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レイアウト趣味から見る特撮映画「ゴジラ(1984版)」

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 このところ番外編が続き、本編がややお留守だった「レイアウト趣味から見る特撮映画」

 今回は先日の「京王プラザ」ネタに因んで「ゴジラ」(1984年版)をば。

 前作メカゴジラの逆襲から約8年のブランクの後復活したゴジラの新シリーズ第一作です。
 第一作を除く従来作の設定をすべてかなぐり捨て「84年当時の社会、国際構造の中にゴジラが投入されたらどうなるか」という一種の疑似イヴェント的な側面が前に出た作品というのが私の印象です。
 ただ、それを取ったら残るのが「テーマ曲ばかりが無闇にカッコいいスーパーX」「それまでゴジラと無縁の俳優中心で構成された大河ドラマ的配役」
 そして「ゴジラが復活した」と言う勢いだけで盛り上がるファンたちの公開直前までの浮かれっぷり。そんな所しか印象に残らなかったりします。

 実際本作公開直後、水面下での進行はあったものの、一般レベルでの前人気が公開後一気にしぼんだ為に以後数年間にわたって続編が出ませんでしたし。
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(ホビージャパン刊 西村祐次監修「大ゴジラ図鑑」152Pより引用)
 本作公開までのブランク時期、とある雑誌の投稿で「久しぶりに復活したのはいいが新宿副都心のビル街に圧倒されて何もできないゴジラ」と言うのが載った事があります。
 実際、メカゴジラの後本作の公開までの間に日本の風景は一段と変貌しました。旧シリーズでは超高層ビルどころか東京タワーすらゴジラと絡むことはありませんでしたが、本作の公開時には政令指定都市ならどこへ行っても20階以上のビルがひとつやふたつ必ずある様になりましたし。
 それを思うと上記の揶揄とも取れる投稿にもそれなりに説得力はあった訳です。

 そのせいか本作ではゴジラの身長は従来をはるかに上回る80メートル!それでもさすがに200メートル級がごろごろしていた副都心のビルの半分程度ですが、見た目のバランスはそれなりに取れていました。

 さて本題から
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(ホビージャパン刊 西村祐次監修「大ゴジラ図鑑」152Pより引用)
 本作のミニチュアで目立つのは何と言っても新宿副都心と銀座通りの夜景セット。
 特に新宿のそれは、おそらく日本沈没以来久しぶりの広大なビル街のセットとして印象に残ります。

 実物準拠のミニチュア風景をのし歩くゴジラ、そしてスーパーX到着までの時間稼ぎにゴジラを副都心の空き地に誘導するメーサー車の一連のカットは当時ファンが最も見たかった画面ではなかったかと思います。
 ですが、改めて本作を観てこれらのミニチュアを眺めてみるとリアルと言うよりも、最近のレイアウトのイベントでよく見かける「明るい所で見る夜景の展示」にごく近い印象を受けます。

 日本沈没の時は暗闇の中の大火という事で建物類が殆どシルエットに近い状態で折角の作り込みがわかりにくかったのですが、本作のそれは逆に夜景にしては余りに明るすぎて見えなくても良いミニチュアの質感まで感じさせてしまった点でリアル派には惜しい気がします。

 劇中、奥から接近するゴジラの前の交差点を悠々と横切るメーサー車のカットなどは動くミニチュアが主役となっている点で、まさにレイアウト感覚(笑)
 ミニチュアの見せ方としてはこれは十分に楽しいですし、自分でもやってみたくなること必至(爆)なのですがこれがリアルさを旨とする劇映画として正しいかと言うと少し疑問も感じます。

 銀座のミニチュアでも基本的な印象は変わりませんが日劇に代わって新たに登場した有楽町マリオンの鏡面ガラスに写り込むゴジラのカットもファンが見たかったひとつでしょう。
 (一方で私なんぞはこのシーンでは北側の通りの「天賞堂のビルを必死に探していた」という笑えないバカっぷりw)

 銀座と言えばネオン瞬く繁華街の代表格ですが、それを差し引いても街並みが明るすぎるとは感じます。
 看板類は一部を除き実物準拠なのでリアリティはそこそこありますが、今の見返すと無くなってしまった看板も結構多い事に時代を感じました。
 ひょっとしたらこれらの看板類は本作のもう一つの主役だったのではないかと言う気もします。

 このカットではゴジラとは初めてからむ「0系新幹線」も売りのひとつです。
 スタッフもこういうのをやりたかったんだろうなあとふと思う私。
 実際ゴジラシリーズでの鉄道との絡みは第一作の品川駅の印象が強烈な物の、以後はせいぜいキングコング対ゴジラ位ですし、これ以後のゴジラで鉄道が有機的に絡むのは「シン・ゴジラ」までなかったですし。

 ところで本作の小六禮次郎の手になるBGMは怪獣映画とパニック映画の中間的なイメージでラウンジミュージックとしても結構好きな曲が多いです。
 今回のブログを書いてからS660でこれのサントラを掛ける事が多くなりました(笑)
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天賞堂

 さすが光山市交通局さんw
天賞堂を探すとは・・・完璧なホビーの鉄人です(古いかなw)
例の0系を襲撃するメイキング映像ではスタッフが0系模型を手で押してゴジラに近づける場面があります。
この作品は意外とラドン1956のサスペンスフルな展開とメガヌロンの恐怖つまり等身大=怖さをショキラスでリメイクした感があります。
プロデューサーの田中氏はエイリアン的な展開を作品で取り入れたいと語って居ますが、やはり定番の等身大=怖いを押し出しています。
この作品は米ソの駆け引き、政府の対応、はては原発の安全性と以前のゴジラシリーズが持つバトル的な要素を排除しゴジラ自身も自然災害の一端として扱う姿勢は好感が持てます。
私は海外版で流れるクリストファー・ヤング氏の曲が好きですね。
海外版はレイモンドバーが再び1954年に東京で起きたゴジラ襲撃で生き残った唯一のアメリカ人として描かれペンタゴンへ招集され対策へ加わる・・・後のリメイク宇宙戦争(TV版)も似た構図でしたよね!
1956年の怪獣王ゴジラは、あのルシィル・アンダーソンw法被のオジサンを始め日系俳優によるぎこちない日本語オンリーで、少し拍子抜けする展開もありますがゴジラ1985む海外版は逆に盛り上げようとするアメリカ側編集と日本側のシーンがマッチしない事がマイナス要因を生んでいると思います。

Re: 天賞堂

> 星川航空整備部さん

 あの海外版ですね(笑)以前CSのゴジラ大会の折に「怪獣王ゴジラ」と共にこちらも放映されました。
 追加シーンの大半が「どこかの密室で米軍士官2名がモニター観ながら解説に興じているのを背後から『オーソンウェルズのそっくりさん』と化したレイモンドバーが怪しげな独り言をつぶやき続ける」展開に海外版ぽさを感じたものです。ここでのアメリカ側キャストがやった事は「ソ連衛星の核ミサイル撃墜の電話を受けて迎撃を了承する」くだり位しか印象に無かったりします。

 ただ、上陸時に自衛隊の攻撃をゴジラがかいくぐる一連のくだりは編集だけで日本版のそれよりはるかに整合性のある内容に改善していてそこは良かったです。
 (日本版では戦闘機と地上軍が同時に攻撃を掛ける様に見えたのが、この海外版ではF-1CCVの攻撃の直後にゴジラが一旦海に潜って空からの攻撃をやり過ごし、埠頭で放列を敷いていた地上軍の眼前に奇襲さながらに浮上するという風に変更されました。この再浮上の波でパラシェーボ号が岸壁に叩きつけられ核ミサイルのスイッチが誤作動する流れになっています)