「思い出の昭和ヒーロー列伝から」・アイアンキング

 昭和ヒーロー列伝の思い出話から
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 第4回は「アイアンキング」です。

 昔の特撮ヒーローものを今時の子供なんかに見せると今のCGレベルから見てどうにも古臭いところが目に付いて不評だったりする事が多いものです。
 殊にうちの子供等はCGに慣れ切ったせいかミニチュア特撮自体に拒否反応を示す事もあります。

 ですがそんな中にあって「アイアンキング」だけはうちの子だけでなく他の子供や私より一回り年齢の違う同僚の父兄辺りに見せても好評な事が多くリアルタイムで観ていた世代としては嬉しいやら驚かされるやら。
 思うにこの作品は特撮ヒーローものの中でも人間ドラマとエンターテイメント性が非常に高い所でバランスされていた結果ではないかと思います。
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 ストーリーは武装先住民や革命集団を叩くため派遣された国家警備機構の一匹狼、静弦太郎と彼をサポートするために送り込まれた霧島五郎の闘いの旅を描くものです。

 敵は毎回巨大ロボットや怪獣ロボット(最後の方では宇宙人まで登場)を繰り出すのですが本作の特徴はタイトルにまでなっている巨大ロボット「アイアンキング」に変身するのがサポート役の霧島五郎である事、せっかく登場したアイアンキングがそれほど強くなく、決着をつけるのが等身大の静弦太郎である事が多い点です。
 その弦太郎の武器というのが鞭にも刀にもなる万能武器「アイアンベルト」のみ。これで時には敵ロボットにぶら下がり、アイアンキングが苦戦している間に操縦席に爆弾を投げ込んだり操縦機を破壊して敵を倒すという独特のシチュエーションでした。
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 「巨大ロボットと鞭一本で戦う等身大の生身の人間」と言うシチュエーションはよく考えたら空前絶後ですし、先住民族や革命集団と言った敵と戦う権力側のキャラでありながら主人公を徹底的に孤立無援の立ち位置に置く事で力関係のバランスを取った配慮も効いています。
 当時のウルトラマンA辺りが磔になったりブロンズ像になったりした時には子供心に大ショックだったのにアイアンキングの静玄太郎はそれと同等のピンチが殆ど毎回やってくるのにそれらを身ひとつで切り抜けてしまう所にはらはらしつつも非常な頼もしさも感じていました。
 主人公がそこまで強いのだったらわざわざ別の巨大ヒーロー(しかも弱い)を設定する必要など無い筈なのですが、アイアンキングの霧島五郎を3枚目の相棒キャラ(これも後の「あぶない刑事」の鷹山・大下コンビをほうふつとさせます)に設定し「互いが互いをカバーし合う」形で戦わせる構成にしているのでまだるっこしさや不自然さを感じさせません。

 前作の「シルバー仮面」の重さとは正反対の明朗でありながらシルバー並みに深みのあるアクションヒーローものとして稀有の作品だったと思います。
 そうしたストーリーやキャラクターの魅力が前面に出たために冒頭で書いた様に時代差を超えてあらゆる世代に楽しませていたと思えます。

 ヒーロー列伝で取り上げられたのは「朝風の密使」「ロボット怪獣全滅作戦」「東京大戦争」の3本。
 それぞれ、レギュラーの敵「不知火族」「独立原野党」「宇虫人タイタニアン」の登場・又は壊滅編がセレクトされています。
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 毎回コスプレを楽しませてくださったディレクターの喜井氏も今回は豪華な三変化。
 これには驚かされました(特にタイタニアン)

 所で本作の脚本を担当していた佐々木守氏が生前何かの本で「ドラマの脚本を書く時は作品の放映時間帯や裏番組の動向なども計算に入れて書いているから出来ればリアルタイムで見てほしい」と言う意味のコメントを残されていた事があります。
 その目で見た場合「アイアンキング」放映当時の裏番組はフジがハードなヒーローものの「ミラーマン」、その後番組の「マジンガーZ」があった(最終期には日テレで「ドラえもん」もスタートしています。実は私はこれを観てしまったためにアイアンキングの最終回をリアルで観ていません)

 その「ミラーマン」が硬質且つハードな展開でやや重い印象だったのに対してアイアンキングはあくまで明るさと爽快さを前面に出して差別化していますし、

 マジンガーこそ「人型ロボット同士が戦う」と言うシチュエーションでバッティングしているのですがマジンガーがスタートする前後のタイミングで怪獣型ロボットが登場する独立原野党編に移行し画面が似てしまうのを回避している様にも見てとれます。

 まあ、ワタシ的には「リアルタイムで見られた最後の武田アワーのヒーローもの」としての印象が強いのですが。
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 それはさておき、このアイアンキングは当時から私も大ファンだった作品で後にビデオソフトが出た時には真っ先に飛びつきました(しかも今は亡きベータ方式)し、LDBOXもずっと後に入手しています。



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コメント

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そうでしたか

 光山市交通局さんもアイアンキングには思い入れ
がありますか。
本放送の1972年10月(昭和47年)は半年後にはアニメに王座が取られてしまう事など感じさせない勢いで
特に日曜の7時代は激戦区でした(笑)
シルバー仮面が視聴率的にミラーマンに敗れ去り
終盤の10月にはアイアンキングに苦戦する。
こちらの方が今から思うとドラマですね。
ただ個人的には私も全身銀色のシルバー仮面、
ミラーマンと比べるとセブンのデザインに近いアイアンキングの方がヒローイメージが大でした。
当時のエースやミラーマンと比べると超兵器類が一切出ず超人技で敵ロボットを粉砕するのが単純だけどQ的?で何度見ても楽しめます。
アイアンの初回で新幹線が襲われるシーンはシルバーのサザン星人の回から流用で他にも同様な場面があります。
それと2話か3話で弦太郎が警察署に連行されるシーンに出てくるクラウン40系パトは翌年のレッドバロンにも出ています。
で光山市交通局さん私も同様でドラえもんを観た関係でアイアンの最終回を観られませんでした。
5年前にユーチューブで初めて拝見しました(笑)

Re: そうでしたか

>星川航空整備部さん

 アイアンキングは私にとっても思い入れの多い作品でした。が、当時の私と同様にこれを面白がってくれる若年層が多かったというのは意外であると同時に一種の嬉しさも感じます。

 日曜7時台はテレビ草創期から平成の初め頃までテレビまんがの激戦区でしたね。
 民放二局地域の私の故郷ではそのメリットはあまりなかったのですが時期によっては同時間帯に3本なんてのが当たり前だったというから凄い話です。

 (アイアンキングの裏がドラえもんだったのとヤマトの裏が猿の軍団だった時くらいでしょうか)

 ミラーマンですが、シルバーの裏どころか当時はリアルタイムでの本放送が無かったので(放映は1年遅れでした)東宝チャンピオン祭りをミラーマン目当てで観に行った思い出があります。そのせいでシリーズ中では比較的どうでも良い様な扱いのアロザには特別の思い入れがあったりします(笑)

40年前の番組なので、好き嫌い分かれるのは当然だと思います。ザボーガーやダイヤモンドアイと同じく主人公とヒーローがパートナーのバデイ物なんですよね。それにしても本当に強すぎる主人公なんじゃ弦太郎。大門さんですらシグマのロボには勝てず苦戦する事も多かったのに。鋼牙や雷牙の様な黄金騎士とも互角に戦えるのでは。相方のアイアンキング役の浜田光男さんウルトラマンガイアに出たのがきっかけでこの番組に興味持ちました。後子供さんアニメには拒否反応ないんですね。

>光になれ さん

 当時の特撮物で大スターだった石橋正次氏や浜田光男氏の起用はかなり異例且つ大変な事でした。

 それが可能だったのはひとえに佐々木守氏の脚本と人脈によるところと言えます。子供向けと言えども決して手を抜いたり舐めた様な所を見せない骨太さあっての所でしょう。

 うちの子供の場合、むしろ昔のアニメへの拒否反応の方が強い感じがします。現代の作品に比べて絵柄の違和感が大きいようですね。
 それでも「宝島」や「魁!男塾」「金田一少年~」なんかは結構面白がっていましたが(笑)