思い出のカラーブックスから「クルマ趣味入門」

 前回から相当に間が空きました思い出のカラーブックスネタ。
 今回は「クルマ趣味入門」(いのうえ・こーいち著)をば

DSCN9811.jpg

 これまでにもカラーブックスネタではクルマそのものに関する本をいくつか紹介していますが、本書が出るまで趣味としてのクルマという切り口で自動車を捉えたものはありませんでした。
 最初の「自動車」が60年代半ば頃のものでしたが、あの頃はクルマ自体が趣味の対象というよりも高級な耐久消費財のようなものであり、マイカーを持つそれ自体がステイタスでしたから「クルマをどう楽しむか」という面からのアプローチはお寒い物だったと思います。
 もちろんクルマ趣味と言う物はその当時でもあったのでしょうが、今よりもずっと少数派だった筈ですしその大半が「ガイシャマニア」に近かったのではなかったかと。

 本書の登場は昭和61(1986)年でバブルの直前の時期に当たります。これ位の時期になってようやく「趣味としてのクルマ」を楽しめる層が広がってきたという事かもしれません。

 尤も、本書を見てもやや欧州車エンスージアスト寄りの視点になっていますが。

 ツーリングに始まって、カーウォッチング、クラブミーティング、ドレスアップ、チューニングそして当時はまだ珍しかったレストアなども取り上げられていますし、後半はミニカー、プラモデル、RCやスロットレーシングといった当時は辺縁系だったクルマ趣味を一通り見て回れる構成はさすが「俯瞰のカラーブックス」

 要するにここまでの20年間でようやく「ステイタスより趣味性でクルマ選びが楽しめる」時代になったのではないかと言えます。
 ですから今この時代に、例えば昨日今日になって初めてマツダロードスターなんかを買った人が今本書を読んでもワクワクできるのではないかと。

 さて、本書では旧車か海外のブランド車を楽しむ事がメインという印象ですが、当時新車で買えた日本車で趣味性を語れそうな車種がメーカー毎にピックアップされていてこれはこれで面白い読み物になっています。

 リストアップされているのはトヨタが初代MR2、ソアラ、T160系セリカ、カリーナED、日産が当時まだ出ていなかったBe-1、ホンダが初代シティカブリオレ、「バラードスポーツ」が付いていた頃のCR-X、マツダがFC3S時代のRX-7、フォードフェスティバ、いすゞがジェミニイルムシャー、三菱がランサーEXターボ(但し初期型)スバルがレオーネツーリングワゴン、ダイハツがG11系シャレードデ・トマゾ、スズキがカルタスGT-i(因みに筆者は同時期のアルトツインカムを「邪道の極み」とw)

 今の目でこれらを見返してみて今でも「いい趣味ですね」と思うか「あの頃はこんなのでも趣味が語れたの?」と思うか考え込んでみるのも一興ではあります。何しろこの頃はバブル時代カーの殆どがまだ出ていないですし。

 ただ、この章の最後の部分

 「国産車を選ぶ時にぜひ心がけてほしい事は欲張らない事である。選ぶ前に目的を鮮明にする事だ。そして高いクルマを1台買ってすべてを賄うくらいなら、絶対に安いのを2台にしたい。クルマ趣味は本当にそこから始まる。欲張らねばMR2もCR-Xも光り輝いてくる筈である」(本書61Pより引用)

 はまさにわが意を得たりの思いがします。最近の私の周囲の皆さんのクルマ選びが何でもできる八方美人的にSUVやミニバン(あ、私もか?)に走りがちです。
 そんなご時世にあって、売れ行きや評判だけに囚われずに「あっ!これは私が乗るために生まれてきたクルマだ!!」と思えるようなクルマを見つけて選ぶ楽しみというのは確かにある筈ですし、そういう嬉しさをもっと追究する方向もあっていいかなとか思います。

にほんブログ村


にほんブログ村

にほんブログ村 映画ブログ SF映画へ
にほんブログ村

にほんブログ村 コレクションブログ ミニカーへ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント