レイアウト趣味から観る特撮映画・7・日本沈没(73)

 レイアウト(ジオラマ)趣味から観る特撮映画のはなし、今回は73年版の「日本沈没」から
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 前にも取り上げた「特撮美術監督井上泰幸」という本のカバーに本作の見所のひとつである「大震災時の東京」のミニチュアの写真が載っています。

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 この映画は私もリアルタイムで観ていたのですが(おかげで「東京で大地震にあったら死ぬしかない」という妙なトラウマが植えつけられましたw)火災で炎上する東京の町並みがどうにも「適当に箱を並べて燃やしている」様にしか見えず本編の迫力あるパニック描写との乖離を幼いながら感じてしまっていました。
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 ところが本書で取り上げられている写真を見ると立て込み、作り込み共に想像以上に力の入った物であった事に愕然としました。
「それじゃ映画館で見たあれはいったいなんだったのか」とすら思えたほどです。

 ではどうしてせっかくのミニチュア街が残念な描写になってしまったのか。
 素人なりに考察ですが理由としては二つ考えられます。

 ひとつは爆発、火災の描写がメインなためにカメラの露出がかなり絞られたために炎のほうが目立ってしまい大半のミニチュアが「シルエット」でしか認識されなかったこと。
 これは演出上のカメラテクニックの問題ですから映画として見るならやむを得ない気もします。
(そういえば冬の夕方の話なのに建物類の灯りが街灯を含めて殆ど無かったのも残念なポイントでした。後に作られたテレフィーチャーの「東京大地震」では小規模ながらも電飾があったのに)

 もうひとつの問題はビル街のセットを撮影したカットの殆どが「ヘリから捉えた俯瞰」のアングルだった事です。
 本書の写真を見るとかなり建物の建て込みにリアリティがあるのですが、写真を見る限り「5,6階位の高さから俯瞰を眺める」事を前提にした配置のようです。
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 つまりそれより視点が上がってしまうとかえって不自然さが強められてしまうアングルで撮られてしまっていたことが不自然に見える原因だったように思えます。
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 もしこれが本書の写真と同じアングルだったらどうなっていたか。恐らくヘリではなく被災者の視点からミニチュアは捉えられていたはずであり恐怖感は更に強められていたでしょう。

 (ご丁寧にも映画と同じセットを使ったTV版「日本沈没」では真上からセットを捉えたカットまで出てきます。当然更に不自然な配置に見えました)

 実際、他のメイキング写真などを見ると上から眺めたビルの配置は縮尺がばらばらでまるで砂利をばら撒くようなアトランダムさでビルが配置されている様に見えてしまっています。

 ですがそれが視点を適切に下げる事であれだけのリアリティが出せるものだったというのは結構な衝撃でした。

 これと全く同じ事はレイアウトやジオラマでも言えると思います。
 この間から大レイアウトの考察で俯瞰とアングルの重要性について考えてきたのですが意外なところにその実例があったと言えます。
 もし大レイアウトが作れる機会があったら自戒しなければならないところでしょう(あるのか?)



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