「怪獣ゴルゴ」

「昔のカイジュウ映画のDVD」のネタから

 前回が搦め手でしたので今回は正攻法の怪獣物で行きます。
 (とはいえ、あちらの方では怪獣映画の主流はダイナメーション系人形アニメであってゴジラの様なぬいぐるみ系はむしろ傍流なのですが)
 物は「怪獣ゴルゴ」(1961年)
DSCN7688_2017021818401207e.jpg
 実は本作は40年ほど前にテレビで一度観ていた作品です。確かTBS系で日曜夜7時半からナイターか何かの雨傘番組だったような気が。
 当時はストーリーもうろ覚えでしたが、クライマックスの特撮シーンの迫力だけが記憶に残っています。以来本作を見る事はなかったのですがようやく輸入盤LDが故郷のショップに出ているのを見つけて購入したのが15年前。輸入盤ですから字幕など勿論なかったのですが、それでもストーリーのアウトラインを把握するのは難しいものではありませんでした。

 要はそれくらいわかりやすい話だったという事で。

 割合有名な話ですが本作は1967年に制作された日活の「大巨獣ガッパ」の元ネタとなった作品です。
 ざっくりとあらすじを記すと
 「どこかの未開の島で見つかった怪獣の幼生を捕まえて都会で見世物にしていたら親怪獣が子供を取り返しに暴れこんでくる」
 本当にただそれだけの話で、ゴルゴもガッパも殆ど同じ展開と言っていいと思います。
DSCN7747_20170218220703550.jpg

 ですが演出や細部はそれぞれの持ち味の違いが出ていて見比べると結構楽しめたりします。
 
 ゴルゴの場合特徴的なのは「女っ気ゼロのハードボイルドの展開(一応子供は出ますが)」ガッパの場合は捕まった子供はミニラ丸出しの可愛い系のルックスでラストでは親ガッパと抱き合って涙まで流すという見るからにお涙頂戴系の展開なのですが、ゴルゴの幼生はおよそそんな可愛さは一切なし。
「爬虫類だから絶対に人になつかない」と言う作り手のポリシーがにじみ出るかの如くサーカスに売られても「トラックはひっくり返す人は平気で殺す」と言う荒れまくりの描写で見るものの共感を殆ど誘いません。尤もそんなゴルゴを見に来る客も殆ど「ただそこいらをうろうろしているだけのゴルゴを見て大笑いしているという、ほとんど猛獣の見世物」を見る感覚ですから無理もないですが。

 そして後半、子供を追ってロンドンに上陸する親ゴルゴの描写はまさに本作の白眉。

 明らかに円谷特撮を意識した様なミニチュア破壊描写は人形アニメにはない大迫力です。そればかりでなく本編描写もものすごく「ゴルゴがビルを崩せばその場にいた群衆の50人くらいが壁の下敷になり」「崩れるビルから人間が落下する」、
「ロンドン橋から落下して溺れかける軍の兵士の上からゴルゴの崩したロンドン橋が崩れ落ちる」という当時の和製怪獣映画が意識的に避けたと思われるシークエンスの連続!
 とどめに「群衆の中で世界の終わりを叫ぶ電波系の人が逃げてきた群衆に踏み殺される」なんてのまであり本編パニック描写にはとにかく力が入っています。

 特撮自体の質も中々高いのでカイジュウ映画ファンでまだ未見の向きにはお勧めできる作品と思います。

 余談ですがゴルゴを迎え撃つ軍の中にポンポン砲を思わせる多連装ロケットランチャー車があったり地上で暴れるゴルゴ相手に空軍の戦闘機がバルカン砲やミサイルを発射するという描写は何となく東宝特撮じみていて独特の既視感があります(笑)


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログ SF映画へ
にほんブログ村
にほんブログ村 コレクションブログ ミニカーへ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。




関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

やはり海外の怪獣映画は、日本の怪獣映画と違い、文字通りの害獣として扱われてるんですね。だから逆に怖さが増すという。ゴジラ以外の怪獣映画は愛嬌があったり、もしくは大魔神の様に人間に罰を与える神様として書かれたりするんですが。人間に恐怖を与える存在としか扱われていない辺り日本の怪獣映画よりシビアですね。

ゴルゴ

 光山市交通局さんも観ましたか(笑)
本作はゴジラそして東宝怪獣物を意識して制作されていますが実は・・・ラドンのフイルムが使われています。
物語の中版~各国の海軍がゴルゴの捜索に当たるシーンで駆逐艦の乗員が双眼鏡で空を見るシーンで空の大怪獣ラドンのF-86Fが
3機編隊で飛行しているシーンが出ます。
恐らく流用された所は西海橋付近を追跡するシーンを加えた物と推測しています。
丁度パイロットが「やった!」と叫び急降下体制に入る直前辺り。
で只今TVKセブンを視聴&録画中・・・MXでも録画しましたが(笑)
ただセブンはQやマンよりも夜遅い時間に観る番組だと改めて実感できます。
ただセブン初期は後の怪奇大作戦へつながるストーリーも多く「狙われた街」「魔の山へ飛べ」が怪奇大作戦ぽっく特に狙われ~は
放送コードと言うか今の感覚だとゴールデンタイム放映する話としてはギリギリの様な気がします。

No title

>光になれさん

 怪獣物以外での特撮のヒット作が「日本沈没」である事から言っても日本の怪獣映画は「災害映画」としての性格も持っている気がします。日本と言う風土自体があらゆる災害のるつぼとも言える環境(そしてそれゆえに砂漠化もせずに自然環境の良さを得ているとも言える)なので怪獣に対して恐怖と同時に一種の畏怖を持ちやすいのではないかと思います。

 海外の怪獣映画は基本的に「未開地の猛獣狩り」の延長のコンセプトの物が多く、恐怖もするが一方で害敵である以上絶対に殺すという自負の様な物も感じさせます。
 

No title

> 星川航空整備部さん

 ラドンのフィルム・・・たしかにありましたね。そう言えばラドンの本編に出て来る実景のF86は米軍機ばかりでしたが(笑)

 セブンの再放送は結構悩ましいです。と言うのもMXは2チャンネル分の減量画質、サブチャンネルの無いTVKはフル画質ですから情報量が違うはずなので(因みにうちではボトムズを全話録画中です)

 最近は「現在では不適切な表現がありますが~」のロゴが冒頭に入る様になり多少はコードに過敏になる事が少なくはなりましたね。それでも12話はやってくれないですが。