FC2ブログ

梅雨空と液体人間(笑)

相変わらずの梅雨空ですっきりしない天候が続いています。おかげで畑の除草剤を撒くタイミングもつかめず往生しているこの10日間です。
そんな梅雨空にマタンゴほどではないですがやっぱりじめじめしている特撮怪奇映画から。
DSCN6319b.jpg
(講談社 テレビマガジンデラックス ゴジラ大全集11Pより引用)
東宝変身人間シリーズの第2弾(昭和29年の透明人間を第1弾として)「美女と液体人間」(昭和33年 東宝)

 水爆実験の放射能の影響からか、人間が液体化し、相手を溶かして同化させる事で仲間を増やす液体人間と言うコンセプトはまさにマタンゴのルーツと言えます。
私が本作の存在を知ったのは小学生の頃にケイブンシャの最初の「怪獣怪人大百科」でスチルを見たのがきっかけでしたが、当時電送人間やガス人間と並んで「夜うなされる系怪人」の代表格でした。
(今にして思えばあの大百科にゴケミドロやマタンゴ人間とかが載っていなくてよかったと心底思いますw)

 それから20年位してNHKのBSで電送人間なんかと共に放映されたのを初見するまでは、無闇に怖いイメージしかなかったものです。

 ホラー映画を思わせる不気味なイントロを聴き終るまではそうでした。
が、次の瞬間「新聞社のニュース番組のテーマ曲みたいなやたら能天気なマーチが掛かったのには心底驚きました」事前のイメージとはあまりにもギャップがありすぎです。

 ただ、この能天気なテーマ曲のおかげで必要以上に怖がらずに済んだのも確かで、観終った時の印象もそれほど後味の悪さを感じませんでした。
 話の内容や描写はマタンゴに負けず劣らず怪奇な物でしたからテーマ曲のマジックと言うのは凄いものです。

ある雨の夜、東京のとあるビル街で麻薬密売人の男・三崎がタクシーにはねられる。しかしその場には死体はなく、三崎の服だけが雨に濡れて残されているだけだった。麻薬密売に絡む抗争との見方で捜査を進める警視庁捜査陣だったが三崎が服だけ残して消えている事を知った捜査主任の旧友の科学者、政田は三崎の情婦でキャバレーの歌姫をしている千加子に接近する。

 実はこの事件の数週間前、核実験海域で行方不明になっていた漁船、竜神丸が忽然と姿を現し、救助に乗船した僚船の乗組員が船内に潜む謎の液体に服だけ残して身体を溶かされるという怪事件が起こっていた。三崎の消失との奇妙な暗合に政田は放射能が生物の組織に何らかの変異を起こしていると疑ったのだった。
 一方麻薬密売組織は三崎の消失を彼自身による裏切りと考え、千加子の家に刺客を差し向け三崎の行方を聞き出そうとするが、その眼前に謎の液体が現れ刺客は服だけ残して消えてしまう。

 また捜査主任の富永も三崎の言を信じようとせず却って彼を邪魔者扱いしていたが、千加子のキャバレーでショータイムの間に密かに行われていた麻薬取引の現場を押さえようとした矢先、ギャングたちや踊り子がまるで生きているように蠢く謎の液体に溶かされる現場を目撃!

 政田たちの研究で謎の液体は放射能による変異で身体が液体化した人間であり、相手に接触し、溶かす事で同化させ仲間を増やしてゆく怪物である事が明らかになった。

 液体人間は下水道の水中に潜み、下水管を通って出没していた事から防衛陣は彼らの潜む一帯の下水にガソリンを流して火をつけ、火炎放射部隊の攻撃と併せて一気に焼却、殲滅する作戦を立てたのだが・・・



 本作は前半はヒロインである千加子を軸に、科学者、刑事、ギャングたちの三つ巴の対立の中、得体のしれない何かが暗躍する暗中模索の状況が描写され、ドラマと言うよりもモキュメンタリーホラーに近い構成になっています。
 相手を同化させる事で捕食と繁殖を同時に行うという液体人間の設定は後のマタンゴに似ていますが、本作はあくまで液体人間を社会への脅威と捉え彼らの性質の分析と殲滅の描写に重点を置いており、ホラーと怪獣映画の中間的な雰囲気が漂います。

 第二竜神丸船内での漁師たちの恐怖体験の描写はホラー風味たっぷりで真夜中に見るにはおっかないのですが、それ以外の描写はサスペンスとアカデミズムが混然一体となった雰囲気なので実は意外と怖くありません。
 むしろテーマ曲の雰囲気と同様、液体人間と人類社会の対決と言った雰囲気の方が強く感じられます。

 ただ、本作は事件の大半が雨の中で展開するためにじめじめ感はマタンゴに負けていません(笑)キャバレー店内の描写も外が雨と言う設定のせいか妙にじめっとした寒々しさだったりしますが、雨の降りしきる土手を流れに逆らって上に流れてゆく液体人間の登場シーンは意志を持つ液体の雰囲気がよく出ています。

 いったん消えた第二竜神丸が再び東京湾に出現した事や、千加子の周辺に出没する液体人間には三崎の意志を匂わせている事から、液体人間には同化したとはいえ元の人間の意志は残っているらしいですが今ひとつその辺りは曖昧です。そのため液体人間にどう感情移入すればいいのか戸惑わされるのが本作の弱点と思います。
 とはいえ、全体を彩る雰囲気はマタンゴほど暗くなく割合安心してみていられる和製ホラーではあります。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型へ
にほんブログ村

にほんブログ村 映画ブログ SF映画へ
にほんブログ村

にほんブログ村 コレクションブログ ミニカーへ
にほんブログ村



関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント