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まんがで読む「地球さいごの日」

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 子供の頃、学研の「科学」とか「学習」を購読していたものですが、どちらも小学生向けの学習誌というか教養誌という性格が強く、そのせいか掲載されている漫画も「学習まんが」とか「一種の息抜き」の性格が強かった印象があります。

 当然それらは関連書籍の広告でも同じ事でジュニアチャンピオンコースとかユアコースシリーズでも掲載されている漫画を印象付けるような広告は殆ど無かったと思います(但しいわゆる「学習漫画」を除く)
 そんな学研が昭和40年代の半ば頃突然変異的に「劇画サスペンス」というシリーズを出していた事がありました。
 しかも表紙のアオリには「手塚治虫編集」と誇らしく飾られていたりします。

 性格としてはいわゆる「名作物を漫画にする」コンセプトなのですが題材が「失われた世界」「透明人間」「怪談」「黒猫」という、名作は名作でもSF,ホラー系に特化していたのが特徴です。

 そのうちの何冊かは子供の頃クラスメイトの本棚で見かけた事があったのですが、先日その中の一冊を中野の某古本屋(まあどこなのかはバレバレですが)で見つけて懐かしさのあまり手を出してしまいました(尤も、そういう買い方ができる程度のお値段という事でもあります。実際その店でも講談社やケイブンシャのそれに比べると余程アシッドな題材でもないと学研系の本は安価な傾向があります)

 物はワイリー作「地球さいごの日」
 終末SF物の古典中の古典で文庫版の原作と福島正美の脚色が凄いジュブナイル版は過去に読んだ事があります。

 懐かしさにかられて再読してみたのですが作画、脚色のどちらもが妙に気抜けした印象で「あれ?こんな内容だったっけ?」という肩すかし感が強い一遍です。

 絵柄は若干手塚風なのですが250ページ近いボリュームを短時間で一気に描き上げたやっつけ仕事っぽい雑な絵柄でまず萎えました。それでもストーリーが原作準拠だとか脚色が上手いとかだったらまだ救いもあるのですが、その脚色も中途半端。

 原作に出てこない新興宗教が唐突に主人公をいけにえにしようとしたり、地球脱出用ロケットの製造基地を襲撃する暴徒を脱出用ロケットで焼殺する描写とかはまだ漫画的という事で納得するにしても前半で全人類に天体の衝突による地球の滅亡が各国元首の手で発表されたというのに大異変実際に来るまで誰もそれを信じず「日本では天体望遠鏡が売れた」なんて呑気な展開になったのにはがっくりきました(汗)

 ジュニアチャンピオンコースでは時折これでもかと言うくらいにアダルトタッチの劇画(事実佐藤まさあきや旭丘光志などのアダルト劇画系作家が描いていた)が挿入される事があったのとはえらい違いです。編集レベルではともかく企画レベルで学研が劇画の扱いをよくわかっていなかった時代の産物という事なのでしょう。
 その意味では昭和40年代の児童書らしいと言えば言えますし、私自身これを読んで「あの頃の空気」に再び触れた様な感慨を得たのも確かです。

 実際、折りさえあれば目に触れるような有名どころの本よりも、こういうちょっとズレた様な本の方が時代の空気を直接的に感じやすいという事はありますね。


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