震災と青空文庫と田山花袋

 今回は震災関連の読書ネタです。

 以前から大地震関連の本や読み物はいくつか読んでいたのですが、青空文庫(私は主にPDAにダウンロードして読んでいます)で関東大震災に実際に遭遇した文士の書いた記録は特に興味を持ってチェックしていました。

 この種の災害の記録はドキュメントではどうしても災害全体を俯瞰で見たものが多く、個々の事象への突込みが不足しやすいですし、記録写真は一瞬を切り取るだけで災害発生時からの時系列的な流れを感じるには無理があります。

 関東大震災は当時の文学者も多く遭遇・被災していた事から文士のそれぞれが「その時何をしていたか、震災をどう感じたか、その後どうしたか」について日記や随筆という形で色々と残されており、そのうちのいくつかは青空文庫でも拾う事ができます。

 私のこれまでに読んだ範囲では

   若山牧水の「地震日記」
   田中貢太郎の「変災序記」
   寺田寅彦の「震災日記から」
   岡本綺堂の「震災の記(綺堂昔がたり所収)」
   徳富蘆花「みみずのたはごと」のあとがき

 などが主なものですが、実際にはまだまだ他にもあると思います。

 何れも震災の瞬間の対応、その時の被災地の印象、災害直後からその後何があったか、何をしたかを生き生きと後世に伝えてくれています。
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 又、青空文庫ではまだ取り上げられていませんが田山花袋の「東京震災記」はこの種の文の中でも最も分量が多く震災直後からその3ヵ月後位までの世の流れを作者の目でよく捉えている点で何度も読み返させる本でした。

 自宅に居ながら地震の一撃を受けた直後から始まり、辛うじて被災区域外だった為に直接の被害こそなかったものの庭先から燃える東京の空を眺めるところ、知り合いの身を案じ危険を冒して被災区域に向かう作者の見たまま、心情が生き生きと活写されています。
 特に何もかもが破壊されつくした廃墟の町のなかでただ一か所、壊れた水道管から噴出している水を見た作者がそこに生命の新たな息づきを感じるくだりは今も強い印象を残しています。

 これらの本や随筆は直接防災に役立つという性質のものではありませんが今回のものも含めて震災というものを各個人が自分なりに理解するには有効なものと思えます。



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