでしたが、今夜はまさにそれを試すには打ってつけです。

 オハ35系の青塗装は白色LED、ぶどう色のスハフ42は電球色のLEDが装備されています。
 C62にこれを牽かせ、パワーパックのスロットルを入れると、

 見事な位「夜汽車」の雰囲気満点の走行風景が現出しました。
 直線の殆どないエンドレスではこれがまた一段と引き立ちます。

 周囲の風景は「鉄道博物館」そのまんまなのですがその中にあってもなかなかの存在感です。

 して見ると客車の増備は大成功でした。次の運転会ががぜん楽しみになってきました。

 個人的にはこれで荷物車や郵便車でもあればとか思ったりします。
IMG_1190-photo.jpg

 そんな風景を眺めていてふと思いましたが、
 現住地は勿論、故郷ですら「夜行列車」というものがなくなって大分経ちます。

 世間が寝静まった、周囲が真っ暗な中を正に闇を切り裂くがごとく煌々と明かりの列を並べて列車が走り去る風景、それも電球の灯りのそれはいかにも汽車らしい力強さを感じさせるものでした。

 Zゲージの列車の小ささはまさに「遠くを通過する汽車の灯り」を感じさせます。


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