レイアウト本の古典のはなし

1242510575.jpg


 家族と共に東京へ出かける機会があってその際に当時は万世橋だった「交通博物館」を見学する機会を得ました。
 昭和50年頃の事です。
 当時鉄道模型の「レイアウト」自体に触れる機会が殆どなかった私にとってはここのレイアウトが実質的な初体験(と言っても見ているだけですが)となりました。
 広大なスペースとそこを縦横に走り回る列車の数々、更に照明効果によって一日の流れを表現する様は正に「小宇宙」の魅力を持って私を酔わせたものでした。

 そんなイメージに酔ったまま帰りがけに館内の売店に立ち寄ったのですがそこの書籍コーナーにあったのがこの「レイアウトモデリング」でした。

 その時は内容も良く分からずに買ってもらいました。
 これも良く覚えているのですが、帰宅の当日はダイヤの乱れもあって列車に乗るのに3時間待たされ乗った後も食堂車は営業休止、車内販売も殆どなく途中の駅では売店も営業終了していた悪夢のような夜汽車旅だったのですがその車内で買ったばかりの本書をひたすら読みふけり交通博物館のレイアウトとは全く異質の驚きに打たれました。
1242510562.jpg

 それまでレイアウトと言えば引き回された線路に駅を中心とした鉄道施設が付いているイメージが大きかったのですがここで取り上げられていたレイアウトにはそれだけではなく線路の沿線風景、それも一般の農家だったり観光地の城だったりするのですが、それらが列車の走る線路と良くマッチしてとても生き生きしているのが分かったからです。
 帰宅後しばらくはこの本に酔っ払い自分なりのレイアウトプランを落書きする日々が続きました。
 曲がりなりにもレイアウトを作り出すには30年近く掛かったのですが(習作はこの数年後にひとつ試しています)…

 この本は今読み返しても非常に面白く、特に摂津鉄道や八里九里観光鉄道、初代の雲竜寺鉄道には強くリスペクトされました。一方で私鉄駅のシーナリィセクションなどもコンセプトは後の私のレイアウト製作に影響を与えています。
 今では新刊として店頭で見ることが出来なくなっている本ですが本書を持っている他の方も触れていますが、今再販しても読み物としても充分に楽しめる内容ではないかと思います。

 そんな訳で私の中では「レイアウトモデリング」と「交通博物館」はつながってイメージされています。
 さて、「モデリング」とくれば他の2冊も忘れる訳にはいきません。
1243206102.jpg

 私がTMSを読み始めたのは鉄道模型を始めてから2・3年位経ってからですが、その頃本誌のレイアウト記事を読んでいるとかなりの割合で「全書」「テクニック」の製作記事を参考にしたといったものが多く(「モデリング」でもあちこちで「全書」が取り上げられていました)そんな記事を読むにつれてどうしてもこの2冊を読みたい欲求にとらわれる様になりました。

 結局改めて取り寄せる羽目になったのですが、当時ですら学生の身分では値段が高かった事と取り寄せに時間が掛かった記憶があります。それだけに大きな期待を持って到着を心待ちにしていたのが懐かしく感じられます。

 到着した2冊は正に期待に違わぬものでした。
 製作技法やプランニングなどは初版から十数年を経ているだけにラフな印象もありましたが(「テクニック」のNゲージレイアウトの製作などはその後の製品の充実度を考えると尤もギャップが激しかった記事のひとつと思います)掲載されていたレイアウトの一つ一つが作り手の楽しんでいる様が手に取るように感じられました。

 どんなジャンルでもそうですが、後になって製品や作品の質が向上しレベルが均質化するにつれて素朴な意味での楽しさがスポイルされる傾向が出てくるものですが、ジャンルが発展期にあるものは技量こそ劣れども独特な勢いが感じられて時代を超えた魅力を発するものだと思います。この2冊から感じた事が正にそれでした。

 以来実際の製作にかかるまでは大分時間を食いましたが(笑)その間レイアウトプランだけはああでもないこうでもないと随分と検討させていただきました。
 その際に全書やテクニックのレイアウトが常に頭のどこかにあるようになったのは結構大きな影響だったと思います。


にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型へ
にほんブログ村
にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 車ブログへ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント