真夜中の怪奇本シリーズ2017「20世紀のなぞとふしぎ」

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 梅雨明け記念と言いますか、季節ネタの定番「怪奇本」シリーズです。
 今回は私が初めてであった怪奇(と言いますかふしぎ系)の本のはなしから始めます。

 以前に紹介している「ゆうれい船のなぞとふしぎ」とか「四次元の世界をさぐる」等の怪奇本ですが、これらは本来児童書の文学全集の一環という位置付けの一冊です。
 そういえば同じシリーズに「幽霊ネタ」や「妖怪ネタ」もあった様な気がしますが当所の本屋さんではこれと全く同じ装丁とデザインで「フランダースの犬」とか「二十の世界はじめて物語」とかが一緒に並んでいたりしました。

 特にノンフィクション系で顕著なのですがこの手の怪奇本は「普通の(というか親が手を出しやすい)真面目な本と同じ扱いで並んでいる事が非常に多かった」記憶があります。
 まあ、中には秋田書店の様に「怪奇ネタだけでシリーズ化してしまう」荒業を見せてくれる所もあったのですが。
 これらのシリーズを揃いで持っている友人の本棚なんかを覗いてみると「怪奇ネタだけ本がボロボロになっている」なんて事が往々にしてあったものです(笑)
 同じ事は学校の図書館なんかでもそうでした。

 今回紹介するのもそうした流れの一冊
 偕成社のNF(世界ノンフィクション)の「二十世紀のなぞとふしぎ」(庄司浅水著)

 実は本書は私が初めて触れた実録怪奇系の本でして、出会ったのも学校の図書館だったりします。
 このシリーズも上述の例に漏れず「少女アンネの悲しみ」とか「インカ帝国の悲劇」とかの真面目なネタの間にこっそり混じっている一冊なのですが他の本は大概残っているのに「この一冊だけいつも貸出中」でなかなか読めない本でした。

 そんな訳で実際に読めるまで大分待たされた記憶があります。
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(庄司浅水著 偕成社「20世紀のなぞとふしぎ」口絵より引用)
 本書で取り上げられている怪奇現象は「UFO」とか「ネッシー」「雪男」系から「メアリーセレスト号事件」「クラカトア噴火の予知夢」などまで心霊系以外の奇談ジャンルをほぼ網羅した「怪奇現象の教科書」みたいなものです。
 その手の本で有名な「ジミー少年の消失事件」とか「カナダのサスカッチ」とかはこの本で初めて知った口です。

 学校図書館に置いてあるくらいの本ですから筆致に扇情的なところがなく、淡々と怪奇現象が語られているのが逆にうすら寒い感じを与えます。
 これは元々古書研究家だった筆者の資質のよるものではないかと思います。
 同じ人の書いた大人向きの怪奇本でも「おっかない話を実に淡々と書き流していますし」
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(庄司浅水著 偕成社「20世紀のなぞとふしぎ」口絵より引用)

 怪奇現象のみならず「アンコールワットの発見」とか「シーラカンスの捕獲」みたいな普通のネタも合間合間に入っている事も独特なアカデミックな雰囲気づくりに貢献しています。
 そのせいでしょうか、当時の読後感はおっかないというよりも「不思議」の感覚が強かった気がします。 

 因みに同じシリーズには「勇気あるケネディ兄弟」を筆頭に「町を感動させた名犬」とか「ヒマラヤの孤児マヤ」などの実録感動系がラインナップされていますが上述のように図書館でも個人の家でもこのシリーズの並びで一番ボロボロだったのがこの一冊でした。

 さて、写真の本ですが先日中野の某古本店で四十数年ぶり位に再会した一冊です。

 「夕暮れのビル街の上空を空飛ぶ円盤の編隊が飛び去ってゆく」表紙。
 忘れようとしたって忘れられるもんじゃありません(笑)

 そんな訳で40年ぶりの再見となった本書ですが妙に淡々とした読後感はあの頃とあまり変わらなかったりします。
 「五度も続いた難破」なんて久しぶりに思い出しましたが、この種の奇談も結構多かったのが意外でした。

 何となく「夏休みの昼下がりの暇つぶし」には最適だった気がします。

 そう言えば思い出したのですが私の故郷の学校図書館は通常は一度に一冊しか貸出しないのに夏休み前日に限って3冊まで借りられるという特典がありました。
 あの頃は「貸出カウンターの前で生徒が行列を作っていた」ものですが、今はどうですか。

 まあ、学校側としては「夏休みの間に本に親しんでもらう」か「読書感想文のネタの発掘」がメインだったと思うのですが、私みたいなボンクラ生徒が借りる場合、3冊のうち一冊はこの手の怪奇本、後一冊は江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」というのが定番でした。
 当時は「トーベヤンソンの描いていたマンガのムーミン
」(これがまた当時のアニメ版とはえらく異なるシニカルな作風でした)も人気でしたからそれが借りられた場合、3冊が3冊とも学校側の意図とまるで合致しないラインナップになる訳です(爆)



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コメント

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怪奇シリーズ

 怪奇シリーズ~全開ですねw
前にもコメしましたが怪奇謎系ブログ?作成者の方は大体が70年代から相次いで発行された本をベースにしているので、ああ!これは?
と言った事件がネットの無い時期そしてTV特番で観た記憶が蘇ります。
よく写真では無く絵だから・・・と言う人もいますが下手なモノクロ写真に写るUFOやUMAよりも少し誇張されていますが絵の方が
インパクトがありトラウマになった物も多数ですから(私の場合はスクリューのガー助!)
シーラカンスの発見は大体が1930年代マダガスカル島沖で奇妙な魚が網に・・・これは・・・古代のシーラカンス!
と言った文句で始まっています。
だけどネットの無い時代は眼を皿のようにして何度も読みました。
さてセブンも遂に最終クールへと突入し怪獣の出ない名作+星人と怪獣がタックを組むウルトラの王道へ!
やはりセブンはQそしてマンと比べ夜が舞台となる話が多く前2作では星人や怪獣が現れる前兆で夜のシーンが多用されましたが
セブン当初から都会の無機質さと夜の暗闇を合わせ侵略者が隣に居る雰囲気を出すアイテムとして活用されています。
全2作はラゴンやミイラ人間のように円谷=等身大は怖いから侵略者は等身大で家庭、職場、近くで遊んでいる子供にも姿を変え
狙っている!と言った別の意味での怖さも演出してます。

Re: 怪奇シリーズ

> 星川航空整備部 さん

 確かにあの当時の怪奇系記事は「挿絵のインパクト」が肝のひとつでしたね。夏になると学習雑誌はもとより週刊マンガ誌もずらりと納涼恐怖系の記事を並べていたのを思い出します。
 (じつはこれ、次回以降のネタの伏線だったりして)

 セブンも後半に入り怪獣に拘らない実験的な性格の話が多くなりましたね。
 マンの時代には「怪獣もオクルミ宇宙人も登場しないはなし」なんてありませんでしたし。

 夜の暗闇の独特の異和感の表現で好きなのは「蒸発都市」の冒頭でした。あれ以来徹夜工事がSFの1シーンに見えて困ります(笑)