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「ウルトラQ」のミニチュアセットのはなし

 今回は久しぶりに書く「レイアウト趣味から見る特撮」ネタから。
 少し搦め手で「ウルトラQ」を取り上げたいと思います。

 初期のウルトラQは製作スタッフに東宝のゴジラシリーズなどを手掛けた面々が並んでいるせいか、劇場映画並みに手の掛かったミニチュアセットが見られます。
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(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」33Pより引用)
 特に印象的なのは「変身」に出てくる山村のセット、「1/8計画」に登場する縮小人間の居住地区のセットですがこの2作、どちらも「ミニチュアセットに生身の人間が入り込む」シチュエーションなだけにミニチュアに手を抜けなかった(怪獣と違ってなまじな出来のミニチュアに人間が入り込むと途端にオモチャ臭く見えてしまうのは後の東映戦隊シリーズなどでもわかるところです)と思われます。
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(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」66Pより引用)
 一方で「地底超特急西へ」の新東京駅や福岡のターミナル周辺、「あけてくれ!」に登場する異次元都市などは細密性よりも未来性を重視した造形が優先されているようです。
 そこまでは行かないにしても、リアルと未来性の中間を狙ったと思われるのが「虹の卵」に登場する新産業都市のミニチュアで、後に実際に田舎の県に新設される山の中の流通団地なんかが持つ「田舎の中に出現した近代都市」なんかがこれに近い雰囲気をもっているとおもいます。
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(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」50Pより引用)
 怪獣大暴れ編で都市破壊のシークエンスが売りとなった「ガラモンの逆襲」「東京氷河期」ではその中間的な表現ながらもテレビ離れしたパノラミックな建て込みが大きな魅力となっています。
 場面によっては強遠近法を駆使したミニチュアも組まれていますが完全にテレビ離れした規模で撮影されていた事が伺われます。

 上記の三つの要素にミニチュアが一つのテレビシリーズで再現されているというだけでも結構な驚きですが、私的にはそのどれもが十分に魅力的です。その意味では後のテレビシリーズの特撮よりもレイアウト趣味への琴線をくすぐる物が多いのがウルトラQのミニチュアの特色でもあると言えます。

 それにつけても一度観て観たかったのは「鳥を見た」で没になったという地方都市のミニチュアセットの破壊シーンです。これは宣伝スチルには登場するものの実際には撮影された直後に「スポンサーの武田薬品の看板が吹き飛ばされる」描写があったために動画としては世に出なかったそうで残念な気がします。
(実際に放映されたのは「ラドン」の福岡破壊シーンのデュープでした。どちらも巨鳥が風圧で街を吹き飛ばす話なので違和感はなかったのですが、当初の製作態度では敢えて映画とは違う描写を試したかったのではないかと思えるだけに惜しいです)

 テレビシリーズのミニチュア特撮でこれほどのスケールと細やかさを感じさせるものはごく少ないと思えます。
 これ以降だと「マグマ大使」とテレビ版「日本沈没」がごく肉薄している感じがするのですが、これについては何れ書いてみたいと思います。

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