レイアウト趣味から見る特撮映画「ガメラ・大怪獣空中決戦」

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 久しぶりに書く「レイアウト趣味から見る特撮映画」今回は比較的新しい平成ガメラシリーズを…と思いましたが「新しい」とは言ってももう既に20年近くたっている事に気づかされます。
 つくづく年をとったものだと(汗)

 この作品は当時のゴジラシリーズがスーパーメカやゴジラのクローン、あるいは旧作の人気怪獣の使い回しと展開がマンネリ化していた折に単に「ガメラシリーズ」のみならず「正統派の怪獣映画の復活」をかけて製作された作品でした。
 特に第一作の「ガメラ・大怪獣空中決戦」は超古代文明の生み出したモンスター同士に戦いを軸に人間と怪獣の交感、人類と怪獣との戦いを絡めて実にリアルかつ骨太に描いたものとして90年代の怪獣映画の金字塔となりました。
 メインのストーリー展開も去る事ながら自衛隊やマスコミの描写、ところどころにちりばめられた「日所生活の中に乱入する非日常」のシークエンスも非常に印象的です。

 例によってストーリーは割愛しますが「まだ観ていない人にはとにかく観て下さい」としか言えません(汗)

 さて、前振りは置いておいてここからが本題です。
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 本作を映画館で観て一番衝撃を受けたのはミニチュア描写でした。
 同時期のゴジラシリーズが西部警察の列島縦断ロケさながらに「地方巡業で名所の破壊、ランドマーク決戦」がルーチン化していた折に「市井の普通の風景を丁寧にミニチュア化」している点に先ず好感を覚えました。
 黄金期東宝特撮以来、特撮物が忘れかけていた「細部への拘りとパノラミックな構図」のコラボレーションが画面の上に見事な形で表現されていました。
 例えば芝公園周囲のミニチュアの「近景の公園に丁寧に縮尺された植え込みとベンチ、ゴミ箱が配置され、その奥には低層ビルの町並み、遠景に東京タワーが聳えるカット」

 これは単にミニチュアが細密だというだけではなくそれぞれのパーツの配置に並々ならぬ配慮がなされている事の表れと思います。
 少なくとも単に実景をそのままミニチュア化しただけではこれだけの視覚効果は出ないと思われます。
 同じ様な印象はクライマックスのコンビナートや「ガメラ2」の足利市周辺のミニチュアでもこれは言えるところです。

 実際、それらの片鱗は同じ樋口真嗣監督が参加された「特撮博物館」の展示でも大いに感じられた所なのですが。


 それ以上に衝撃的だったのはこれらのミニチュアを駆使した格闘シーンや破壊シーンの大半が屋外にセットを組んで自然光の威力を最大限に利用して撮られていた事です。
 これまでありそうでなかった手法(他の特撮物でも屋外撮影はあるものの都市破壊のシーンで屋外撮影それ自体がメインに使われたケースはこれが最初だったと思います)
 従来のミニチュア特撮の殆どが「ステージの天井が映り込むためにある角度以上のあおりが使えない」弱点を持っていた(それを回避するために例えば昭和ガメラの湯浅憲明監督は天井にかかる所に高架道路や建物の庇を配置して天井を隠した上で煽りのカットを入れている)のですが本作ではこれでもかという位にあおりのカットを駆使して「人間の目線から見上げた巨大怪獣」に視覚的なリアリティを与える事に成功しています。

(それだけに従来のステージ撮影とは異質の苦労も相当に多かったようですが)
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 実はこの「平成ガメラ」を見たがゆえに「レイアウトを外に持ち出そう」という欲求を鉄道模型の再開直後から持つ事になったと思います。
 その意味では間接的にレイアウト趣味に与える影響も大きい作品でした。



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コメント

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No title

私は小さき勇者たち版から入ったんですが、ガメラシリーズはゴジラと違い世代の差はあれ正義の怪獣として受け入られてる様ですね。ただ平成ガメラのイリス覚醒だけは、こんなのガメラじゃないと拒否反応のデカい事。

No title

>光になれさん

 ガメラの場合登場当初から「子供好き」という設定がありましたから子供の味方=正義の味方という流れが作りやすかったのでしょう。

 ガメラ3はその辺が見事にふっとばされていましたから違和感は確かに強かったと思います。
 それに「怪獣映画に普通のサイコパスの悪役」が存在したことも怪獣映画そのものの禁忌に触れる部分だった気もします。
 (それにあのラスト、続編やシリーズ化を見事に拒否していましたし)