「ミッドシップ隼」

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 昨年の納車以来、私の中でマイブーム以上の大旋風を吹き荒らしているS660。

 とうとうこんな物まで読みふける様になってしまいました。
 「サーキットの狼」の池沢さとしが80年代中ごろにチャンピオンで連載していた「ミッドシップ隼」

 本書はわたしの場合、S660に乗っていなかったら絶対に読まなかったであろう事は断言できます(爆笑)

 本作はトヨタが初代MR-2をリリースする前後のタイミングで連載開始した物で実際の作中にもMR-2の試作仕様の「SV-3」が出ていたりします。
 タイトルから分る様にサーキットの狼をミッドシップ車限定でリメイクした様な作品ですが、コミックスの冒頭作者のコメントが熱い!
「1984年はミッドシップ元年と言われる。まだミッドシップという言葉そのものになじんでいない人が多いと思うが、数年後には今のターボ車くらい一般的なものになるだろう(中略)主人公、鬼頭準が駆るハヤブサMS-Oは、そんな時代の夢を先取りした作者自身のラブコールである」
 大雑把なストーリーは以下の通り

 しがない牛乳配達を続けながらサーキットへの夢を抱く青年、鬼頭隼と相棒のジャッキー花園がそのドライビングテクニックを見込まれ国産ミッドシップスポーツ「ハヤブサ」のテストドライバーに就職、数々のレースやバトルを転戦しながらミッドシップスポーツカーの魔力に導かれてゆくというもの。
 第一回目の冒頭から「主人公・鬼頭準の乗る牛乳屋のサニトラが暴走族を追いまわす」という展開から始まります(その過程で「スーパー7と初代シティターボのバトル」なんかもあったりして)

 やがてデビューした日本で二番目(理由は後述)のミッドシップマシン「ハヤブサMS-O」
 準と「ハヤブサMS-O」は列島縦断ミッドシップレースの勝利に勝利するものの次々に現れるライバルレーサーとのバトル、さらにはライバル社のマシンとの開発競争の渦中に飛び込むことになります!

 この事からもお分かりの通り、本作の特徴は主人公の乗るミッドシップカー「ハヤブサ」がマンガオリジナルの車種であるという点にあります。

 上っ面だけ見ているならこれだけで萎える事必至の設定なのですが今読むとこれが意外と面白い。
 同じ作者の代表作のサーキットの狼と異なる特徴として主役たるマシンの開発過程でのトラブル、設計不良による事故などを経て徐々に煮詰められてゆく過程が丹念に描かれています。
 日本で二番目の本格的ミッドシップ車(理由は後述)という設定なのでクルマの開発やバリエーションの拡充部分にも多くのボリュームが割かれており、読んでゆくうちに本当にこういうクルマが実在していたのではと思わせるほどのリアリティがあります。
 (この辺、高斎正のカーSFに近い匂いもあったりします)
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(秋田書店刊「ミッドシップ準」第1巻163Pより引用)

 オリジナルマシンなのにちゃんとしたイメージスケッチやらカタログ用透視図なんでのまで掲載されていますし、開発の過程で弱点や改良点がクローズアップされる辺り少年漫画なのにプロジェクトX的な企業ドラマの面もあったりします。

 後半ではサードパーティによるチューンナップ車やらグループBカーのハヤブサMS-R、果ては「パートタイムながら4WDのラリー仕様(あ、そういえば日産のMID4と同じだ)」まで登場しますから作者の気合いみたいなものは強く感じられます。
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(秋田書店刊「ミッドシップ準」第1巻126Pより引用)
 さて、本作の世界では主人公の所属している「白鳥自動車」と先行して日本初のミッドシップ車を製品化していた「サクラ自動車」という二社がそれぞれライバル関係としてしのぎを削ります。
 が、それとは別にトヨタや日産、ホンダやマツダも存在している世界だったりするので一種のパラレルワールドみたいなものでしょう。

 (おそらくいすゞとスバルが存在していない世界かもw)
 それにしてもこの二社、ミッドシップのスポーツカーを出しているのは良いとして普段一体何で稼いでいるかがまるで謎です。
 事によると今のホンダみたいに軽自動車やミニバンのアガリでスポーツカーを作っているんだったりして(笑)

 新発売されたハヤブサのお目見えに世界中のミッドシップ車を集めて九州から東京まで日本を縦断する公道レースが催されるのは「サーキットの~」公道グランプリをほうふつとさせるところで、これがまたフェラーリ512BBとロータスヨーロッパが同じ土俵で戦う無理やりさが魅力
 後半では「ミッドシップだけがスポーツカーじゃねえ」という分かったような分からないような理屈をこねてフェラーリディトナまで乱入(でもこいつもフロントミッドシップなのでは?)したりします。

 そんなレースにマンガ完全オリジナルのハヤブサと他1台が参加して活躍しているのですから完全にSFの世界ではあります。
 (あるいは実在の選手に混じって小学生が投手をやっている「リトル巨人くん」のノリ?w)

 書いていくうちに一回では収まらなくなってきたので続きはまた次の機会に。


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