Nゲージ夜明け前の16番レイアウト

前回に引き続き「模型と工作」の話です。

 本書では巻末の方にレイアウト関連の記事がありますが、いわゆる「製作記」というよりは「レイアウトの作り方の基礎」をレクチャーする形式の記事が主でした。
 とはいえ、ところどころにレイアウトの写真(当時のTMSなどでは見かけないので「模型と工作」の読者か執筆者のそれという事でしょうか)が掲載されているのでそれほど単調な感じはしません。

 何しろNゲージ登場前の時期であることに加えて、当時も16番のレイアウト用品が殆どない(金属道床の組み立て線路が出たかどうかという時期と思われます)事もあって今の目で見ると随分あっさり且つ単純なものに見えるのですが、不思議と楽しさを感じさせるものばかりでした。


 最初にレイアウトプラン集がありましたが当時は固定レイアウトは小型、編成物などは組み立て式レイアウトをクラブ形式で運用するという使い分けがなされていたようです。
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 大型レイアウトのプランを見ると駅やヤードが複数あるプランが多いのですが、個人所有のレイアウトではとても一人で操作できないようなものが散見されました。
 ですがそれだけに個人レイアウトを前提としたデザインが多いKATOやTOMIXのプラン集よりも線路配置が生き生きとしているような印象を受けたのも事実です。

 レイアウトそのものの工作記事も基礎的なものとはいえ、かなり要領よくまとめられていてレイアウト作りをきちんと俯瞰した構成になっている所には感心させられました。
 この点では今出ている入門書のほとんどがこの文章レベルに達していないのではないかと思われるほどです。 
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 シーナリィや建物類については本当にありものを使ってゼロから工作するレベルで書かれていますが、実在の駅舎をレイアウト向けにディフォルメする、駅前広場の配置は、と言った今の目で見ても新鮮な視点の部分も多く侮れません。

 さて、ここまで本書を読んで思ったのですがあの頃はまだまだ「キシャのモケイを作って遊ぶ」という趣味の原点が生き残っていたことを実感させられました。

 それはペーパー車体で手すりすらロクについていないのに誰が見ても「EH10」「キハ35」に見える印象把握がしっかりした車両工作や、線路しかなくとも仲間同士でワイワイ言いながら組み立ててゆくレイアウト、あるいは小学生から壮年社会人まで分け隔てなく様々な世代の人が同じクラブで楽しむ鉄道模型の会合などと言ったところに端的に示されていると思えます。

 枝葉末節にとらわれないこのおおらかさと自由さはまさに趣味の原点であり、それが今の鉄道模型の世界に必要なものの一つではないかと思い知らされる思いでした。

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