「ベータマックスの総決算」機

 今回は久しぶりのVAネタです。
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 VHS対Betaの2分の1インチ(テープの幅をさします)ビデオデッキ戦争の趨勢は90年代初め頃にはほぼVHSで固まり、ベータ方式は実質SONYのみとなっていました。
 SONY自体もVHSに進出し且つ8ミリにも力を入れ始めていた時期、ベータの新型が出るという事はまずあるまいと思えていました。

 私自身これまで録りだめて来ていたベータテープを再生する以外に使う事があまりなくなっていましたし、周囲のベータ党もテープ毎デッキを処分する者も現れ始めていました。
 「恐らく次に新型が出たら(もし出る様な事があったら)それが私の最後のベータデッキになるだろう」などと当てにもならない展望を描いていたものです。

 逆に言えばベータマックスの大尾を飾るにふさわしいそれまでの技術の総決算みたいなデッキが出てくれないかと言う希望でもありました。

 ところがそう思い始めたまさにその矢先に私の希望をかなえるデッキが登場したのですから大したものです。

 その機種はSL-2100。

 当時のSONYは高画質ベータとして「EDベータ」というメタルテープ採用の規格(スペック上の画質ではS-VHSを上回る)を持っており、それが最上位機種となっていたのですがこの2100はスペック上は「普通のベータ」として登場しながらEDベータの普及機より高いという驚くべき値段で登場したのです。
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 登場時はまずその点に驚きましたが(貧乏性)それ以上に驚かされたのがそのコンセプトです。
 このデッキ用の専用ヘッド、DSPをはじめとする映像処理回路など、自己録再はもとより「これまで録りだめたベータのテープをきれいに再生する」ことに重点が置かれている印象を受けたのです。
 当時のSONYの十八番だった「ジョグダイヤル&シャトルリング」「フライングイレースヘッド」と言った高度な編集機能も一応備えていましたが本機に関しては添え物的な印象しかありません。

 このコンセプトは数年後にVHS陣営の3次元Y/C分離など「坂本さ~ん、昔録ったビデオもきれいに見れるんですよ」コンセプトで追随することになりますが、シェアの上で劣勢ながら初期にマニアが飛びつく確率が高かったベータならではの慧眼ともいえます。

 前述のような覚悟(笑)があったとはいえ、ビデオと考えると当時としてもかなりな高額商品なだけにかなり迷わされましたが、3ヶ月くらい逡巡の末その年のボーナスを注ぎ込んで購入してしまいました。

 実際、画質は期待以上のものでした。恐らく当時のS-VHSデッキですらトータルの画質でこれを上回るものはそう多くなかったと思います。解像度とSN比のバランスはこれまで使ってきたベータ機の中では最高の部類でしたが、本機の場合、テープスピードが通常の二倍となるBⅠsモードというのがありこれで録画した画質はS-VHSよりはるかに安定していました(その分録画時間も半減しますが「小細工なしの高画質」なのでTR-75辺りのカメラ画像のダビングに重宝した覚えがあります)

 更にSONYの意地を感じたのがデッキ自体の「見た目」です。

 透過性の液晶操作パネル、双方向通信リモコンと言ったハイテク(死語)を盛り込みつつ高級感あふれる本体デザイン。これがEDベータのモデルなら納得もしますが「スペック上は普通のベータデッキ」でここまでやった例はありません。
 その仕上がりには凄みすら感じます。

 クルマに例えるならEDベータが「レーシングカー」なら2100は「スーパーカー」の違いとでも言えば良いでしょうか。

 ただ、弱点もないわけではなくハイテク感あふれるリモコンが電池を4本も使うくせに操作がまだるっこしかったり(笑)するのですが。
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 いずれにせよベータマックスの総決算(と私が勝手に命名している)とも言うべきSL-2100。20年近く経過しここ最近は動作チェック程度しか使っていませんが。



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