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「人類危機一髪!巨大怪鳥の爪」

 前回紹介した「巨大カニ怪獣の襲撃」に続く「ブサイクなのに無闇に強いモンスター」ネタ第二弾。
 こちらはカニよりもっと凄い!何しろ正攻法で人類を滅亡寸前まで追いやるのですから。
DSCN5830b.jpg

 その名も「人類危機一髪!巨大怪鳥の爪」(1957年)
DSCN5836b.jpg

 ここに登場する巨大怪鳥は特に凄い武器を持っている訳ではありません。それがなぜ強いのかについては後述します。


 北米大陸をカバーする防衛レーダー網の性能テストでジェット機を操縦していた電気技師のマカフィーは、基地上空で謎の巨大物体を目撃する。
 ところがレーダーには飛行機しか映っておらず彼の報告はでたらめと決め付けられそうになってしまう。

 しかし報告を聞いて出動した捜索機、付近を飛行中の民間旅客機が相次いで行方不明に。
 そしてマカフィーと女性電子学者のゴールドマンを載せてワシントンに帰還中の輸送機までもが襲われて不時着する。
 パイロットには巨大な鳥が見えていたにもかかわらず、やはりレーダーには探知されなかった。

 マカフィーの証言も付近で空中を撮影していた観測気球の写真に怪鳥が撮られていた事からようやく認められた。
 早速目視による探索と攻撃が加えられるが、怪鳥には機関砲、ミサイルは勿論核兵器も受け付けない。
 それどころか戦闘機は怪鳥の巨大なくちばしに噛み砕かれ、パラシュートで脱出した乗員まで怪鳥に喰われてしまう。
 
 怪鳥の周囲に一種の反物質のフィールドが取り巻いているため(そのため怪鳥は宇宙から飛来してきたと推測された)レーダーに映らないばかりかくちばし、爪以外の部位は一種の反物質バリアが張られ、一切の攻撃が通じない事が判明した。

 急遽全世界の航空機の運航が停止されるが、食料を失った怪鳥は遂に地上を片端から襲撃し始める
 とうとう世界中が24時間の外出禁止、交通機関の制限をせざるを得なくなるのだった。

 怪鳥の正体を知ったマカフィーは反物質バリアを破るための中性子発信機の製作に着手するが製作が遅々として進まない中、怪鳥はニューヨークを襲うのだった。


 オチは大体想像がつくと思いますので書きません。

 上述の様にこの怪鳥、武器と言えば普通の鳥同様にくちばしと爪くらいしか持っていません。しかしその巨大な図体(劇中で「空飛ぶ戦艦」とまで呼ばれる)といかなる攻撃も通じない事からほとんど不死身の怪物と言っていいほどの強さを見せます。
 おまけに飛行機の機体ばかりか脱出した乗員まで追いかけて喰ってしまう意地の汚さ、地上に降りれば鉄道だろうが人間だろうが手当たり次第に喰い散らす悪食ぶり。 習性までもが凶悪で観る者の恐怖感を掻き立てます。

 と、それは良いとしてそこまで凶悪で強い怪鳥のお顔は
DSCN5832b.jpg

 こんなんです。
 えらくひしゃげた顔をしていますが大きさの異なるギニョールの顔付きも負けずにブサイクなので、別にパペットの造形を失敗したわけではなさそうです。
 しかも顔だけでなく全身のプロポーションも
DSCN5833b.jpg

 こんな感じ。
 今だったらこんな格好の鳥が空を飛んでみせる作品は99%コメディかギャグだと思うのですが、本編はあくまでシリアスに展開するのですからたまりません。
 作品そのものも搦め手一切なしの正攻法怪獣侵略ものが貫かれています。

 人食い怪鳥の地球飛来目的が巣作りにあったなんてのは平成ガメラの40年先を行っていますし。
 特撮のメインは勿論ミニチュア。
 飛行機の襲撃シーンやNYのビル破壊シーン、地上の貨物列車の襲撃などミニチュアの見せ場は多いのですが、ゴジラやラドンと違い破壊シーンのために広大なミニチュアセットを組むという発想はあちらには薄い様で実景の街並みに壊されるビルだけがミニチュアで合成されるというある意味合理的、でも物足りないシーンが多いのが惜しい。
 唯一大きなセットを組んでいる貨物列車の襲撃シーンも「そこいらのHOゲージのレイアウトの中を怪鳥が暴れている」ようなレベルです。
DSCN5835b.jpg

 この辺は欧米とアジア系(最近の中国映画でも広大なミニチュアセットが組まれるケースがある)の感覚の違いの様なところかもしれません。

 因みに「ブサイクなのに無闇に強い怪鳥」というコンセプトは後にウルトラマンタロウのバードンに引き継がれた様な気がします(って引き継いでどうする)

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コメント

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巨大な爪

 80年代頃は巨大な爪と言うタイトルでラドンの二番煎じ的な扱いで紹介されていた作品です。
B級特撮が量産された1957年~例によって未公開作品w
確かにHOサイズの鉄道模型を走らせ怪鳥が掴み持って行く・・・同年のWB制作の黒い蠍も同様なシーンがあり洞窟爆破から逃れた蠍が列車を襲撃するシーンも単に鉄道模型を走らせ横転させられる所も似ています。
まあ、これはゴジラ1954で品川駅構内を破壊したゴジラが交通博物館から借りたEF58牽引の急行列車(衝突シーンは別の模型と思われます/カツミOゲージ?)にアメリカ側が刺激され立て続けに入れられたシーンです。
ただ巨大な爪だけでは無く当時のアメリカ製SF作品は冷戦下で作成された事柄からも米ソの大戦を意識した作風で巨大な爪もアラスカから大西洋そして極東を含む太平洋もレダーサイト/哨戒機によるカバーで守られている事を強調しています。
大戦と言えばTV映画やドキュメンタリー作品として度々取り上げられるロズウェル事件も当初は円盤では無く大戦中に日本軍が放った
風船爆弾(気球状の物)で破片に残って居た奇妙な文字は日本の漢字またはカタカナと言われた様に、ある意味で冷戦を意識しています。
94年制作のロズウェルも主人公のジェシーマーセル少佐が不思議な金属片は日本の和紙だろうと言うシーンがあります。

Re: 巨大な爪

>星川航空整備部 さん

 キングコングが地下鉄を襲うシーンも有名ですがやはり人形アニメよりもラージスケールの模型を使った衝突シーンの方がインパクトがあるという事なのでしょうね。ゴジラのEF58、走行シーンのモデルは交通博物館の模型を借り出して使っていたそうなので(凄い話ですね)台車周りの細密感が凄かったですね。衝突シーンのそれはゴジラとの足の比率からして仰る通り市販のOゲージ辺りの可能性が濃厚です。

 あのころのSF映画は冷戦とスプートニクショックの影響がかなり感じられます。加えて過去に実際に米本土に着弾した風船爆弾という実例があった事が作り手に「まさかそんな」的なインパクトと着想を与えた事は想像できますね。