最近の趣味本に思うこと

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 今回は最近購入したある鉄道本についての話です。
 その本はジャンルとして興味があったので店頭でパラパラ見てから購入したものです。

 ですが読後感は正直言ってよくありません。

 言葉使いや表現の仕方が稚拙且つ衒奇的なため見ようによっては全編が対象に対する侮辱本ともとれる印象を受けたからです。

 一例をあげるとアコモ車や改造車を表現するのに「お里が知れる」と言うことばを頻繁に使っている点(本来ならば「通勤車の車体を使ってサロンカーを作った」というような下層の者がエリートぶっている場合なんかに用いる言葉で意味としていいものではありません)
 あるいはあるベストテン選定の過程の座談会で「みんなが知っているから選びたくない」と言った意味の発言が聞かれたこととかです。
 この場合、「一般に知られているかどうか」ではなく、「対象自体が美しいかどうか」こそが選定の基準であるべきはずなのにこれでは「美しいかではなく自分たちだけが知っているから」を基準にしているような気がして貧しい気持ちになりました。
 題材は良いのに文章の印象でかなり損をしている本と言う感じでした。

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 これに限らずマニアの書いた本の中にはこういうスノビッシュな物が多く読後感の良くないものがあります。
 専門用語や隠語の羅列に終始したり衒奇的な自慢話に陥っていたり、こういうのは特に鉄道関係には多く、他の趣味本ではあまり見られない傾向と言えます。
 
 鉄道趣味自体は20世紀初頭までは「最先端のハイテクを楽しむ上流階級の愉しみ」でしたし、鉄道模型の趣味も「金持階級や上流階級の子弟の玩具」と言う所からスタートしている事も関係あるのかもしれませんが
 「鉄道」を趣味にしている俺様は偉い、「鉄道模型を楽しんでいる俺様はオトナの紳士」とか言った勘違いが蔓延しやすい環境にあると言えます。

 そうした風潮が端的に表に出てしまっているのがこの種の自慢本・衒奇本の類と言えます。
 この種の趣味本の肝は「いかに上手に自虐できるか」にあると私は思います。

 オーディオ関連のエッセィで時にあれだけ攻撃的な皮肉を書けた長岡鉄男氏ですら、その攻撃性は計算の上に成り立っておりどうすれば不快感を最小限にできるかを考えて書かれています。
 これは知識量よりもセンスや頓知をいかに使いこなせるかの話でありその点において鉄道趣味や鉄道模型趣味の評論はオーディオやクルマ、どうかするとアニメやマンガの評論にすら大きく後れを取っている様に思えます。

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 エリート気取りの上から目線で知識と称する情報の羅列を聞かされるより「ああ、こんな馬鹿な事を自慢して。でも楽しいんだよね」と言う告白を聞かされる方が読む側も共感できます。
 自慢したい気持ちもわからないでもないですがツイッターやSNSではないのですから、この種の書籍・特に入門書ではもう少し節度の効いた文章を心がけられればと思います。

(写真は本題とは関係ありません)



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コメント

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言葉

 私が本格的に鉄道写真を始めた80年代初頭の鉄道雑誌等は正に知識を持つ人が楽しむ。
そして通常のモラルを持つ人たちの語り場になって
いる大人の世界でした。
時代とは言えネットと違い書店やデパート、ホビー店
で発売され子供から老人まで手に取る発行物の質が下がる。
正直、ホビーその物の未来が危ぶまれる状況に近いと思います。
私も現在ある航空雑誌に毎回投稿していますが、やはり用語等で気になる個所もあります。
ご存じとは思いますが2年前の209系さよなら運転におけるファンの暴走、駅員やスタッフに対する罵声そして利用者への暴言ともはや趣味そのものが崩壊し
単なる騒動と化している。
一言で言うとモラル低下です。
本当は前のブログ記事に関連した書き込みと思いましたが今回の雑誌の件であえてコメントしました。

>星川航空整備部 さん

 残念な事ですがモラルの低下の問題は60年代のSLブームの頃から当時の専門誌やマスコミなどで指摘されてきたもので、のちのブルトレブーム、更には現在の鉄道ブームに至ってもあまり変わらない部分でもあります。

 つまりブームが変わっても前の教訓が次の世代に受け継がれていないという事でもあります。

 個人的に思うのですが、本来活動を通して見識とモラルを身に着ける事も趣味の理想的な姿と思います。
 その辺りが同じ楽しみを持つ者の中の「趣味」と悪い意味での「性癖」とを分ける一線ではないかと考えています。

 (「趣味」と「性癖」の違いですが例えるなら芸能人の「ファン」と「ストーカー」の違いと書くとご理解頂けるでしょうか。これはあくまでも私の個人的な見解ですが)

 現在の一部マニアの問題は本人の捉え方の中で「趣味」と「性癖」が混同されている所にもその本質があるのではないでしょうか。これは鉄道に限らず他のジャンルでもいえる事ですが。

 最後に 

> 本当は前のブログ記事に関連した書き込みと思いましたが今回の雑誌の件であえてコメントしました~


 特撮ネタの記事はこれからも折を見て上げる積りですが星川さんのコメントも楽しみにしておりますので今後ともよろしくお願いします(笑)

Re: 言葉

>星川航空整備部さん

 コメントありがとうございます。
 このコメントに関する見解を書いたのですが何故かブログが受け付けてくれません。

 どこが悪かったのかはわかりませんが(汗)これについての見解は別な形で上げたいと思いますのでよろしくお願いします。

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まとめ【最近の趣味本に思うこ】

 今回は最近購入したある鉄道本についての話です。 その本はジャンルとして興味があったので店頭でパラ