松方弘樹とチェックメイト78のはなし

 先日の松方弘樹氏の訃報には驚きました。70代と言えばまだまだこれからも存在感を示せる年代だった筈なので残念です。

 今回はそれに関連した題材です。

 松方氏というと「仁義なき戦い」か「遠山の金さん」等のイメージが一般には強いのですが、うちではどちらも観ていなかったのでお茶の間の馴染みが割合に乏しいものでした(あくまでうちだけのはなしです)
 とはいえポスターやら宣伝やらではこれでもかとばかりに強面の松方氏のアップは目にしていましたので「とにかくおっかないおっちゃん」のイメージだけは先行して私の中に刷り込まれていたものです(汗)
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 そんな中、70年代当時の私を驚かせた松方氏主演のテレビドラマがありました。
 昭和53年に製作された「チェックメイト78」(テレパック・朝日放送)というのがそれです。

 松方氏のテレビレギュラーで初めてお目に掛かったのがこの作品でしたが、内容は端的に行って「日本版刑事コロンボ」
 
 毎回犯人の犯行シーンから始まって登場する刑事が犯人との頭脳戦を経て徐々に追いつめてゆく形式の到叙推理物のドラマでした。今で言えば「古畑任三郎」のルーツのひとつみたいな存在とも言えますが本作は本家コロンボシリーズの人気が絶頂期だった頃の番組なので「和製二番煎じ」みたいに思われたのが大きなハンデでした。

 但し作風自体はピアノメインのテーマ曲と併せてなかなか落ち着いた大人の雰囲気を持っており(その分地味でしたが)夜10時台位に観る番組とするなら悪くはなかったと思います。

 松方氏の役柄は和製コロンボとも言うべき「佐賀警部」他に萩尾みどり氏の「宮城刑事」他に財津一郎ふんする上司(名前を失念しましたがとにかく苗字が県名でした)
 この3人がレギュラーの少数精鋭の独立捜査班の様な物が毎回事件に絡むというものです。

 タイトルの「チェックメイト」とはそのものずばりチェスの王手の意味を指し、犯人と佐賀警部の一対一の頭脳戦の「決めの一手」に絡めたタイトルだったと記憶しています。
 (CM前のアイキャッチもチェスの王手を指す瞬間の盤面という凝りようでした)

 和製コロンボというくらいですから登場する佐賀警部の演技は飄々としたものでのんびりとした人を食ったような演技を当時黒々とした30代角刈りの松方氏が演じていたのですから初めて見た時は前述のイメージと併せて違和感が凄かった記憶があります。
 
 後に松方氏は「刑事貴族シリーズ」や「はだかの刑事」なんかで警部役を演じる事が多くなったのですが、どこかしらとぼけた飄逸な持ち味(それでいて抜け目がない)のキャラクターが印象的なのですがそれらの原点のひとつにこの「チェックメイト78」があったのではないでしょうか。
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 さて、この作品が私の記憶に残る理由はもうひとつ。
 本作は原案が鮎川哲也。我が国における本格推理小説の巨匠のひとりですが短編を中心にこうした到叙推理の名手でもあった方です。
 放映当時は鮎川氏が編纂した鉄道物のアンソロジーに夢中だった時期と重なっていたため、結構入れ込んで観ていました(因みに故郷では平日4時台のベルト枠での放映でした)

 今となってはあらすじや細部の殆どを忘れてしまっていますが、第1話は本家コロンボに勝るとも劣らないほどのかなりしっかりとした物で、終盤の逆転劇の鮮やかさの印象だけが記憶に残っています。
 ただ、その勢いは2話以降に持続せず、どうもぱっとしないまま終わってしまったという記憶もあったりするのですが。

 このブログを書くにあたってネットでチェックした所では作品リストに原作と思われる鮎川氏の短編のタイトルの付いたものがありました。
 そこにある短編のいくつかは私の手持ちの未読本にもあったので、この機会に当時を思い出しながら読み返してみようと思います。

 それにしても本作は中々再放送もされなければネットですら大して話題になってもいないようです。
 できるならCSでも放映してくれないものかと。今観返せばまた印象が変わるかもしれませんし。


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コメント

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松方氏

 確かに早すぎますよね。
松方氏と言えば66年の怪竜大決戦~大掛かりな特撮物は恐らく本作意外に出て居ないと思います。
怪竜自体TV放送があった事例も少なく昭和57年の年末に関東では放送されましたが、それ以降は無かった気がします。
ほぼ同時期に松方氏は大江戸捜査網で竜隊長(笑)と共にレギュラーでしたが何とQで御馴染の佐原健二氏のゲストがあり下手な特撮物より
見ごたえがある話でした。
チェックメイト78・・・実は光山市交通局さんが今回取り上げるまで作品自体知りませんでした(汗)
放送当時の1978年つまり昭和53年は大空港、大都会パートⅢ、Gメン75、大追跡と刑事ものブームだった気がします。
アクション作品でも野生の証明、ブルークリスマス、皇帝のいない8月・・・かなり派手な作品が製作さ海外ものだと刑事コジャック、
サイボーグ危機一発(600万ドルの男)と乱立に近く70年代初頭の変身ブームを刑事・アクション番組に置き替えた現象に近いです。
ちなみに翌79年は懐かしブームでウルトラマン、仮面ライダー、怪獣プラスメカと言った作品が量産され84年のゴジラ復活へ繋がり、
戦隊物が今日まで続く路線を築いたと言えます。

No title

刑事貴族は懐かしいですねー、毎週見てました。遠山の金さんも好きでしたし、暴れん坊将軍役の松平健さんが長生きしてる分、彼にもまだまだ長生きしてほしかったんですが。まさか彼の最後の遺作が牙狼魔戒ノ花のエゴサイレーン役になったのは悲しいです。

No title

>星川航空整備部 さん

 怪獣系では松方氏の出演作は殆どありませんが、特撮物という括りでは「真田幸村の謀略」は特撮満載の娯楽巨編ではありました(笑)
 あとヒーロー物としては「伊賀の影丸」と言う主演作がありますが、これも熱血ヒーロー系の松方氏が拝める快作です。この作品では美形悪役剣士が「山城新伍」でしてクライマックスが松方対山城の一騎打ちと言うのが今の感覚から言って仰天物です。

 チェックメイト78の当時は「野生の証明」で逃げる高倉健をヘリの上から機関銃で銃撃するという敵役で松方氏が出ているのですが、その時の凶悪そのものの役柄と全く同時期に和製コロンボをやっていたのですから凄い話ですね。

 余談ですがチェックメイト78の前番組は愛川欽也主演の「東京メグレ警視シリーズ」というこれまたマイナーの極北みたいな番組でした。一方で後番組は(少し間が空きますが)「ザ・ハングマン」シリーズ。どうも朝日放送の金曜9時枠と言うのは曲者の刑事物・アクションものが多いですね(笑)

No title

>光になれさん

 刑事貴族は金曜8時枠の刑事物では太陽にほえろ!に次ぐヒット作になりましたね。今の視聴者は水谷豊と言うと相棒の杉下右京のイメージが強いと思いますが、この頃はバンプラ1300を乗りまわしこれでもかと拳銃を撃ちまくる役柄でした。

 松方氏では個人的には後番組の「はだかの刑事」の前半の矢口刑事の役柄が好みだったりします。

 エゴサイレーン人間体(というか憑代)を演じていた松方氏、見た目が父上の近衛十四郎そっくりになっていたのには驚きました。

 余談ですが弟の目黒祐樹氏が平成初めに主演されていた「参上!天空剣士」では眼だけが露出したいでたちで立ち回りを演じていたのですが「どう見ても松方弘樹にしか見えない」位見分けのつかないのに驚いた事があったりします(笑)