カラーブックスから「雲の表情」

 久しぶりのカラーブックスネタです。
 とはいえもう私が持っていた本についてはほぼ紹介し尽くしているので、今後この項が更新されるのは新たに古本を見つけた時になると思います。
DSCN7640.jpg

 今回のもそうした一冊です。

 私がカラーブックスを初めて目にしたのは昭和50年前後ですがこの時点でカラーブックスのラインナップは300冊に達していました。
 その中で300冊目として覚えていたのが「雲の表情」(伊藤洋三著)
 カラーブックスも300冊目になるとこんな題材も出て来るのかと当時は感心しましたが、タイトルを見るだけでそこはかとない長閑さも感じます(笑)

 先日中野の古本屋でその「雲の表情」が出ていたのを見た時久しぶりに当時の記憶がよみがえりました。
 鉄道ネタ以外のカラーブックスはおおむね100円内外で並んでいる事が多いのですが本書も例外ではありません。
 あの頃の思い出を買うつもりでレジに向かいました。
 
 さて、本書はタイトルの通り「雲」が題材。
 それも気象学の専門書みたいな堅苦しさはなく「きれいな雲の写真を並べてみました」という長閑さが身上と言えます。
DSCN7642.jpg
(保育社カラーブックス「雲の表情」P29から引用)
 著者も長年にわたってきれいな雲を眺め続けていた方の様で海外まで出掛けてきれいな空を写真に収めてこられていた様です。
 季節ごと、地域毎に特徴的な雲を俯瞰する構成は正にカラーブックス向け。
 寝床の中で眺めているだけで何だか豊かな心持になれます。
 (文庫サイズというカラーブックスのメリットもこういう時には生きます)

 最後の方には雲の諺とか雲と陶磁器、雲の絡んだ着物の紋様まで解説されこれを読み終わるといっぱしの雲博士になれること請け合いです(笑)

 さて、本書の巻末を見るまで雲の写真のきれいさと長閑さに惹かれていたのですが巻末のある写真をみて少しぞっとしました。

 それは「飛行機雲」の一項。
DSCN7641.jpg
(保育社カラーブックス「雲の表情」P94から引用)
 大空を所狭しと様々にくねった航跡の飛行機雲が覆っているワンカットです。
 最初これを見た時には航空ショーの会場かと思ったのですが実はこれは「空襲」の時に撮影された物だそうです。

 無数の爆撃機と弾着の観測機、偵察機の航跡が様々に入り混じった光景。
 それは美しさと同時に破滅的な恐ろしさすら伴うものでした。

 長閑の象徴とも言える雲の写真にこれほどの戦慄を感じた事はありません。

 その意味で意外な読後感を与えられた一冊でした。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ SF映画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 コレクションブログ ミニカーへ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

雲の写真集とは、また珍しい。こういう場合自然とか生き物とかが多いですが、雲の場合天気で移り変わりが激しいので新鮮です。

No title

>光になれさん

 保育社は元々動植物の図鑑類も色々出しているところなので、カラーブックスでも同様の物が多いのですが300巻ともなるとそう言うのも出し尽くした感があるので「ここらで雲の本も良いか」なんてノリで出していたのではないかと勝手に想像したりします(笑)

 寝る前に読むにはトランキライザーみたいな効果もあるので結構いい本ですね。