「人類SOS!」


 年末年始購入の怪獣ものDVDのはなし
「ゴルゴ」から大分あきましたが、今回は「人類SOS」(1963年イギリス)をば
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 本作はモンスターSFの古典「トリフィドの日」の映像化として知られています。
 
 ある夜、地球の夜空を彩る流星群。
 ところがそれを観た人類の大半がいきなり失明し文明世界が壊滅状態に陥る。
 たまたま目の手術直後で流星群を見ないで済んだ主人公始め一部の人間たちは生き延びるための苦闘の放浪に旅立つ。
 
 更に流星群の影響で植物の一部が突然変異し「歩き回る食人植物」と化して人間を襲い始めるというサスペンスも加わり事態はさらに混迷するのであった。

 大まかに書くとこういうストーリーです。

 前半の人類失明に伴うパニック描写はこの手の終末物の中でも群を抜いた異様さ。
 パイロット始め乗客全員が失明した旅客機が燃料切れで埠頭に突っ込むところとか、駅に近づいても停止場所が分らずそのまま車止めに突っ込む列車、その車内からゾンビさながらの異様さで手探りで降り立つ乗客の群れなどはまさに悪夢の極致の思いがします。

 助かった主人公はその中から失明を免れた何人かと旅を続けるのですが
 その理由と言うのが「寄宿学校から脱走中で一晩中貨車の中にいた少女」とか「前夜の交通事故のショックで全員鎮静剤を飲んで寝ていた一家」とか「護送中で外を見ていなかった囚人たち」とかあんまりな設定なのが本作の数少ない笑いを誘う部分です。

 あと「妻が元から盲人だったので失明してもどうにか動けた夫」なんてのもありますが極めつけは「一晩中地下室で口論をしていた灯台守の夫妻」!
 実はこの夫婦がクライマックスで重要な役割を果たすのですから油断できません。

 さて物語の中盤で登場するトリフィド。
 植物系のクリーチャーの中ではなかなかスタイリッシュなデザインですが、霧の中からじわじわと迫って来る描写のサスペンスフルさは前述の異様な状況設定と併せて背筋を凍らせます。
 しかも後半では殆どレミングなみの繁殖力で一面を埋め尽くし、主人公たちのこもる屋敷を包囲するのですから怖さも倍増。

 主人公たちにはトリフィドを倒す手段が分らず、辛うじて高圧電線で動きを食い止めるのがやっとという極限状態に追い込まれます。
 やっとある特定の音波で誘導が可能と言う事を知った主人公は「サーカスの宣伝カー」で音波を流しながらトリフィドを誘導。その隙に残った人々はこれまた「たまたま海底で哨戒行動中で難を逃れたフランスの原潜」に救われます。
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 ここまででも終末物としては十分にきまったラストだと思うのですが…

 実はこの後に(主人公たちとは全く接触が無い)前述の灯台守の夫婦がトリフィドに襲われるシークエンスが続きます。
 いちおう落ちはつくのですが個人的には「蛇足」感の強い肩透かしを食らった気分にはなりました。

 落ちは敢えて書きません。とにかく観て判断頂くのがよいかと(笑)



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コメント

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No title

海外のパニック映画は、日本のヒーロー物やロボットアニメにも影響を与えてますね。一番分かりやすい例が漫画版デビルマンのデーモン侵略攻撃だったり。敵の正体が分からず人間が追い詰められていき最後には人間が自滅すると言う。逆に良い例が勇者王ガオガイガーで、最初は正体不明の怪物が実はゾンダーメタルと言う物質でストレスを持った人間を怪物化させた者だと分かり、1体1体ゾンダーロボを倒していく事で次第に敵の正体と目的が分かり、最後には人間の知恵と勇者ロボの連携で、機界31原種と機界新種を打ち倒すという非常に良く練れた話でした。ヒーロー物やロボットアニメだと最後は逆転しますけど、こういうパニック映画は敵の倒し方や正体が不明なので人類が絶滅寸前にまで追いつめられる話が非常に多いです。インデペンデイスデイとかマーズアタックとかもそうですし、バイオハザードも当てはまると思います。まあパニック映画はホラー映画を言い換えただけですが。

落ちは

 Qの火星からの贈り物ですよね(笑)
ただ話の流れは1953年の宇宙戦争がベースとなっている作りでトンデモない物が侵略者の弱点だった!
で人類SOS・・・少し怪しい東京が出ていますよね!
日本での吹き替えだと~東京都内は火災が起きて居ます怪しい植物が・・・と言っていますが英語版だと~たどたどしい日本語で、
これも肩透かしと言うか残念だな。
そう言えば未公開だと思うのですがイギリス作品でテラー・アイランド1966と言う作品があり宇宙から飛来した?触覚を持つへドラ?
みたいな怪物がイギリスの小さな島で繁殖し恐怖にと言うパターンですがラストに突然、東京の研究所が出て来て日本人の職員研究室へ
行くと不気味な音が聞こえドアを開けた途端に悲鳴があがりエンドと何故にイギリスの島から東京へと理解に苦しむ作品です。
例によって東京の研究所が出るシーンにかかる音楽は中国的な曲です。

Re: No title

> 光になれ さん

 そちらが触れていたデビルマンですが原作が73年頃の連載でしたが当時は終末物のSFがいくつか出ていた時期でしたからそれらの影響はあったと思います。同時期に映画の「日本沈没」の大ヒット石油ショックに伴う終末感が社会を覆っていましたからまさにそれにシンクロする形で原作も進行していた事にないrますね。

 ただ、終末SFにパニック描写はつきものですが一般的なパニック映画はデザスター映画に近い性格(タワーリングインフェルノやボルケーノ、大地震、ジョーズなど)の物を指すことが多く、終末SFとは一線を引いているイメージがあります。

Re: 落ちは

> 星川航空整備部さん

「コチラハトウキョウデス。カジデス、カジデス」ですね(笑)
炎上中の東京の画はゴジラ当時の銀座あたりがモチーフでしょうか。

>テラー・アイランド1966

 本で読んだだけなのですがラストシーンに何故か東京へ飛ぶ辺りは読んでいて「なぜ!?」感がありましたね。

 次回は日本が舞台のネタを考えています(もちろん洋画なのですが)